ふゆがちかづいたあきのもり。999ひきのかえるのきょうだいがあそんでいます。でも、さむがりやのおにいちゃんはねむくてしかたありません。なんとかしておこそうとおとうとたちはがんばりますが…。
天領の豊後日田で、私塾・咸宜園を主宰する広瀬淡窓と、家業を継いだ弟・久兵衛。画期的な教育方針を打ち出す淡窓へも、商人としてひたむきに生きる久兵衛へも、お上の執拗な嫌がらせが続く。大塩平八郎の乱が起きるなど、時代の大きなうねりの中で、権力の横暴に耐え、清冽な生き方を貫こうとする広瀬兄弟。理不尽なことが身に降りかかろうとも、諦めず、凛として生きることの大切さを切々と訴えた歴史長編。
雨男の部長・葵に目をつけられた晴れ女の千晴。大事な仕事の場で雨を避けるため、秘書に抜擢される。正反対の二人だけれど、互いを知るたびに強く惹かれ合ってー。「君も好きだと言ってくれ」弱い部分を攻められ、下腹部が潤みだす。欲望を最奥まで突き進められれば、全身で彼を感じる。まっすぐな気持ちをぶつけてくる葵のそばにいたい。素直になる決意をしたけれど!?
本書は今まで経験的に踏襲されてきた雨仕舞手法を、著者の長年の研究によって科学的に解明し、新たな知見を加えて普遍的な設計原理として提示したものです。
崇徳上皇の御陵に参った西行が見たものは?自由への願いを鯉の絵に託した三井寺の僧・興義は、自ら絵に同化し湖へ。高野山では怨霊になった豊臣秀次一行の宴会に巻き込まれ、雨宿り先で邂逅した美しい女は、蛇に姿を変えー。抑えがたい情念が、此岸と彼岸を越えて暴れ出す。奇才・上田秋成が安永五年(一七七六)に世に放った怪異譚、全九篇。
かつて北町奉行所与力を務めていた奉行所前腰掛茶屋の老主人弥兵衛。新しい甘味の創作に余念がなかったが、浅草で医者をめぐる騒動が起きていると客の噂話を耳にする。貧乏人から薬代を強引に取り立てる医者町仲間と呼ばれる集まりがあるらしい。彼らの真の狙いとは?茶屋の常連客の啓太郎と半次、そして看板娘の加代も探索に手を挙げるが…。
大きな荷を背にした男が『かわせみ』の軒先で雨宿りをしていた。三十数年前に生き別れた兄を尋ねて、本所深川の寺を廻っているという。兄弟は再会を果たすも、雨の十三夜に永久の別れが待っていた…。表題作ほか「春の鬼」「百千鳥の琴」など全八篇を収録。おなじみ、御宿『かわせみ』の面々による大人気の人情捕物帳シリーズ。
鮮やか!心揺さぶる鳥獣戯歌。
乱世から太平の世への移行期に如何に細川家を存続させるか、それぞれの思惑が交錯し、意地と意地とがぶつかり合う細川家中を剣術兵法の奥義を通して描き出す。
人生、四〇代は種まき、五〇代は水まき、六〇代は人生のはじまり。幸せの道。日本中を甘い幸せで包み込んだ「マダムブリュレ」誕生の裏に秘められた人間模様。
5分で読めて一晩中つづく恐怖!怪奇と恐怖の短編集。全22話掲載。
六月、会津城下に輪王寺宮公現法親王が到着。しかし、西軍に奪われた白河口奪回は膠着状態にあった。西軍側は伊地知正治と共同で指揮をとるため土佐の板垣退助が加わった。奥羽越列藩同盟軍による白河の小峰城奪回の総攻撃は八回とも失敗。長岡城を奪還したものの、負傷した越後の蒼龍・河井継之助は斃れ、秋田久保田藩が西軍側に寝返り、三春藩も裏切った。奥羽越列藩同盟の瓦解が始まった。
二十三歳の花村理絵は、過去を消すために、会社に辞表を出し、二年間付きあった恋人とも別れ、長年住みなれた家を出た。それは、昔縁があった小田桐病院の院長に治療を拒否されて亡くなった養父と、そのことを恨みながら死んだ養母の復讐のためだ。計画を立てて、院長の長男・哲也を誘拐したが、脅迫電話に出た院長夫人の反応は意外なものだった。果たして、理絵の復讐は成就するのか?