二〇〇八年十二月に、惜しまれつつ八九年の生涯を閉じた著者は二〇世紀をいかにとらえていたのか。何を見つめ、何に希望を託して生き抜いたのか。本書は芸術、戦争、社会主義、ナショナリズム等の主題と自己の足跡を重ね合わせてこの世紀の意味を読み解いた書物であり、若い世代への期待を語った講演と生前最後のインタビュー(二〇〇八年八月)も収録した新編集版である。戦後を生きた知の巨人は旅路の果てに何を語り遺したのか、人間・加藤周一に関心を持つ読者にとって必読の書である。
短い生涯のなか、女性らしい視点で社会を見つめつづけた一葉。あふれでる西洋文明の知識を駆使し、数々の格調高い作品を残した鴎外。西洋人でありながら、だれよりも日本人の魂を愛した八雲。日本が新しい時代に踏み出した明治期を代表する三作家の傑作短編。
「民さんは野菊のような人だ。」政夫と民子の淡い恋心と悲しい別れを描き、映画やドラマでもたびたび取り上げられた伊藤左千夫の代表作「野菊の墓」。牧歌的な郷愁を誘う藤村の「ふるさと」。初めての狩りにのぞむ、少年の感性の目覚めを描いた独歩の「鹿狩」などを収録。
強い個性と独自の才覚で、級友たちを支配する少年を描く「小さな王国」。実際に起きた事件を題材に、漂流する船のなかでの人間の葛藤をあつかった「海神丸」。だれもが抱える心の闇に迫った両作品のほか、少年の女性への思慕をあたたかくとらえた鈴木三重吉の「おみつさん」などを収録。
仙吉が奉公する店に、ある日訪れた一人の客。まるで自分の心を見透かすように鮨屋に連れていってくれたこの客の正体に、仙吉は思いをめぐらせー。少年の心情を鮮やかに切り取った「小僧の神様」をはじめ、白樺派を代表する作家三人の作品を収録。
南イングランド生まれでマントヴァーニと並び称されたフランク・チャックスフィールド。英米でナンバーワン・ヒットを記録し、彼の代名詞となった「ひき潮」をはじめ、数々の名曲を収録したベスト盤。
最高の音で楽しむために!
エレックとフォーライフの音源で綴る、吉田拓郎のべスト・アルバム。初期のシングル・ヴァージョンを含め、95年までの代表曲を2枚組に収録したほか、貴重なライヴ映像も楽しめる決定版となっている。
禅智内供の悩みのたねーそれは、人なみ外れた大きな鼻だった。古典の題材を、緻密な構成と独自の文体で描き直し、漱石の激賞を受けた「鼻」をはじめ洗練された知性が光る芥川龍之介の作品十二編。ふりがなと行間注で、最後までスラスラ。児童向け文学全集の決定版。
複雑な家庭に育った著者の少年時代をもとにした室生犀星の自伝的小説「幼年時代」。現実と空想の世界とがないまぜとなった佐藤春夫の「西班牙犬の家」。胸を病む少女と青年との悲しい恋を描いた堀辰雄の代表作「風立ちぬ」など、詩人でもある三作家の詩情あふれる短編集。ふりがなと行間注で、最後までスラスラ。児童向け文学全集の決定版。
ジョバンニとカムパネルラを乗せた汽車ははるか銀河の彼方へー。二人の旅は、豊かな詩情をたたえた一編の物語に結実した。美しき理想にささえられた、宮沢賢治の幻想の世界。表題作をはじめ、時代を超えて、今も私たちの心のなかに生きつづける九編を収録。ふりがなと行間注で、最後までスラスラ。児童向け文学全集の決定版。
二十歳の私が、一人旅をする伊豆で出会った踊子へ抱いた淡い思慕。無垢な青春の哀傷を描いたノーベル文学賞作家・川端康成の「伊豆の踊子」ほか、貧しい現実を見つめながらも、明るさを失わない独自の作風で愛された林芙美子の「泣虫小僧」などを収録。ふりがなと行間注で、最後までスラスラ。児童向け文学全集の決定版。
ギリシャの古伝説を題材に友情と信頼の勝利を巧みな文章でリズミカルに表現した短編、太宰治の「走れメロス」や、ユーモラスな語り口の奥に人生に対する的確な観察眼が光る、井伏文学を代表する傑作として著名な「山椒魚」など、八編を収録。ふりがなと行間注で、最後までスラスラ。児童向け文学全集の決定版。
45のシーンで、750を超える英語の『ほめ言葉』が覚えられる!家族やペット、友達から、恋人、オフィスの同僚まで、どんどん英語でほめてみよう。
御書の要文123編を厳選!御文の解説、学会指導も満載。関連御文を含め330編以上を収録。
瀬戸内の小さな島の分教書。ここに赴任した、「おなご先生」が出会ったのは、十二人の子どもたちだった。戦争へと向かう激動の時代を背景に、先生と子どもたち、それぞれの人生をあたたかな目で描き、映画化もされ、人々に感動を呼びつづけてきた壷井栄の代表作と、広島の原爆にふれた「石臼の歌」を収録。