父・多聞の死、許嫁の水嶋波留の失踪。悲しみに沈みつつ、それでも隼之助の気持ちは前を向いていた。父の薫陶、波留の慈しみを支えに鬼役としての責務を果たさんとする隼之助であった。新たな潜入先は、茶問屋“山菱屋”。店の主が点てた茶からは妻への深い愛の味がした。山菱屋は幕府に仇なす薩摩藩に与する存在なのか…?そして隼之助は、“鬼の舌”で、大切なものを守れるか?
工藤勢津子傑作短編小説集。
皆が求める“普通”の「私」でいなきゃいけない。どうせ変われないって、私は私を諦めていた。「海いかない?」そんな息苦しい日々から連れ出してくれたのは、成績優秀で、爽やかで、皆から好かれてたくせに失踪した「らしい」と学校に来なくなった君だったー。
高2の美波は自分が“普通”なことに悩み、好きなものも将来の夢も見つけられずにいた。美波のクラスに転校してきたのは誰にでも分け隔てなく、不自然なくらいに優しい粋。すぐに人気者になった粋と自分では住む世界が違うと思う美波だが、隣の席になったことでお互いのことを話すように。「やってみないとわからないよ」と、粋の真っすぐな言葉に心を動かされた美波は、好きだった小説を自分でも書くようになる。違う世界へ連れていってくれる粋にどうしようもなく惹かれるけれど、粋の優しさは彼が持つある力が起こしてしまった悲しい過去によるものだった…。タイトルの意味を知った時、温かい涙が溢れて止まらない!
「推理はしないんです。彼は」。知人・大河内の奇妙な言葉にひかれて神保町の薔薇十字探偵社を訪れた「僕」。気がつけば依頼人の自分まで関口、益田、今川、伊佐間同様“名探偵”榎木津礼二郎の“下僕”となっていた…。京極堂をも巻き込んで展開するハチャメチャな妖怪三篇「鳴釜」「瓶長」「山颪」を収録。
駆け出しの建築家・誠と、カフェで働く日菜。雨がきっかけで恋に落ちた二人は、鎌倉の海辺の街で同棲中。いつか日菜に「夢の家」を建ててあげたいと願う誠だが、ある雨の日、二人は事故で瀕死の重傷を負う。“案内人”と名乗る男女の提案によって誠と日菜は二人で二十年の余命を授かり、生き返ることに。しかしそれは、愛し合う二人が互いの命を奪い合う苛酷で切ない日々のはじまりだったー。
おででこでん、おででこでん。女だけで芝居を打つ「緒川佐保之丞」一座は大入り人気で江戸を騒がしていた。愛娘の綾乃が女役者の赤子を取り上げた縁があり、臨時廻り同心の長尾勘兵衛も足を運ぶ。しかし夕刻、大惨事が起こってしまう…。たかが“うぽっぽ”と侮るなかれ、怒らせたら手が付けられぬ鬼と化すー。傑作捕物帳シリーズ第五弾!
1923年、大正12年の関東大震災から時を経てフランスはパリの都に渡った一人の日本人。ベルエポックと呼ばれた20世紀の麗しの時代は、欧州の戦乱で失われたが、我が主人公はヴァイオリンを片手に、新たなふらんす物語を紡ぎ出す。パリジェンヌとの恋は成就するのか。波瀾万丈の日仏混合のコメディであり、小説のキュービズムがここに誕生する。
プレス限定盤A〜H [CD+エムカード]
*[トラック2] 『パラサイト』『Fairytale』『Lose Your Mind』は、形態ごとに収録内容が異なります。
オリジナルver.=公演時と同様の歌唱パートにて収録 パートチェンジver.=公演時と歌唱パートを入れ替えて収録
*[エムカード] 各CDメインジャケット刀剣男士の撮り下ろし写真がプリントされたエムカードを封入。
A〜F盤にはMV『VIVA CARNIVAL』(舞台映像編集版)+MV『STARTING NOW』(舞台映像編集版)を収録。
G・H盤にはMV『VIVA CARNIVAL』(舞台映像編集版)+MV『Lose Your Mind』(舞台映像編集版)を収録。
上記に加え、ジャケット撮影シーン・コメントを収録した『VIVA CARNIVAL』ジャケット撮影メイキングー◯◯編ーも収録されております!
※仕様、内容、表記などは変更になる場合がございます。
<出演者>
篭手切江役 田村升吾 豊前江役 立花裕大 桑名江役 福井巴也 松井江役 笹森裕貴
五月雨江役 山崎晶吾 村雲江役 永田聖一朗 大典太光世役 雷太 水心子正秀役 小西成弥
◆プレス限定盤とは 製造限定商品の為、製造分が無くなり次第、販売は終了となります。
自然とともに生きる、大切な人間の姿ー賢治からの伝言。“雨ニモマケズ風ニモマケズ”名作6話・詩1編。「風の又三郎」と賢治の世界・解説つき。小学生から。
孫の陸に付き添われ病院に搬送された香寿美。目を覚ますと、自身を20歳の大学生だと思い込む。さらに、陸を当時の恋人として呼びかけ、駆けつけた息子・俊也をその恋人の父親と勘違いする。学生運動の盛んな70年代の記憶の中に生きる香寿美とその妄想に寄り添う父子の可笑しくも切ない物語。
しとしと降る雨の中、いたずらくまのこが過ごす時間は小さな楽しみにあふれて…。家庭で、保育の現場で、長年うたい継がれてきた、名曲「あめふりくまのこ」。歌の世界が広がる、しっとりと美しい童謡の絵本。
エリザは家を飛び出し、土砂降りの中、あてどなく彷徨っていた。借金のかたに年寄り貴族に嫁がされそうになっていた彼女を救い、結婚してくれた幼なじみの夫から、同性の想い人がいると告白されたのだ。私は一生夫婦の喜びを経験できないし、子供も持てないんだわ…。すると、そこを通りかかった馬上のたくましき青年ネイトに拾われ、ずぶ濡れのエリザは雨宿りをするうち、彼に身の上を吐露していた。そして、せめてこの瞬間だけはと夢のような一夜を過ごし、互いに名前しか知らぬまま、翌朝、それぞれ元の人生へ戻っていった。7年後、事故で夫を失ったエリザは、ロンドンで思わぬ再会を果たすーあの雨夜に授かった愛娘の父親、今や侯爵となったネイトと!
2015年11月、「黒い雨」訴訟が提起された。これは原爆被害を過小評価する国や行政の姿勢を厳しく問うものであり、一審広島地裁(2020年判決)、二審広島高裁(2021年判決)ともに原告の「黒い雨」被爆者が全面勝訴し、確定した。何が争点だったのか、判決内容から読み取るべきことは何か。「被爆者」たる原告に寄り添いながら、訴訟に関わってきた編者・執筆者がそれぞれの専門(社会科学・自然科学)の立場から多面的に考察する。