瀬戸内の小さな島の分教書。ここに赴任した、「おなご先生」が出会ったのは、十二人の子どもたちだった。戦争へと向かう激動の時代を背景に、先生と子どもたち、それぞれの人生をあたたかな目で描き、映画化もされ、人々に感動を呼びつづけてきた壷井栄の代表作と、広島の原爆にふれた「石臼の歌」を収録。
人間の世界に憧れた人魚がせめて我が子だけでもと陸に子どもを産み落とす。人魚の娘をひろった老夫婦は神様からの授かり物としてその子を大切に育てるが…。昭和の児童文学を代表する小川未明、坪田譲治、浜田広介の童話十六編を収録。
戦争で命を落とした同志たちのため、水島は一人、ビルマに残った。戦死者をとむらうことに、人生を捧げた彼の思いは、そのまま、戦争の悲惨を問う著者の思いでもあった。
江戸の職人の意地と人情を描いた山本周五郎の「ちいさこべ」。格調高い文章で、願望と現実のはざまに苦悩する人間の姿を追った中島敦の「山月記」。表題作のほか、私小説の道をつらぬいた尾崎一雄、女性の自我を追求しつづけた円地文子、飄逸な作風の木山捷平、短編の名手・永井龍男、原爆の悲惨を見つめた原民喜など、昭和文化の名品九作を収録。
「20円」でできること。アフリカの子どもに温かい給食を一食。日本で食べるヘルシーなランチ代が、彼らの食事になる。こんなビジネスがあったのか!マッキンゼーの戦略コンサルタントから社会起業家へ。日本人がつくった「すごいしくみ」に惚れ込んだから。
名家の跡取り息子、洪作は両親から引き離されて曾祖父の妾だったおぬい婆さんに育てられるー。若い魂の成長を記した井上文学の原型ともいうべき長編小説の前編を収録。
母への思慕を夢や幻想を交えて語った、大岡昇平の「母六夜」。おじさんとの交流を通して、新しい世界へ踏み出そうとする少年を描いた中野重治の「おじさんの話」。表題作のほか、梅崎春生、伊藤整、佐多稲子など、戦前戦後を通じて大きな足跡を残した五人の作家の十編を収録。
ある日『僕』はサアカスのテントにつながれている馬に眼をとめたー。主人公の心の動きを鮮やかに感じさせる安岡章太郎の「サアカスの馬」。少年期の長い病気による、肉体的、心理的変化を描いた吉行淳之介の「童謡」ほか、遠藤周作、阿川弘之、小川国夫、北杜夫など、「第三の新人」と呼ばれた作家たちを中心に、全八編を収録。
九歳の息子を寺にあずけることになった母の心中を描く、水上勉の「雪三景」。権威によりそう人々を痛烈に皮肉った開高健の「裸の王様」。表題作をはじめ、曽野綾子、辻邦生、竹西寛子など多感な思春期に戦争を体験した五人の新しい感覚が光る八編を収録。
作家活動のみならず、テレビドラマ、舞台でも注目を集める井上ひさし。「焼跡闇市派」を自認する一方、マスコミの寵児として、時代を駆けつづける野坂昭如。叙情的な美しい作品で知られる三浦哲郎。昭和後期、それぞれの個性で時代を牽引してきた三人の作家と、その後の新しい世代の文学を代表する村上春樹の作品の八編を収録。
80〜90年代に目覚ましく活躍した男性ソロ・ヴォーカリストのヒット曲を集や中西保志「最後の雨」といったドラマ主題歌やCM曲など、耳なじみのあるナンバーの数々が当時の思い出とともに蘇る。
「ギブ、ギブ、ギブ・アンド・どうぞ」「「鞄を持ちます」と二度言う理由」「トイレに行ってきますと言ってみろ」「クリーニングにはお金を使え」…ほか、20代の99%が気づいていない仕事のルール。キャリアコンサルティングのプロが教えます。
あなたの学校に、外国人の友だちはいませんか?その子はどうして、日本にやってきたのでしょう。日本に来て、どんなことを思っているのでしょう。この本を読んで、世界への扉を開けてみてください。
「あの人は、あり過ぎるくらいあった始末におえない胸の中のものを、誰にだって、一つだって口にしたことのない人だった。では、どのように始末したのだろう、小説ではなかったか?小説の中には悔しい向田さんがいる。泣いているあの人がいる」。二十年以上つかず離れずの間柄であればこそ、見えてくることがある。凛としているが、親分肌でそそっかしい向田邦子の素顔。