あたたかき、まどろみの時間。やわらかな日差しのように。優しい視線から紡ぎだされる、珠玉の歌たち。
ご存知、揉め事処理屋・醍醐蘭馬。この美しき魔人にささやかれた女性は皆、恍惚の表情を浮かべ、烈女に変身するー。彼の前に立ちはだかる長年の宿敵は、紅蜘蛛男爵こと紅蓮田十馬。奥秩父に建つ謎の洋館で繰り広げられる毒蜘蛛vs.毒蜘蛛の凄絶な死闘!さしもの蘭馬も絶体絶命の危機に陥る!疾風怒涛の面白さ、傑作スーパー伝奇バイオレンス長編。
毒蜘蛛ーそれは凄腕の女殺し屋の呼び名。たぐいまれな美貌と脅迫的なまでに豊かな肢体を武器に男たちをたらし込み、狙った獲物は決して逃さない。その彼女が連続猟奇殺人事件の謎をめぐり、ライバルの殺し屋たちと死闘を展開する!実力派の気鋭が贈る会心作。
見知らぬ男から完全犯罪殺人の方法を囁かれた坂田陽三。彼は酔った勢いで上司の藤田を殺したいと洩らす。その数日後、藤田が突然心臓麻痺で死亡し、陽三宛てに殺しの請求書が送られてきた。殺人の報酬に対し支払いを拒否する陽三だったが、恋人の殺害が警告され、その彼もまた…。窮地に追い込まれた陽三は、男の正体を探り、殺し屋組織の存在と驚くべき手口を掴むがー。奇抜なトリックを駆使した本格推理。
そうなんです。ルパンはまた難事件に巻き込まれちゃったのね。それもかなり奇怪な。-黒いぬめぬめとした皮膚、異様に突き出した顔、大きく裂けた口…怪人・黒蜥蝪はなぜか犬ばかり目の敵にして襲う。ルパンの恋犬サファイア危うし!江戸川乱歩の世界にさまよい込んだ迷犬ルパン・スペシャル。これは絶対おもしろい!
医師の男と旅をともにすることになった、浪人・平馬。最上川近くの森の中、男に襲われていた女・おちかを二人は救うのだが、その直後、首なし死体が川から流れてくる…。森にひそむ恐ろしきものは、妖しか、人か…。怪異と活劇、そして感動あふれる、ファンタジック時代小説。
美術商の事務員に応募した里見芳枝が失踪した。そのバラバラ死体は石膏像になり中学校へ送られた。姉の絹枝は刺殺死体で水族館の水槽に浮かんだ。その残虐な手口から青ひげ、のちに蜘蛛男と呼ばれる犯人は鼻と上唇のあいだが短い美人ばかり次々と襲う。名探偵明智小五郎との対決が待っている!
漠然とした不安が紛れも無い『恐怖』に転じる四篇。
弁天屋のおえんは付き馬屋が稼業。「焦げついたツケを遊女屋にかわって取りたてる商売」だ。江戸の不夜城・吉原で、今日も不埒な客に手を焼いた見世から依頼が舞い込む。板に付いてきた馬屋稼業に、最近はなぜか枕さがし(盗難)や足抜き(脱走)、怪我をした芸者からの賠償請求といった風変わりな依頼も増えて、評判は上々。妖艶な女悪党、天神屋おとよ・通称「女郎蜘蛛」との因縁の対決に挑む表題作をはじめ、美貌のヒロインが悪党に下す鉄槌の数々。おなじみの啖呵と鉤縄で、おえんの活躍が光る痛快連作時代小説。
九年間離れて暮らしていた異母兄・真也が突然智也の前に現れた。真也は母親からの虐待を受け続け、見かねた父親によって実母の許へ戻された為に、智也の心中は複雑だった。母親の行いをただ見ているだけだった智也は、幼い頃から密かに憧れていた真也に会いたいと思う傍ら、何もしなかったと責められるのではとずっと恐れていたのだ。大人の男へと成長した真也に、何故今になって現れたのかと問うた智也は過去の行いを体で償えと言われー。
岡場所帰りの女犯坊主が、鎧通を突き立てられて殺された。八丈島から島抜けした悪党たちによる復讐劇の幕開けだった。北町奉行所与力・狐崎十蔵、人呼んで「八丁堀の狐」が、隠密廻り同心の狸穴三角らとともに、両国薬研堀にある「四ツ目屋」の地下にある隠し番屋「狐の穴」を探索の拠点とし、許せぬ悪を裁く。書き下ろし長編時代小説、シリーズ第一弾。