あと2年で定年というときに、突然の転勤を命じられたコリニョン先生。ラバル地区の小学校の子どもたちは言うことを聞かず、クラスがまとまらない。そこで、コーラス隊を結成することを思いつき、練習を始めるのだがー。バルセロナを舞台に、さまざまな国や境遇の子どもたち、世界的ピアニストとなったかつての恋人、そして音楽への愛に一生を捧げた女性の心温まる物語。
ハンセン病回復者との出会いからおよそ二十年。ふたつの国立ハンセン病療養所がある長島を舞台に、入所者の証言、島に架かる橋が果たす役割、入所者の帰郷の現状、市民によるフィールドワーク、元患者家族の人生被害、新型コロナウイルスとハンセン病の関係など、長年の取材を通して考察したハンセン病問題をめぐる“出会いと別れ”の記録ー。
絶海の南の孤島に生きる“彼”と“彼女”。その“彼”に誘われて“僕”もその島で暮らすことになる。3人はこれまでの現実社会での生活を棄て、丸裸で、自然に採れるものを食べ、“彼女”を共有し、人間とは何か、性とは何か、生とは何かを模索する。理性と狂気と幻覚が交錯する。この世は夢か現か。3人の男女が行きつく先は…?第2回丸山健二文学賞受賞作品。
白駒山の仙人の弟子となり、修行ののち、人間に化けることができるようになった狐、白狐魔丸の人間探求の物語。約百三十年ぶりに江戸を訪れた白狐魔丸は、世間を騒がす大泥棒・鼠小僧次郎吉と出会う。その後向かった大坂の町では、凶作のため、人々は飢饉に苦しんでいた。そんな中、町は突如赤い炎につつまれる。火をつけたのは、大塩平八郎の一党だった。小学校高学年から。
魅了されてやまないイラストを200点以上、一挙収録。映画「DEAD APPLE」とTVアニメ第3シーズンの鮮麗なるイラストにより感動がよみがえる至高の版権画集。
おばあさんがおじさんへ、ウシがペンギンに、ひとつの絵がふたつにみえる。さかさまにしてみてごらん!ひっくりかえすとちがう絵が。
『利己的な遺伝子』で科学界を震撼させたドーキンスは本書において、彼のホームグラウンドである生物学・進化学から脳科学・ゲノムサイエンス・認知心理学、はては物理学・宇宙論を縦横に援用し、科学がはらむ“センス・オブ・ワンダー”をさまざまな側面から解剖する。そこに浮かびあがるのは、ヒトとは何か、どのようにして生まれたか、という最終的な問いへの答であった…天才ドーキンスにしか書き得なかった究極の科学啓蒙書、待望の邦訳。
「虹色鳳凰」を思うだけで美しく幸せになれる!台湾No.1女性占い師のすごい開運術。
江戸に炎熱舞い落ちる頃、稼ぎが減って干上がる間際の坂崎磐音。逐電した、見世物一座の妹の捜索を引き受けたが、思わぬしっぺ返しに遭う。休む間もなく、御城の石垣普請のため熱海の石切場巡見に向かう今津屋一行に、友の柳次郎らと同行。普請奉行の怪しい素行を垣間見て、自ら調べを進める最中、柳次郎が行方不明になった!
「共感覚」とは、音や文字に色を感じたり、色から音を感じたり、味から形を感じたりする現象を指す。耳から入った音が、文字や数字が、なぜ色の感覚を引き起こすのか。このとき脳の中ではどのようなメカニズムが働いているのか。この現象は、珍しいものなのか、そうでないのか。本書は、ドレミファソラシが虹の七色になるという著者が発見した共感覚の現象をもとに、音階がなぜ色を持つのか、そしてなぜそれが虹色になるのかという問題の答えを探る。音階は、なぜ七音なのか?虹は、なぜ七色なのか?そして人はみな、潜在的な共感覚者なのか?気鋭の脳科学研究者による、人間の認知の不思議を探る知的スリルに満ちた一冊。
建築家水原のそれぞれ母の違う三人の娘、自殺した母の悲劇と戦争に恋人を奪われた心の傷みのために次々と年下の美少年を愛する姉百子、京都の芸者の子である妹若子、全く性格の違う姉や妹をはらはらと見守る優しい麻子。大徳寺、都踊、四条から桂離宮ー雅やかな京風俗を背景に、琵琶の湖面に浮かんだ虹のはかなさ美しさにも似た三姉妹の愛と生命の哀しみを詩情豊かに描く名作。
小学六年生の速人、潤子、強士の三人は逆境にも負けず、どんなときも、懸命に走っていた。ある日、強士は唯一の肉親である母親を亡くし、ひとり、施設へ入ることになる。三人は離れ離れになってしまうが、再び、夏に集まって、いっしょに走ることを約束する…。