日本語化の手引き

このページでは、JaPon と POBox という二つのソフトウェアを使って Palm Z22 を日本語化する手順を紹介します。日本語化とは、日本語の表示と入力ができるようにすることです。

JaPon - 日本語表示用のソフトウェア

JaPon は、日本語を表示するための機能が組み込まれていない、欧米版の Palm OS 搭載機での日本語の表示を可能にするプログラムと、日本語フォントのセットです。

JaPon はシェアウェア──開発者と利用者が、開発の費用と成果を共有するソフトウェア──です。JaPon を継続して使用するためには、登録料を支払ってレジストキーを手に入れます。

この章では、JaPon の購入から、Palm Z22 への導入までの手順を紹介します。なお、原稿執筆時点での最新版は 1.0i です。ここではこのバージョンを前提に説明しています。

JaPonの購入

JaPon は pocketgames で3000円で購入できます。支払いにはクレジットカードが必要です。銀行振込を利用したい場合は、開発元の T-Pilot のサイトを参照してください。

pocketgames のトップページの上の方にある各売り場へのリンクから、ソフトウェア→JaPon(日本語化ソフト)とたどって、JaPon のページに入ります。ここでは、インストール後三十日使用できる試用版もダウンロードできます。

このページの下の方にある[買い物カゴへ]ボタンを押して、画面の指示にしたがって進めば申し込み完了です。その後、四十八時間程度で、レジストキーと正式版の入手場所を記したメールが送られてきます。

JaPon 正式版の入手

前述のメールの冒頭部分に、レジストキーに続いて記されている URL が正式版の入手場所です。Web ブラウザでそのページを開いて、Table of Folder Contents と書いてあるところの下のリンクから JaPon-10i.zip をダウンロードしてください。そのファイルを展開すると、JaPon という名前のフォルダが出てくるはずです。そのフォルダの中に正式版のファイル一式が入っています。

JaPon の導入

JaPon-Inst-10i.prc、JaPon-Check.prc、JaPon-FontRes-Lo.prc の三つのファイルを Palm Z22 へ転送します。その方法は、一般的な Palm 用ソフトウェアのインストールと同じものです。

まず、三つのファイルのうちのどれか一つを、普通に文書ファイル等を開くのと同じように、マウスやキーボードを使って開きます。この時点で、Read This First の手順にしたがって Palm Desktop ソフトウェアをインストールしていれば、Palm Quick Install の画面が現れるでしょう。これはファイルの転送を予約する道具です。続けて他の二つのファイルも Quick Install の一覧に加えてください。

そして、あなたのパソコンと Palm Z22 を同期ケーブルでつないで、Z22 の画面の右下の方にある、同期アイコン(二つの矢印が円を作っている標識)をタップすれば、同期が始まり、予約した三つのファイルが Z22 に転送されます。

JaPon の初期設定

同期が終わったら、Z22 の画面の左下の方にあるホームアイコンをタップして、ホーム画面を表示させます。そして、ホーム画面右上のピックリストをタップし、System または All カテゴリに切り替えて、JaPon-Inst のアイコンを探してください。

JaPon-Inst のアイコンをタップすると、「Install "JaPon"?」と聞いてくるので、[OK]ボタンをタップして先に進みます。続いて、レジストキーの入力を促す画面になるので、先のメールに記されていたレジストキーを入力して[OK]ボタンをタップします。自動的に JaPon の初期設定が処理され、最後に完了したことを示す「Done」というメッセージが表示されたら、また[OK]ボタンを押してください。

最後の[OK]ボタンを押すと、いったんホーム画面に戻ります。すると、JaPon-Inst のアイコンは消えていて、代わりに JaPon のアイコンが現れているはずです。

JaPon の有効化と確認

JaPon のアイコンをタップすると、[Turn On]と[Cancel]という二つのボタンが表示されます。JaPon を有効にするために[Turn On]ボタンを押すと、「Need to be softreset.」と言ってくるので、その画面に表示された[Reset]ボタンを押します。Palm OS が再起動して、日付と時刻の設定が表示されたら、その時点で既に JaPon の機能が有効になっているはずです。

JaPon が正常に機能しているかどうかは、JaPon-Check を使って確認できます。ホーム画面で JaPon-Check のアイコンをタップしてください。日本語の文字が表示されるので、スタイラスを画面につけたまま、文字列の上を滑らせます。スタイラスで引いた範囲の文字列の背景が黄色くなるでしょう。この状態で、文字そのものに変化がなければ、JaPon は正常に機能しています。黄色の範囲がおかしかったり、表示が乱れる場合は、正常に機能していません。JaPon の有効/無効の切り替えや、ソフトリセットを何度か試してみてください。

JaPon の導入に伴って発生するいくつかの問題とその解決

Calendar(予定表)の画面の右上に乱れた文字列が表示される
T-Pilot で配布している Calendar-PDat_jpAN.prc をインストールすると解消されます。
Prefs の Buttons で HotSync アイコンの設定が消える。
Buttons_jpAN.prc をインストールすると表示が戻ります。
ホーム画面の Display Options の表示が乱れる。
ApplicationsFix.prc をインストールし、ホーム画面の Unfiled または All カテゴリから Appfix のアイコンを探して一度タップすると直ります。

(2007年2月15日注)上の三つのファイルのリンク先は Web サーバのデフォルトのディレクトリインデックスでしたが、現在見えなくなっています。ファイル自体は存在しているので、下のようにファイル自体を直接指定した URL を Web ブラウザやダウンローダに入力するとダウンロードできます。

Calendar-PDat_jpAN.prc
http://www5f.biglobe.ne.jp/~T-Pilot/PalmWares/Z22/Calendar-PDat_jpAN.prc
Buttons_jpAN.prc
http://www5f.biglobe.ne.jp/~T-Pilot/PalmWares/Z22/Buttons_jpAN.prc
ApplicationsFix.prc
http://www5f.biglobe.ne.jp/~T-Pilot/PalmWares/Fixer/ApplicationsFix.prc

POBox - 予測型日本語入力プログラム

JaPon を導入して日本語の文字を表示できる状態になっても、まだ日本語を入力することはできません。ここでは、ワード予測/フレーズ予測や曖昧検索機能を備えた日本語入力プログラム POBox の導入手順とその使い方を紹介します。

なお、POBox の原稿執筆時点での最新版は 1.7.2i です。解説はこの版を前提にしています。

POBox の入手

POBox はフリーウェアです。POBox for Palm OS5 からダウンロードできます。ダウンロード後、POBox172i.zip を展開してファイルを取り出してください。

DA Launcher の入手

POBox の配布物に含まれている FEPSwitchiDA は、POBox を使って文字を入力するか、使わないで直接入力するかを切り替えるためのプログラムです。これは、Desk Accessory(DA)と呼ばれる種類の特殊なプログラムで、普通のアプリケーションがホーム画面から起動するのに対して、DA は DA Launcher から起動します。

DA Launcher はフリーウェアです。Hacker Dude-san's Page のページ右側にある "PalmWares" からリンクをたどり、DA Launcher 5.0 をダウンロードして、dal50.zip を展開してください。

POBox と DA Launcher の導入

DA Launcher (da launcher-jpn.prc)と POBox の配布物に含まれる POBoxFep.prc、POBoxFepPanel.prc、fugodic.pdb、learndic.pdb、FEPSwitchDA.prc を Palm Z22 にインストールしてください。インストールが終わったら、DA Launcher と POBox の設定を行います。

ホーム画面の右上にあるピックリストから System または All を選んで、Prefs のアイコンを探してください。Prefs を起動すると表示される項目の中に、POBoxFEP があるはずです。POBox は初期設定のままでは Palm Z22 では正しく動かない場合があります。私の POBox の設定は下記のようになっています。とりあえず下記を参考に設定を変更してください。

設定が終わったらホームアイコンをタップしてホーム画面に戻ります。続いて、DA Launcher の設定を行います。ピックリストから Unfiled または All をえらんで、DA Launcher のアイコンを探してください。

アイコンをタップすると DA Launcher の設定画面が表示されます。"動作状態"の[動作中]をタップすると DA Launcher が有効になります。それから"クイック起動"の丸にDAのアイコンの横の囲み(エントリボックス)をタップして、表示される「DA選択」の一覧の中から、FEPSwitchiDA をタップして反転表示させた状態で、その下の[選択]ボタンをタップします。これで DA Launcher のクイック起動に FEPSwitchiDA が割り当てられました。

POBox の使い方

これで、日本語の表示と入力が行える環境が整いました。試しにメモ帳に日本語を入力してみましょう。

ホーム画面で Memos のアイコンをタップして、メモ一覧画面を出してください。

文字入力エリアにコマンドストローク(左下から右上に斜めに線を引く)を入力すると、コマンドツールバーが表示されます。そこに先程 FEPSwitchDA を割り当てた丸に DA のアイコンがあるはずです。そのアイコンをタップすると、POBox で入力ができる状態になります。そのまま入力エリアに Graffiti で何か文字を入力すると、POBox の変換候補が現れます。

Graffiti 文字で入力したい語の読みをローマ字で一文字入力するごとに、変換候補が絞り込まれていきます。候補一覧に入力したい語が出現したら、その語をスタイラスでタップするか、五方向ナビゲータの左右で選択して押し込みで確定します。一覧に目的の語が現れない時は、五方向ナビゲータの上下で前候補・次候補に移動します。候補が選択されていない状態で、入力エリアでエンター(右上から左下に向けて斜めに線を引く)を入力するか、五方向ナビゲータを押し込むと、読みに完全に一致する候補だけが表示されます。

POBox では一語ごとに入力を行います。一語を確定すると、次の文字を入力しなくても、文脈を予測して次の入力候補が一覧表示されます。

これ以外の POBox の詳しい使い方は、POBox の設定画面でメニューアイコンをタップすると表示されるヘルプメニューを参照してください。Graffiti の入力方法については、Palm Z22 に添付されている Graffiti2 ステッカーや、入力エリアから画面上方に向けてスタイラスを引っ張ると表示される Graffiti2 ヘルプを参照してください(アルファベットと数字は普通になぐり書きするような感覚でほとんど正確に認識されます。記号は句読点とかっこを先に覚えてしまうと良いでしょう)。



© Kodakana 2006 Fair Rights Reserved
更新:2007年2月15日
作成:2006年1月17日