ぞくぞく村のおばけシリーズ、今回は、かわいい顔したいたずらっこ雨ぼうずピッチャンが主人公!雲のオープンカーを乗りまわし、あちこちに、にわか雨をふらせていたらとうとう、みんながおこりだして、もうはんげき!ピッチャン、あやうし!大ピンチ!?小学中級以上向。
観音さまが見下ろす街で、コーヒー豆と和食器の店「小蔵屋」を営む気丈なおばあさん、杉浦草。人々を温かく見守り続ける彼女は、無料のコーヒーを目当てに訪れる常連たちとの会話がきっかけで、街で起きた小さな事件の存在に気づく。オール讀物推理小説新人賞受賞のデビュー作を含む「日常の謎」を解く連作短編集。
1942年収容所にいたハリーは、アメリカ陸軍情報部語学兵試験に合格し、翌43年夏には、第33歩兵師団付の語学兵として、ニューギニア戦線やフィリピン戦線に赴き、日本兵と対峙。赴任当初は、陸軍内で差別を受けるが、戦況が進むにつれ、日本軍から鹵獲した機密書類の翻訳や日本人捕虜の尋問の成功などの実績により、陸軍内での信頼を勝ちえていく。やがて、九州上陸作戦への従軍を聞かされていたハリーに、広島への原爆投下の一報が入る。日系二世が直面した強制収容、人種差別やアイデンティティ・シフト、米国に従軍した日系人の戦争協力、原爆投下によって壊滅的被害を受けた広島ー。戦争に人生を翻弄された日米双方の市井の人々の経験を、あざやかな筆致で描き出す叙事詩。
北町奉行所の同心・末広喜十郎は、例繰方に勤める人嫌いの偏屈な男。妻に先立たれ、娘とふたり、ひっそりと暮らしている。そんな喜十郎のいきつけの一膳飯屋『ひさご』で、ある日、若い美貌の女中・お松が働きだした。けったいなお供の三蔵を引き連れ、とてもただの女中とは思えぬ娘であったが、それもそのはず、このお松こそ、徳川吉宗を父にもつ、正真正銘、将軍のお姫さまであった。市井の暮らしを知りたいと、お忍びで出てきたお松であったが、目立たぬ風貌に隠された喜十郎の、優れた知性と探索力に、乙女心が揺れはじめて…。人気作家の新境地・待望の新シリーズ開幕。
怪異小説の名作『雨月物語』。あやしくおそろしい話、せつなくて悲しい話のなかから「約束」をテーマに4編を選び、読みやすい現代語訳でおとどけします。まじめに働かない正太郎と結婚することになった磯良。正太郎の約束を信じてがんばりますが…(「がんばり屋“原題:吉備津の釜”」)。ほかに「待っています“浅茅が宿”」「再会の約束“菊花の約”」「決められない男“蛇性の婬”」を収録。小学上級から。
出版社に勤める川合淳は、中学生の娘・春香がいじめをきっかけに不登校になったことに悩んでいた。さらに、妻・杏子がこの現状を打破しようと怪しげな霊能者に心酔。淳は近所の釣り好きな心理学者の千太郎に相談するが…。暗雲垂れ込める一家に「当たり前の日々」は戻るのか?誰かの幸せを願い切に生きる人々を描いた、家族の再生物語。
ファースト作品集にしてすでにベスト作品集!1999年の発売から愛され続けるロングセラー。イチハラ作品の原点がここにあります。
薬頼みの罪悪感から解放!低気圧による不調がみるみる改善!雨の日ラクラク!
昼下がりの保健室。そこは教室に居場所のないサエとナツのささやかな楽園だった。けれどサエが突然“自分のクラスに戻る”と言い出してー(『ねぇ,卵の殻が付いている』より)。“お父さん、お母さん、先立つ不孝をお許しください”。早朝の教室で毎日手帳に書いていた架空の遺書。その手帳を偶然にも人気者の同級生が拾ってしまうー(『死にたいノート』より)。揺れ動く6人の中学生の心を綴る6つのストーリー。
「きらいなものはむりしないでね。すごくおいしいけど!」そういわれたモリくんは…。にがてでもたべられる!ぴーまんチャーハンレシピつき。
父・多聞の死、許嫁である水嶋波留の失踪ー深い苦しみに耐えながら、隼之助は希望を失っていなかった。父の薫陶、波留の優しさを支えに鬼役としての責務を果たそうとする。新たな潜入先は、茶問屋“山菱屋”。この店の主が点てた茶からは、妻への深い愛と哀しみの味がした。山菱屋は幕府に楯つく薩摩藩の手の者なのか、それとも?隼之助の“鬼の舌”は、天下と愛しき者を守れるか?
船宿に居候し、毎日を遊び暮らす謎の浪人・幸四郎。いっこうに働こうともせず、たまにふいと姿を消してしまう、まこと奇っ怪なお侍なのだが、その正体は、さる藩の大名…つまりは正真正銘のお殿さまなのであった。だがこの幸四郎、そのぼんやりした顔と怠惰な言動とは裏腹に、難事件の裏をぴたりと見抜く頭脳の持ち主。そして剣を取れば、目にもとまらぬ斬撃で悪党を叩きのめす、無類の遣い手であった。お供の浜吉、許嫁の千佳姫ばかりか、岡っ引きの貫太郎に掏摸のおりん、六助など、いつしか幸四郎のまわりにはおかしな連中が集まり、江戸を騒がす凶悪事件を、鮮やかな手並みで解決していく。