炊き立てのご飯に味噌汁、そして白菜の漬物といえば日本人の朝食の定番。だが白菜が日本に入ってきたのは明治時代のことだった。一方、韓国料理に欠かせない唐辛子は、一六世紀に日本からもたらされた。「羹に懲りて膾を吹く」が、トルコでは「ミルクでやけどをした人はヨーグルトを吹いて食べる」となる。「フレンチ」・フライはベルギーが発祥の地、スープはもともとパンだったー人が日々口にしている食べものには、各民族の歴史がつまっているのだ。
ベッドの枕に置かれた封筒。中には祝福の手紙(「きみはついてるな!」)と25セント硬貨。チップとも呼べない少額すぎるそのコインが、ホテルのメイドにもたらした幸運とは…市井の普通の人間に訪れた特別な瞬間を、名人芸の手業で描いた標題作ほか、天才キングが十年をかけて、瞬間瞬間の全精力を傾注して彫琢した傑作揃い、意外な結末ばかりの全七篇。全篇キング自身の解説つき。
現代倫理の混沌を主要な問題群に整理するー生命(遺伝子治療、再生医療等)、環境(地球温暖化、生物多様性の減少等)、情報メディア(マスコミの社会的責任、コンピュータ・エシックス等)、グローバル化(多文化主義、マイノリティ等)-科学技術と私たちの生命・人生・生活との調和、それに向けての倫理的実践を探求する。
伝説と化した清士、介子推との一閃の交わりに始まる鮮烈な冒頭。本篇は傑作『重耳』につらなる、名宰相・士会をえがく快著である。
東京・丸の内の片隅にある小料理屋「ばんざい屋」。女将の作るちょっぴり懐かしい味に誘われて、客たちが夜な夜な集まってくる。クリスマスの嫌いなOLの悩み、殺された常連客が心ひそかに抱いていた夢、古い指輪に隠された謎と殺意…。数々の人間模様をからめながら、自らも他人にいえない過去を持つ女将が鮮やかに解決する恋愛&ヒューマン・ミステリーの傑作。
暴力に対する嫌悪、人間の機械化に対する嫌悪、そして人間に対する愛を心に抱いて生きることーユマニスムを生涯の思想とした著者(1901-75)の静かな祈願のことばは、読む者の胸に深い感動を呼び覚ます。真の知性の眼をもって人間性の根源を洞察するエッセイ・評論23篇を収録。
もりのおくで、きれいなにじいろのしまうまがうまれました。どうぶつたちも、あたらしいなかまができておおよろこび。ところが、あめがふらないひがつづいて、かわのみずがなくなってしまいます。げんきのないなかまたちのために、にじいろのしまうまは、いっしょうけんめいおねがいをしました。
指揮という芸術の謎。英国の著名音楽ジャーナリストが、巨匠たち自身とその周辺へのインタビューを通じてそれぞれの音楽について考察した名著。
5七銀左戦法「24手組み」から派生する形を体系化。急戦をシステムとして捉える。先後双方が最善手を徹底追求。振り飛車に肩入れした手順や解説を排除。秘技を大公開。知られざる筋・実戦的な戦い方を満載。主要本手順を「藤井ファイル」としてまとめる。流れを整理するのに役立ち、辞書や索引としても利用できる。
新しい高齢者用住宅の準備計画“R・P”の中心人物として活気ある毎日を送る爽香。しかし、兄・充夫の借金癖には悩まされ続けていた。一方、河村の愛人・志乃の隣室に引っ越してきた“佐藤”という男は、一見善良そうだが!?また、爽香の秘書・麻生が車で怪我させてしまった少女が突然映画デビューして!?事件に仕事に息つく間もない爽香が大活躍の大好評シリーズ第17弾。
アフリカ政治における「市民社会」運動を経て開催された「国民会議」による民主化プロセスを市民社会論の角度から問い直し、21世紀アフリカの曙光の兆しを探る。