
協定による経済協力
「韓国との請求権・経済協力協定」第一条では、日本から韓国へ経済協力を行うことが定められている。この経済協力は二つの部分からなる。第一条 1 の a において、三億米ドル相当の無償供与、1 の b において、二億米ドル相当の長期低利の貸し付けを行うこととしている。
第一の無償供与は、資金の形ではなく、「日本国の生産物及び日本人の役務」、つまり製品や労働力として提供されることとされている。これは協定の発効から十年間にわたって分割で供与されることとしている。
第二の貸付は、次のように規定されている。
…大韓民国政府が要請し、かつ、3 の規定に基づいて締結される取極に従って決定される事業の実施に必要な日本国の生産物及び日本人の役務の大韓民国による調達に充てられるものをこの協定の効力発生の日から十年の期間にわたって行なうものとする。
「3 の規定」とは、
両締約国政府は、この条の規定の実施のため、必要な取極を締結するものとする。
というものである。
この経済協力に関しては、これがどういう理由で行われるのか、どういう性格を持つものであるかについては言及が無い。何かに対する補償であるとも、ましてや賠償であるとも書いていない。
なお 1 の b の末尾において、
前記の供与及び貸付けは、大韓民国の経済の発展に役立つものでなければならない。
とあり、その用途が限定されている。
続く。
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