工人舎 SH8 に Ubuntu 8.04 をインストールしたメモのその後。root ユーザの有効化、Flash と内蔵カメラ、レジュームと音の問題、Mac OS スタイルのメニューバーなどについて記す。


root ユーザを有効に

 Ubuntu ではデフォルトで root でログインできない。これは、root のパスワードが設定されていないため。管理者権限が要る場合は sudo や gksu を使うことになる。安全面からはいいのだが、管理者権限でまとまった作業をしたい場合は不便。すでに root のなんたるかを知っているなら、状況によっては root を有効にしてもいいだろう。
 ということで、GUI の設定ツール「ユーザとグループ」を使って root のパスワードを設定した。

カメラ、Flash から使える

 前回は「ウェブブラウザで Flash プラグインから内蔵カメラの映像を取れない」ということを書いた。しかし先日なんとなくはてなハイクの投稿フォームで Webcam ボタンをクリックしてみたら映像が出て、写真を投稿できた。そういえば Flash Player のバージョンが9だったのを10にあげたので、そのためかもしれない。

サスペンド/レジュームと音の問題

 ACPI によるサスペンド/レジュームは何もしなくても非常にうまく動くと思ったのだが、レジューム後に音が出なくなるという問題があった。音関係のカーネルモジュールを再読込(# modprobe -r snd_hda_intel && modprobe snd_hda_intel)すればいいのだが、その前に pulseaudio や GNOME の音量調節アプレットを終了しておく必要がある。pulseaudio は $ pulseaudio -k で終了できるが、なければならないというものでもないのでアンインストールしてしまってもいいだろう。音量調節は本体のボリュームキーが使えるのでアプレットを常駐しておく必要もない。

 問題はモジュールの再読込をレジューム後に自動的にする方法。/etc/acpi/resume.d/ 以下にシェルスクリプトに書いて拡張子 .sh を付け、実行権限を与えておけば acpid が実行してくれるように思えるのだが、うまくいかない。今のところサスペンドは GNOME 端末で # date && sync && pm-suspend && modprobe -r snd_hda_intel && modprobe snd_hda_intel && date と実行している。ハイバネーションの場合は pm-suspend の代わりに pm-hibernate を使う。

GNOME に Mac OS 型のメニューバーを

 KDE3 では「Mac OS スタイルのメニューバー」があるが、GNOME2 と Gtk2 アプリケーションにはこの機能がない。「KDE は Windows 的、GNOME は Mac 的」といわれることがあるが、実際には KDE はルック&フィールの柔軟性が高く、設定によって Win 風にしたり Mac 風、CDE 風、NeXTSTEP 風にできるのに比べて、GNOME の方が柔軟性が低い(それでも Win や Mac よりは遙かにいいのだが)。
 そんな GNOME にも Mac OS のような画面上部に統合されたメニューバーをつけてしまおうというプロジェクトが存在する。Global Menu Bar for GNOME がそれだ。これは、GNOME パネルにメニューバーを埋め込むアプレットと、Gtk2 をこれに対応させるためのパッチで構成される。プロジェクトでは Ubuntu 向けの deb パッケージを提供しているので、ダウンロードしてインストールする。その後、パネルの何もないところを右クリックし、「パネルへ追加」から Global Menu アプレットを追加し、起動している Gtk2 アプリがあれば一旦終了して再度起動する。

 残念なのは KDE コントロールセンターで「Mac OS スタイルのメニューバー」を使う設定をしていても、GNOME の Global Menu に KDE アプリのメニューバーを統合できないこと。それから Firefox や OpenOffice.org のメニューバーも統合できない。そのためウェブブラウザは Epiphany、メーラは Sylpheed、ワープロと表計算にはそれぞれ AbiWord と Gnumeric を使うことにした。

ほか

  • ATOK X3 をインストール後、全角/半角キーが効かないなどの現象が出ていたと思ったが、いつの間にか正常に。何か勘違いしていたかも。

  • J-Pilot で Palm デバイスを同期する場合は、環境設定で地域・文字セットで UTF:Japanese(SJIS)、設定・ポートで /dev/pilot を指定。Backup コンジットは使うと PIM のカテゴリが破壊される場合があるようなのでチェックを外す。HotSync ボタンを押しても同期が始まらない場合は、# modprobe visor

  • Compiz で gtk-window-decorator の代わりに Emerald を使うには、パッケージ emerald をインストール。Emerald Theme Manager もこれに含まれる。コマンドは $ emerald --replace &