いらっしゃいませ。ここは、あなただけの物語が見つかる本屋さん。こんな雨の日には、ほんとうの自分に出会えるかもしれませんー。
女は小さな声で、マリモ、と言ったー。家具ショップで働き、妊娠中の妻と何不自由のない生活を送る悠太郎。ある日店に訪れた女性客と二度目に会った時、彼は関係を持ち、その名を知る。妻の出産が迫るほど、現実から逃げるように、マリモとの情事に溺れていくが…。(「雨のなまえ」)答えのない「現代」を生きることの困難と希望。降りそそぐ雨のように心を穿つ五編の短編集。
あなたによく似たバカがいる。希望いっぱいの第1レース、悔恨の最終レースどうしてどうして、こうなるの。いま明らかになるハズレ馬券の真実。
元桜ヶ丘FCのチームメイトは、それぞれの道を歩み始めた。地元の中学校サッカー部に入部した武井遼介は早くも公式戦に抜擢される。同じ学校に通いながらJリーグのジュニアユースチームに入った星川良は新しい環境に馴染めずにいた。サッカーから離れていく友は「なぜサッカーを続けるのか」と遼介に問いかける。競技スポーツの入り口に立った13歳の少年たち。多くの熱い支持を集める、感動の青春スポーツ小説、第2弾。
降りそそぐ雨と銅板に刻まれたどこにもない記憶(=傷)のイマージュ。
ベンチレーター(人工呼吸器)をつけて日本で初めて他人介助による自立生活を始めて26年。ベンチレーター使用者の地域生活を切り拓いてきたパイオニアによる、自分の人生を生きる喜びにあふれるエッセイ!
笠居拓海は強烈な雨男。子どもの頃、稲荷神社の狐像をあやまって壊した罰なのだと信じこみ、明るかった拓海はやがて人を避けるようになり地元を離れる。父の病を機に久しぶりに帰郷した拓海は、神社の近くで佐古路と名乗る宮司らしき青年と出会う。美しい佐古路は拓海を幼い頃からよく知っていると言い、強張った心を解すように接してくれるが?
ボクはあなたやあなたのお子さんが疲れた体を休める大きな木になろうと思います。やがて元気になったあなたのお子さんが、人々を守る大きな木になってくれる日まで。「学校に行けない子は、人間としてむしろ上質です」と、元気を回復させることに取り組んできた著者の、親子で元気になるヒントが詰まったエッセイ12編。
深川の大店両替屋の娘が蓬莱橋から身を投げた。日本橋の両替屋との祝言を控えた評判の小町娘だった。その夜、二件の押込み強盗があり、独り暮らしの妾と質屋の七名が殺されたと、九頭竜覚山は北町奉行所の柴田喜平次から聞く。覚山は、雨の夕刻、大店の娘がひとりでいたのが気にかかった。
田舎でひっそり暮らす貴文は、普段は秘密にしている特殊な能力で東京の刑事・大瀧の捜査に協力していた。いつも突然現れ、翌日には東京に戻っていく大瀧。いつしか体の関係を持つようになった二人だが、恋人になったわけではなく微妙な距離感を保ったままでー。でも、大瀧が帰る日には貴文の気持ちを映したかのように必ず雨が降っていて…。