• 昨年8月に openSUSE 10.2 をインストールして、そのまま使い続けてきた主力 PC Lenovo 3000 J100 の OS を openSUSE 11.0 に更新することにした。ホームディレクトリのあるパーティションはそのまま残し、ルートパーティションの openSUSE 10.2 を消して 11.0 をクリーンインストールした。インストールは日経 Linux 2008年8月号の付録 DVD から KDE4 Live CD を起動して行った。

  • インストーラは以前のものより手順が少なく、簡単なものになっていた。インストール自体は特に問題なく、速やかに終了した。ただし Live CD には日本語環境がほとんど含まれないので、システムのインストール後に YaST2 のソフトウェア管理を使ってこれをインストールする必要があった。

  • YaST2 のソフトウェア管理は以前のものは起動時に大分待たされる感じがあったが新しいものはようやく使える速さになった。

  • 組み込みビットマップフォントを使わせないようにするために YaST2 の /etc/sysconfig エディタで Desktop/USE_EMBEDDED_BITMAPS の値を no にした。

  • KDE 4.0 を少し使ってみたが、やはり常用環境としては KDE 3.5 をインストールして使うことにした。KDE 4.0 をめぐる諸々については、Open Tech Press | KDE 4のリリースは何が問題であったのか? が詳しい。

  • デフォルトでフレームバッファが有効になっていなかったので、YaST2 のブートローダの設定で VGA モードに 792 を指定。ネットワークの設定では IPV6 を無効にしておいた。ファイアウォールの設定で SSH のポートを開けておくのも忘れずに。

  • ATOK X3 は従来通りの手順でインストールして使用できる。ただし、そのままでは環境設定が開かなかった。調べてみると(ATOK X3 のインストール元)/bin/rpm/IIIMF/iiimf-properties-trunk_r3104-js1.i386.rpm が何故かインストールされてなかったのが原因だったらしく、これを rpm コマンドを直接叩いてインストールすると解決した。

  • システムトレイの電源管理アプレットから「ディスクにサスペンド」すると、レジュームがうまくいかない。PC 本体のスイッチを押すとファンが回りっぱなしになりそのまま起動しない。コードをコンセントから抜いてしばらく待ってから差し直し、電源を押すとレジュームする。が、これでは常用できない。サスペンド(RAM)は正しく機能しない。

    コマンドラインから# s2ram -f -a 3 を実行すると RAM にサスペンドできる。# s2ram -f -a 2 でもいい。fglrx よりフリーの radeon ドライバを使っているときの方がレジュームの調子がいいように思える。

  • WACOM のペンタブレット Bamboo は使用可能。以前は全く動かなかったが、今回はカーネルが新しくなったので挿すだけでもマウスのようには機能する。ただし、ペンタブとして動かすための SaX2 での設定はうまくいかなかった。デバイスファイルの指定が正しくないためだ。

    /dev/input/event0 から event6 までのファイルを一つずつ cat でコンソールに出力させてみて、ペンをタブレットの上で動かしたときにコンソールに何か表示されるデバイスファイルに Bamboo は接続されている。手許の環境では event6 だった。そこで、SaX2 での設定を雛形にして xorg.conf の記述を event6 に書き替えてもいいのだが、event0 以降の何番のデバイスファイルに接続されるかは状況により変わる可能性がある。

    WACOM 製品がシステムに接続されたときに、必ずそのデバイスファイルへ /dev/input/wacom というシンボリックリンクが生成されるよう、udev に指定し、xorg.conf には /dev/input/wacom を指定しておくと、確実に X Window System に Bamboo を接続できる。そのためには、/etc/udev/rules.d/10-local.rules というファイルを作成し、以下を記述する。

    KERNEL=="event*", SYSFS{idVendor}=="056a", SYMLINK="input/wacom"

    ファイルを保存したら、udev に設定を認識させるために # udevcontrol --reload_rules を実行する。

    (この段は、Saomix elements通信 openSUSEでペンタブレットを使ってみたが参考になった)

  • ただ、Bamboo は X Window System が起動するときに接続されていないと正しく認識されないらしく、起動後に抜き差しするとペンタブとして正しく動かなくなってしまう。また、サスペンドからの復帰後も同じ状態になる。要調査…。回避策としては、常用の X とは別に、ペンタブを使うときだけ別の X を起動する。KDE 3.5 なら K メニューから「ユーザを切り替え」>「現在のセッションをロックし、新規セッションを開始」または「新規セッションを開始」を実行する。

  • KDE コントロールセンターにあったはずのガンマ値の設定が無くなっている。KDE 4.0 のガンマ値の設定パネルは $ kcmshell4 kgamma で呼び出せる。それか xgamma を使うか。

  • いつものことだが GNOME 環境一式も一応インストールしておいた。

  • ほとんどのソフトウェアを統合された手段で一括してインストールできるのはやはり楽。Windows で同じだけの環境構築をやろうとするとクリックが多くて疲れる。最近の主要な GNU/Linux ディストリビューションなら一覧から選んで指示し、ダウンロードとインストールが済むのを待つだけ。