ある時は歴戦の勇士、ある時は腕利きレーサー、しかしてその正体は?夢見る中年男ウォルター・ミティを描いた表題作ほか、アメリカン・ユーモアの巨匠が独特のユーモア感覚で描く掌篇。
高校までべったりだった友人の池上と、大学に入ってから距離を置くようになっていた律也。池上の何でも分かったような顔が気に入らない、全てにおいて律也より勝っているのも、律也の好きな千鈴が池上に思いを寄せていることもー。律也の態度に気づいていながら、そばを離れない池上。そんな池上の心の内を考えようともしない律也。二人のベクトルがまた交わる日は来るの…?不器用同士の等身大の恋愛模様。
「急いで高台に避難してください」2011年3月11日津波を前に彼女は呼びかけ続けた。母の手記。
夢の架け橋?希望の予兆?それとも、はかなさや空しさの象徴か。人は虹を見て、何を考え、想像したか。絵に描かれた数々の虹の意味を読み解く、西洋美術史の入門書。
「あれ、エミリー!」光湖(みつこ)には、いっしゅん、虹をわたってくるエミリーの姿が見えました。いいえ、それはエミリーによくにた青い目の人形たちでした。いくつも、いくつも、数えきれないほどの青い目の人形たちが、笑顔でおどりながら光の橋をこえてきます。
新しい高齢者用住宅の準備計画“R・P”の中心人物として活気ある毎日を送る爽香。しかし、兄・充夫の借金癖には悩まされ続けていた。一方、河村の愛人・志乃の隣室に引っ越してきた“佐藤”という男は、一見善良そうだが!?また、爽香の秘書・麻生が車で怪我させてしまった少女が突然映画デビューして!?事件に仕事に息つく間もない爽香が大活躍の大好評シリーズ第17弾。
天才指揮者・桐ノ院圭が自らのプロ・オーケストラを創り上げる『桐ノ院オケ』プロジェクトがついに始動!メンバーの選抜に取りかかる圭や悠季だが、オーディションに現れた面々はなかなかの曲者ばかり。しかもその中には、悠季が二度と顔を見たくなかったあの男もいて…!?私情とプライドで揺れ動きつつも、圭の「理想の音」を一緒に作り上げるため、悠季はコン・マスとしてオケメンバーとの交流を深めていく。大好評アンコール外伝集第6弾!
バイオリニストとして順風満帆な活動を続ける一方、大学講師として指導する生徒たちをなんとか羽ばたかせたい悠季。師匠の福山先生の教師論に刺激を受けつつ、楽器のメンテナンスを兼ねて久方ぶりに圭と遠出をした悠季は、若かりし頃の夢を語り合う(「楽園の雲雀たち」)。その他、ついに動き出した『桐ノ院オケ』プロジェクトを、裏で支える宅島マネージャーや、サポート役に奔走することになった由之小路の視点で追った表題作を収録した、必見のアンコール外伝集第5弾!
ゆるくてかわいい虹色の文字。フワッとしていて癒される。誰でも書けるようになる、プロセス解説つき。
2年生6人の内輪のパーティに、託生の恋人・義一が、1年生の超美形・森田徹を誘った事から二人のすれ違いが始まった。ギイの不用意な言葉が、託生を初めて傷つけるー。いつもと違うギイの心に隠された悲しい真実とは?全寮制男子高校・私立祠堂学院の、11年の恋物語。「告白」「Silent Night」を同時収録。シリーズ第5弾。
青年よ、旅に出よー。大学生の「僕」は、学園祭で講演に来た「花村」という作家にそそのかされて、北への独り旅に出かけた。旅先の下北半島で「僕」は様々な光景に出会い、成長していく。一方、作家である「私」は沖縄をさまよっている。ユタと出会い、色街を歩き、娼婦たちと関わり…。北へ、南へ、旅を続ける男たち。神宿る風景を素描し、「私小説」を擬態した傑作短編集。
たった1人の戦後処理。いつも傍らに妻佳子さんがいた。枕木1本、人1人といわれた「死の鉄道」(タイメン鉄道)の贖罪に人生を捧げた男の物語。