人生という物語はいつか終わる。だからこそ、自分で物語を刻んでいく。情景写真作家が語る、心を動かすワンシーンを残すための視点・技術・哲学。
「どうして出張先にもついてくるんですか、姫様?」王都に渦巻く陰謀を撃ち砕き、元の日常に戻ってきたレイズ。(相変わらず姫様からの視線を受けつつも)任務をこなしていると、同僚の宮廷魔法士アリナと共に東部の農園地帯への出張を命じられる。そこに待っていたのは、以前レイズがケーキを通じて知り合った公爵令嬢レナでー何で隣に姫様までいるんですか!?ついてきたんですか?困惑しつつレイズは任務に挑むことになる。のどかな農園に潜む闇を果たして解き明かせるのかーてっ、だから、姫様、視線バレバレですってば!姫と少年の“じれ甘”王道ファンタジー、第2弾登場です。
「相変わらず意味が分からない魔法の精度ね、化け物?」「化け物は酷くないですか?僕は仕事してるだけです!」宮廷魔法士の少年レイズは、先輩に弄られつつ圧倒的な精度の遠距離魔法で次々と任務をこなしていたが、一つ悩んでいた。それはーこの国の姫様がじぃーっと見つめてくること。「姫様、どうかしましたか?」「ひゃいッ!失礼しました!」目が合ったり話しかけたりすると、姫様は顔を真っ赤にして走り去ってしまう。その、どうして僕を見つめてくるんです?戸惑いながらもレイズは、魔法士として頭角を現していく。ちなみに姫様、見てるのバレバレです…。第5回カクヨムWeb小説コンテスト特別賞受賞。
網膜の記憶。写真論+エッセイ+対話。
騎士ヴェインは邪竜を倒して救国の英雄となったが、呪いのせいで禍々しい痣が顔に刻まれてしまう。人々に忌避されるようになったヴェインを絵描きの令嬢ノアは少しも怖がらず、彼の姿絵を描くために真剣でまっすぐな視線を向けてくる。そんな彼女の視線にヴェインは「君の目に射貫かれると身体が興奮してたまらない!」と一目惚れ!ある事情で自己評価が低いノアは「ありえない」と冷静に対応するのだが、それがよりいっそう彼を煽ってしまい…!?
家具・調度そして巨大建築まで、「身体」の経験によって創出される政治的表象と快楽とはー。近代そしてアカデミズムによって切り捨てられた「身体」を基軸にして、全く新しい思索を展開し、思想・芸術界に深い衝撃をもたらした著者。特異で多彩な光を放射する単行本未収録の作品群。
真夏の浜辺に浮遊する自由と規律のメカニズム。何気ない視線が人間行動に与える決定的影響力。
表参道の裏路地にある、隠れ家的な美容室の『夢やうつつ』。そこで働く葉所日陰は、鏡越しにしかお客さんと目を合わせられないほど内向的だが、かつてはトップモデルのヘアメイクも担当したほどの腕前。さらに、裏オプションの彼のシャンプーは「夢シャン」と呼ばれ、シャンプーの最中にお客の悩みが夢となって視えるらしい。お客さんの悩みを解決するため、最高のヘアスタイルを生み出す日陰のもとには、悩みを抱えたお客さんが、今日も後を絶たない。書き下ろし。
祖父の葬儀で8年ぶりに再会した従兄弟・零と瑛。彼らと過ごした幼い夏の日々、そして尚人への淡い独占欲が芽生えた瞬間が鮮やかに蘇るー「追憶」。高校受験を控えた尚人と、劣情を押し隠して仕事に打ち込む雅紀。持て余す執着を抱え、雅紀は尚人の寝顔を食い入るように見つめるー「視姦」。文庫化にあたって書き下ろした、雅紀の捻じれた尚人への激情ー「煩悶」他、全5編を収録した、兄・雅紀の視点で描く、実の弟への執着と葛藤の軌跡!!
情報系の研究所に勤める森沢宏武にとって、上司の八城瑛は生真面目で正反対の性格のため、そりが合わなかった。だがある夜、誰もいないはずの社内で宏武が偶然見たのは、社長に組み伏せられた八城の姿だった。「達かせて、ください…っ…」いつも冷静な八城が、あんな甘い声で啼くとは。動揺する宏武に、八城が急に視線を向けてきて…。
『心霊探偵八雲』、『怪盗探偵山猫』シリーズの文庫版装画ほか、話題の装画を多数掲載!特典データCD付き。
われわれの「現実」や「経験」が、どこから来てどこへ行こうとしているのか、その移行の基礎的な構造を問うのが現象学である。「経験」を運動として捉えたフッサールと、変換として捉えたメルロ=ポンティを中心に、現代思想の原点となった現象学的思考の核心を読み解き、新たなる可能性をも展望する。著者の出発点をなす力作「ウィリアム・ジェイムズの「経験」論」を含む第一評論集、待望の文庫化。
湯女ー風呂屋に召し抱えられ、客の垢をかき、戯れながら世間話をし、ときには売春も行なった女たち。吉原の遊女の地位を一時は脅かすほどに、江戸の町を賑わせた彼女らを描いた一枚の絵がある。作者不明、来歴未詳のその絵にはどんな謎が秘められているのか?いまは失われた、視線の先に描かれていたものとはいったい何か?誰が、なぜこんな絵を描いたのか?浮世絵が花開き、女の絵姿が男たちの欲望を満たすようになる直前に描かれた、謎めいた絵画を分析し、復原し、甦らせる。約60点の図版を駆使し、従来の解釈を覆す画期的な視点を提示した快著。待望の文庫化。
肖像画は何を語りかけるか。歴史資料として注目される日本の肖像画。鎌倉時代から江戸時代までの多くの作品の緻密な検討から、その変遷・特質と、日本人の精神世界を探る。過熱する像主論争にも一石を投じる。