新宿のキャバクラで、不動産会社の社長が射殺された。捜査に当たった新宿署の刑事・佐江と警視庁捜査一課の谷神は、事件の裏側に日本最大の暴力団・高河連合が密かに推し進める驚くべき開発事業の存在を突き止める。だが、ヒットマンらしき男に命を狙われる佐江。死をも覚悟したその時、謎の少女が殺し屋の前に立ちはだかった…。高河連合の「Kプロジェクト」とは何か?プラムと名乗る少女の正体とは?すべての出来事は因果か宿命か?予測不能のエンターテインメント巨編、圧巻の大団円!
「過去をやり直すことはできない。それでも、もしもーそう望む人の想いは存在する。たとえ記録には残らなくても」若き准教授、椥辻霖雨は犯罪を専門に研究する社会学者だ。霊の見える不登校児・姫子と共に居候する叔父の家に、一人の客人がやってきた。彼は妻殺しの罪で十年弱の刑期を終え出所してきたばかりだという。何かを感じ取った姫子は、事件を再調査するため霖雨に協力を求めるが…。裁かれ、償われた十年の月日ーそこには壮絶な孤独と、切ない真実が隠されていた。京都が舞台のクライムミステリー。
家政婦のマロンは土砂降りの雨の中を一人で歩いていた。雇い主から暴力を振るわれそうになり、逃げだしてきたのだ。恐ろしさと寒さに震えるマロンの前に、一台の高級車がとまった。ハリスと名乗る男性は彼女を車に乗せると、親切にも屋敷に招き、ここで住みこみの管理人として働いてみてはどうかと声をかけた。会社の経営者だそうだが、以前の雇い主と違ってよい人のようだ。だが働きだしてすぐに、思いがけない事件が起きた。階段の踊り場でつまずいたマロンはハリスと折り重なって倒れ、あろうことか唇を重ね合わせてしまったのだ。皮肉にもマロンはそのとき悟ったー彼に惹かれ始めていることを。
平安後期に中国へ渡り、彼の地で生涯を終えた天台僧「成尋」。皇帝より要請された祈雨を成功させ、大師号を賜ったその功績は、中国で華々しく活躍した先達として、日本の数々の高僧伝において取り上げられている。しかし、中国側史料には、この一連の祈雨成功については一切語られていなかったー成尋の書き残した渡航日記『参天台五臺山記』、そして中国側史料を精査することで見えてきたものとはいったい何か…語り、語られることで交錯する異文化の諸相を立体的に捉え、文化・歴史とは何かを再考する新たな歴史学。
『ミュージカル・テニスの王子様』で俳優デビュー後、数々の舞台・映画等で活躍、近年では数多くの人気2.5次元舞台で群を抜く存在感を魅せている俳優高崎翔太。沖縄と新潟でロケを敢行、いろいろな“顔”を見せたファースト写真集。
ジュエリーデザイナーの飛龍冬鹿(32)は、5年前、骨董商の父を不可解な事件で亡くした。かつては海外で華々しく活躍した冬鹿だが、父殺害の嫌疑をかけられて全てを失い、秘書の達木一郎(29)とふたり麻布の実家で世を忍ぶように暮らしている。骨董と宝石の仕事を淡々とこなしながら、父の仕事の手がかりを探る冬鹿。その並外れた審美眼で、蒐集家たちが差し出す美と謎の真偽を見極めていくー。圧巻の書き下ろし連作小説!
病床の母に付き添う男。従う女。死を前に、男と女を結ぶ因果の果て。情愛の芯から匂いたつ官能。表現は極北へー最新小説集。
ともに司法を目指し、好意を寄せてもくれていた親友を失ったことで己を責め続けた伊能。そんな伊能を丸ごと受け入れ救いたいと願った野々宮。これからふたりで新しい時間を紡いでいこうとした矢先、伊能の東京地検への異動が決まる。一方、野々宮が追っていた事件にも新たな展開がー?「深海魚達の眠り」に大幅加筆、新装版にてついに完結。
北の小さな田舎町。中学校の生徒会長・一村が遺体で見つかった。警察の捜査が難航する中、同級生の徹也は友人の古館の様子がおかしいことに気づく。やがて異常な事件が続発。徹也と仲間たちは隠された真実を探す。喪失と絶望、疑心と対立、目眩と希望ー。激しい雨に襲われた十五歳の夏。少年少女はただ一度の季節を走り抜ける。
日々堂で代書をする戸田龍之介は、剣術仲間の三崎小弥太を案じていた。家格と美貌に負けて、好きな男がいる桜木登和と祝言を挙げて以来、道場に来ないのだ。そんな中、友七親分の女房・お文から、日々堂の宰領・正蔵とおはま夫婦の娘・おちょうに大店の若旦那との縁談が持ち込まれるが…。泣き暮れる日があろうとも、笑える明日があればいい。人気沸騰シリーズの第七弾!
「雨の日には雨の中を 風の日には風の中を」これは、数々の言葉を遺した相田みつをが、その生涯でもっとも大切にした言葉です。カンカン照りの日でも、大嵐の日でも、あるがままに歩み続けていけばいいー。太い幹のように彼の強い信念を支えたこの言葉は、未曾有の大不況下に生きるわたしたちの心をそっとあたため、光を放つ道しるべとなってくれることでしょう。大ベストセラー作品集、待望の文庫化。