遺伝子の組み換えやクローニングなど、急激な研究の進展に危機感を覚えた科学者たちは、1975年に米アシロマに集い、研究のモラトリアム(一時中断)を決めた。だがその解禁後、人間の全遺伝情報を秘めた「ヒトゲノム」の解読競争にクレイグ・ベンターら世界中の科学者と企業がしのぎを削り、2000年にはヒトゲノム解読が発表された。一方、この解読後、DNA塩基配列の変化によらない後天的な遺伝現象を解明するエピジェネティクス研究が進み、山中伸弥らによるiPS細胞の作製は世界を驚嘆させた。そして今、ジェニファー・ダウドナらが開発した新技術「クリスパー/キャス9」により、人類は自らの設計図を望み通りに書き換えられる「ゲノム編集」の時代を迎えている。遺伝情報を読むだけでなく、書き換えることができるようになったとき、人間の条件はどう変わるのか?科学と倫理のせめぎ合いを通して、私たちの現在と未来を照らし出す記念碑的名著。
家庭医/プライマリ・ケア医のための総合誌終末期の肺炎に対して皆さんはどんなイメージをもっていますか?
治療やリハビリはいつまで続ければよいのか,本人の意思確認ができないときは
どうするのか,
医師としてのやりがいが感じられない......など,終末期の肺炎は悩ましいこと
だらけです!
本特集はそんな終末期の肺炎を総合診療の視点でどこまでも深めよう,という企
画です.
治療や診断についてや,そもそも終末期っていつから? という疑問にもお答えし,
エビデンスや意思決定,緩和ケアなど総合診療医が専門性を発揮できるようなト
ピックを扱っております.
【主な項目】
(特 集)
■まずは治療の引き出しを増やそう
肺炎診断の難しさ(上田剛士)
肺炎治療の難しさ(川島篤志)
誤嚥性肺炎のABCDEアプローチ(森川 暢)
口腔ケア,食事中の体位,嚥下機能改善に向けた薬物選択について(川端康一)
オーラルフレイル,サルコペニア,リハ栄養(若林秀隆)
総合医だけでできる嚥下機能評価 ─非リハ職と取り組む多職種協同の経口摂取支
援─(佐藤健太)
■それでも治せない高齢者肺炎
終末期診断の難しさ(荒幡昌久)
胃ろうや中心静脈栄養のエビデンス(矢吹 拓)
終末期肺炎のACP(川口篤也)
摂食嚥下リハビリテーションをいつまで続けるのか(前田圭介)
治療の差し控え・中止をめぐる法的問題(高乗智之)
最期の肺炎を迎えたときに何をすべきか ─緩和ケアの観点から─(柏木秀行,他)
■総合診療医の得意技を肺炎診療に活かそう
訪問診療のコツ(川渕奈三栄,他)
デバイスを上手に使おう(古屋 聡)
家族志向性アプローチの活用(大浦 誠)
交渉術(奥 知久)
(連 載)
今月のお薬ランキング(32)
抗血小板薬(浜田康次)
「治療」「薬局」合同連載 Dr. ヤンデルの言葉のネタ帳
〜“病院ことば”の,じっくり,例えば,結局は〜(20)
予想を裏切り,期待を裏切らない物語に,人々は拍手を送る 〜 Note 20.病院
ことばを言い換える(後編)〜 (市原 真)
家庭医/プライマリ・ケア医のための総合誌”【雑誌の特徴】
ちょっとがんばる医師のため
総合診療を楽しむ雑誌
【特集の紹介】
生活の中で災害はいつも唐突にもたらされます。地震、水害、停電、豪雪……それらがもたらす日常診療の危機に、わたしたち医療従事者はどのように対応すればよいのでしょうか。
本特集では、ボランティアとして被災地で活動された先生、災害の当事者として被災された先生方の体験をとおし、どのような対策を行っているのかを解説していきます。
災害への備えだけではなく、その先にある、誰もがいきいきと生活できる地域医療の基盤作りへもつながるような特集となっております。ぜひ、ご一読ください。
【主な項目】
(特 集)
■災害に備えて何を準備すればいいのか?
まずはBCPを(小早川義貴)
災害に対応できる人材の育成とは?(市橋亮一)
重度医療を必要とする患者への準備(川島孝一郎)
平素から避難所について考える(原田奈穂子)
災害に強い地域づくり(長 純一)
地域をあげた災害弱者対応(古屋 聡)
■それぞれの立場で用意できることは何か?
診療所で(松田 諭)
熊本地震 その時,阿蘇は! ─事業継続計画(BCP)とリスクマネジメント─(甲斐
豊)
地域医師会で(寺田尚弘)
「つなぐ」で備える地域保健福祉活動(能勢佳子)
歯科の災害に対する準備活動(中久木康一)
災害時の公衆衛生活動(近藤尚己)
影響を受けた人々と支援者のメンタルヘルスサポート(原田奈穂子,他)
■災害のパターンに応じた備え
地域の医療機関が地震に備える(永田晃平)
水害への備え(中村幸伸)
停 電(會川周作)
豪 雪(紅谷浩之)
■サポートシステム
ボランティアコーディネートを遠隔地から行う
─被災地に在宅医療を継続的に提供する支援─(永井康徳)
地域ネットワークシステムの備え(田島和周)
災害時の個人情報と空間地理情報を利活用した健康管理(神原咲子)
災害時の地域ニーズについて知るために
─倉敷市災害ボランティアセンターでの活動から─(十時奈々)
生活再建フェイズにおける医療・ケア提供体制支援プラットホームの意義
─倉敷市連合医師会・日本在宅医学会の協働によるKuraRAの運営─(山岸暁美)
(連 載)
今月のお薬ランキング(39)
パーキンソン病治療薬(浜田康次)
こちらつるかめ病院臨床倫理カフェつるりん(1)
尊厳