ThinkPad X121e に openSUSE 12.2 をインストールしたばかりだが、Vista の調子がめっきり悪くなってきた工人舎の SH8KP12A にも openSUSE をインストールしたのでメモ。

SH8 には以前 Ubuntu を入れていたこともある。このマシンはハードディスクが最初からほぼ二等分されている(リカバリ領域を除いた部分。Windows 方言でいう C: と D:)ので、デュアルブート構成にはしやすい。インストールは DVD からで、特に設定を変える必要もなく、普通に完了させてよい。性能に余裕はないマシンなのでデスクトップ環境は XFCE を使うつもりだったが、KDE がどのくらい動くかも興味あるところなので、そこもデフォルトのままインストールした。Vista は自動的に検出されブートローダのメニューに追加される。なお 12.2 には時刻の設定で「ハードウェア時刻を UTC に設定する」をしない様にしても反映されないバグがあったが、すでに修正されているのでソフトウェアの更新をすると直る。


Wifi

openSUSE でレジューム後に無線 LAN が使えない場合のメモ で書いた様に /etc/pm/sleep.d の下にスクリプトを置いてサスペンドの前後にモジュールのアンロードとロードを行う様にした。これをしてもたまにうまくいかないことがあるが、その場合は手動でコマンドを実行。やることは決まっているので、ヒストリから選択してもいいし、シェルスクリプトにしておいてもいい。このマシンはプリインストールの Windows Vista でもたまにレジューム後に無線LANに繋がらなくなるときがあり、原因も特定できないまま Wifi の有効/無効を切り替えてみたりするが、それに比べればこちらの方がずっと簡単で確実だ。

意外と軽々動く KDE

KDE はデスクトップ効果も有効になり、意外と軽々動く。Intel A110 プロセッサと 945GU チップセットはなかなか優秀であることが分かると同時に、このマシンが性能の面において Vista のせいで損をしていることも分かる。もし KDE を常用するなら、重くなる場合の原因は、デスクトップ効果かデスクトップ検索かのどちらかだろうから、そのあたりを調節することになるかもしれない。

サスペンド/レジュームで問題が発生

さて快調に思えた SH8 での openSUSE 12.2 なのだが、電源管理まわりで問題が発生した。サスペンド/レジュームはできるのだが、レジューム直後に勝手にサスペンドしてしまう、という繰り返しになってしまうときがあるのだ。ただその繰り返しが発生している最中でも、レジュームした時に Ctrl+Alt+F1 を押してテキストコンソールに抜けるとサスペンドしない。ということは、KDE の電源管理デーモンが何か状況を誤認してマシンをサスペンドさせている可能性がある。問題の切り分けのために、ここで XFCE をインストールした。XFCE の管理下ではこの問題はどうやら発生しない。ハイバネーションも可能。

XFCE

当初の予定通りでもあるので、このまま XFCE を使うことにした。私は KDE は好きなんだが、KDE アプリというのは KDE 以外で使うと何だかイケてない感じがするので、YaST のソフトウェア管理で「パターン」を表示させ、「KDE4 基本システム」と「KDE デスクトップ環境」の中にあるものをアンインストールした。KDM も削除してしまい、このままではグラフィカルなログインもできないが、XFCE 一式と一緒に LightDM も導入はされていたので、/etc/sysconfig エディタで Desktop/Display manager/DISPLAYMANAGER の値を ligtdm にすればよいのだった。

ハードウェア

タッチパネルは PenMount のウェブサイトで各種 OS 向けのドライバが配布されている。SUSE、Ubuntu、Debian、Fedora など主要な GNU/Linux ディストリビューション向けのものがある。これをインストールしてログインし直すとドライバが有効になり、付属のユーティリティで補正もできる。

音量キーは XFCE のインストール直後は効かなかったが、xfce4-volumed というパッケージを見つけたのでインストール、ログインし直すと使える様になった。

総評

openSUSE 12.2 は基本的な部分では SH8 の性能を最大限引き出すことができる。他方ではワンセグチューナーが使えなかったり、画面表示を回転させた時にタッチポインタなどと向きが合わなくなるなど、付加価値的な部分ではメーカーがサポートする OS ではない弱みが出る。しかしそれらはコンピュータとしては必要というほどではない。マシンを半殺しにしてしまう様な OS よりも総じて価値は高いと言えよう。