本書は、これまで知られてきた唐宋の音楽世界を、詩文など豊穣な文献資料を用いて丁寧に見直し、その実相を提示する本格的業績である。第1部は、今なお演奏される伝統楽器の洞簫、および盛唐を代表する「霓裳羽衣曲」が詩文として後世に伝えられる中で、一つの音楽像を形成していく姿を捉える。第2部では、玄宗期に完成した礼楽儀礼とそれを掌った太常寺の意味を張説の詩文から読み解く。さらに辺境音楽の涼州曲を取り上げて、外来音楽が主流とされた唐代音楽を改めて見つめ直す。第3部では、李白・王維・蘇軾の音楽描写から、都を追われた詩人が見た日常の音の世界を浮彫りにする。本書は読者に中国独特の音楽世界を紹介し、詩文に依拠して、唐宋の音色を今に伝える一書として貴重な作品である。
中・高音楽教師のための音楽教育・指導情報誌学びを止めない!音楽と関わり続けるアイデア
遂に出た! 1968年プラハの春音楽祭ライヴ
カルロス・クライバー指揮、エッシェンバッハをソリストに迎えたシューマンのピアノ協奏曲
さらに1980年のサヴァリッシュによるドヴォルザーク『幽霊の花嫁』も収録!
チェコ放送の自主レーベル「ラジオサーヴィス」のシリーズ『プラハの春音楽祭ゴールド・エディション』の第3弾。遂に、カルロス・クライバー指揮、クリストフ・エッシェンバッハをソリストに迎えたシューマンのピアノ協奏曲の録音が登場しました!
カルロス・クライバー[1930-2004]はカリスマ的な名声を誇った指揮者でありながら、そのディスコグラフィは非常に限られたものしか残っていません。この録音もチェコ放送に残されてはいましたが、正式なリリースはされていない貴重な音源。1968年5月25日の演奏会は、ここに収録されている『シューマン:ピアノ協奏曲』の他に、ドヴォルザーク:演奏会用序曲『謝肉祭』、ベートーヴェン:交響曲第7番が演奏されていますが、大変残念ながら他の2曲は現在アーカイヴには残っていません。
取り上げるレパートリーを極端に絞り込み、少ない演奏会、多くはない録音。それらはクライバーが理想とする音楽を実現するために、常にこだわってきた証ともいえるでしょう。その背景には父エーリヒとの間柄も大きく影響したとも言われています。そうした中、ウィーンに次ぐ、父エーリヒの第2の故郷ともいえるプラハでの演奏というのは、クライバー自身特別な心境があったと想像できます。
そして、1968年はチェコ・スロヴァキア(当時)において重要な年でもありました。同年4月に始まった「人間の顔をした社会主義」を掲げるドプチェクの指導の下で展開された民主化運動「プラハの春」、その8月にソ連、ワルシャワ条約機構軍が軍事侵攻したことで鎮圧された「チェコ事件」と、激動の年に行われた本演奏会は聴衆の熱狂と共に成功をおさめました。エッシェンバッハは28歳でピアニストとして絶頂期を迎えようとし、クライバーもバイエルン国立歌劇場の指揮者となり世界的指揮者へと名声を確立するなど、当時2人はすでに一流の音楽家。そんな両者に引っ張られ、オケは超一流の音楽家を前に見事な演奏を聴かせ、エッシェンバッハもクライバーの猛烈な指揮に引っ張られ、圧巻のピアノ演奏を披露しています。
また、ヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮チェコ・フィルによるドヴォルザークの劇的カンタータ『幽霊の花嫁』も収録。ミュンヘンに生まれたドイツの名指揮者ヴォルフガング・サヴァリッシュ[1923-2013]。1957年に当時最年少の33歳という若さでバイロイト音楽祭にデビューを果たし、バイエルン国立歌劇場音楽監督(1971〜92)の20年に及ぶ活動もサヴァリッシュの重要な功績と言えます。ちょうど1970〜1980年代は、サヴァリッシュがチェコ・フィルに頻繁に登場してひときわ高い人気を博していた時期でもあります。ドヴォルザークの『幽霊の花嫁』はあまり多く演奏される演目ではありませんが、サヴァリッシュとチェコ・フィルは、1977年、1980年と続けて同演目を演奏しており、両者の良好な関係がよく伝わる充実の内容となっています。1884年に作曲されたこのカンタータは、チェコの詩人ヤロミール・エルベンの台本を用い、随所にチェコの民謡風の美しい旋律が使われた魅力的な作品。ドヴォルザークの充実した作曲技巧が伺われる中期の傑作です。
当シリーズは、チェコの名エンジニア、ミロスラフ・マレシュのチームによって、オリジナル・マスターテープから入念にリマスタリングされ、当時の音源を緻密に再現しています。(輸入元情報)(写真 輸入元提供)
【収録情報】
● ドヴォルザーク: 劇的カンタータ『幽霊の花嫁』 Op.69
ガブリエラ・ベニャチコヴァー(ソプラノ)
ズデニェク・ヤンコフスキー(テノール)
リハルト・ノヴァーク(バス)
プラハ・フィルハーモニー合唱団(合唱指揮:ヨーゼフ・ヴェセルカ)
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
ヴォルフガング・サヴァリッシュ(指揮)
録音時期:1980年5月23日
録音場所:プラハ、スメタナ・ホール
録音方式:ステレオ(ライヴ)
● シューマン:ピアノ協奏曲イ短調 Op.54
クリストフ・エッシェンバッハ(ピアノ)
プラハ交響楽団
カルロス・クライバー(指揮)
録音時期:1968年5月25日
録音場所:プラハ、スメタナ・ホール
録音方式:ステレオ(ライヴ)
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ピアノレッスンを通じて音楽家を育てることは、聴衆を育てることでもある。フランスで20年あまりピアニストへの指導を続ける著者による、生徒が自発的に取り組めるレッスンのヒント。
シューベルト:交響曲全集、劇音楽『ロザムンデ』(5CD)
交響曲全集は1978-81年ステレオ録音。名門シュターツカペレ・ドレスデン実力をフルに発揮させる辣腕指揮者ブロムシュテットの傑作。
ブロムシュテット&ドレスデンといえば、ベートーヴェンの交響曲全集や、ドヴォルザークの8番がベストセラーとして有名な存在ですが、それらに匹敵する内容を持つのがこのシューベルト全集。
その細部表現の濃やかさ、決してうるさくならないトゥッティの美しさには格別なものがあり、ルカ教会の心地よい残響を伴う豊かなサウンドが、初期の作品をも実に魅力的なものとして聴かせてくれます。(HMV)
【収録情報】
シューベルト:交響曲全集
● 交響曲第1番 ニ長調 D.82
● 交響曲第2番 変ロ長調 D.125
● 交響曲第3番 ニ長調 D.200
● 交響曲第4番 ハ短調 D.417『悲劇的』
● 交響曲第5番 変ロ長調 D.485
● 交響曲第6番 ハ長調 D.589
● 交響曲第7(8)番 ロ短調 D.759『未完成』
● 交響曲第8(9)番 ハ長調 D.944『グレート』
シュターツカペレ・ドレスデン
ヘルベルト・ブロムシュテット(指揮)
録音時期:1978〜81年
録音場所:ドレスデン、ルカ教会
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
シューベルト:劇音楽『ロザムンデ』
● 序曲(『アルフォンソとエストレッラ』D.732〜序曲)
● 間奏曲第1番
● バレエ音楽第1番
● 間奏曲第2番
● ロマンス
● 精霊の合唱
● 間奏曲第3番
● 羊飼いのメロディ
● 羊飼いの男女の合唱
● 狩人の合唱
● バレエ音楽第2番
● 『魔法の竪琴』D.644〜序曲
イレアナ・コトルバス(ソプラノ)
ライプツィヒ放送合唱団
シュターツカペレ・ドレスデン
ヴィリー・ボスコフスキー(指揮)
録音時期:1977年
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
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