二十世紀とともに誕生し二十世紀とともに今消えゆこうとしている、或る家族の物語である。この家族は二つの世界戦争によって別離を強いられ、結局、「家族への夢」を絶たれてしまう。歴史に翻奔されるこの「分断家族」を支えたのは手紙であった。始まりは1902年。「憧れの日本」にやってきたアイルランド貴族の軍人、アーサー・ハート=シノットは、桃花の下に佇む下町育ちの大和撫子鈴木まさを見初め、ピーチ・ブロッサムとあだ名する。二人は間もなく所帯を構えるものの、大英帝国の武官たるアーサーは香港、ビルマ等での勤務を、そして遂には第一次世界大戦西部戦線への従軍を強いられる。アーサーは激戦地においてすら、三日にあげずまさへの激しい愛を、日本語の手紙に綴り続ける。1918年、西部戦線ソンムの戦場でアーサーは両足を失う。移動もままならないアーサーは断腸の思いで日本への帰化の夢を諦め、不自由な生活の必要から、まさとは別の女と結婚する。アーサー・ハート=シノットと鈴木まさの「家族への夢」は一発の砲弾によって絶たれたのである。-柳行李から偶然見つかったアーサーの千の手紙。押し花の添えられた、変体仮名の見事な日本語で綴られた千の手紙が、日本人になりたかった男と大和撫子の悲しい恋を、そして「世界戦争の世紀」とともに生きた分断家族の悲劇を証言する。積年の取材による感動のノンフィクション。
高校入学早々、草野秋広は笑顔が女神様のように素敵な化学の橋本先生(男)に恋してしまう。化学の苦手な秋広は夏休みに橋本先生の個人授業を受けることになり、2人は急速に仲良くなっていったのだが…?『麗人』誌上で大人気のシリーズ小説が待望のノベルズ化!可愛くて、Hでチョットだけ哀しいスピリチュアルラブストーリー。
地球進化の最大の遺産は、太陽エネルギーによる生命誕生と多彩な生態系の創生である。受精、発生分化、ボディープラン、アポトーシスなど、種を越えた共通原理により生命潮流を形成した利己的遺伝子は、爆発的エネルギー消費社会を生み出した。太古より種の絶滅は日常茶飯事であったが、最先端科学技術の華やいだ舞台の裏で、人類を含む生態系崩壊のシナリオが幕を開けた。地球生態系と種の命運、発生分化、細胞社会学、形態形成、アポトーシス、有性生殖戦略、周産期医療、遺伝子医療、クローン生物など、本書は、生命潮流の基本命題を考え、次世代のガイアに夢を託す医学生命科学者の必読の書である。
10年間にわたって「ビデオ・ザ・ワールド」誌に連載中の奇妙なビデオのレビューを厳選・集大成!ウンコのドカ食い、アソコに腕2本、半殺しSMに中出し獣姦、禁断のチャイルド・ポルノまで、さすが世界の変態さんは気合が違います。
次世紀、イモムシ国家ニッポンは美しいチョウとして飛翔できるか。生命と国土の安全保障を形にする、生き物に学び直す60篇の詩。
本書に書いた変体がなや連綿の用例、そして作品につきましては、原則として古典にのっとって執筆するようにいたしました。字母をよくご理解いただき、何の字をくずしたものかを心得て書けば、いろいろと応用がきいてまいります。練習にあたっては、緩急・疎密・間の取り方・入筆の方向・構成などにも留意して書いてみて下さい。連綿の用語例は手紙などへの利用を考え、現代の日常語も載せました。
深遠なる人間世界の秘密はすべてここにあった。謎と掟に満ちた面白Animal Essay。
笑顔が女神様のように美しい橋本先生(男)は秋広の通っている高校の化学の先生でおまけに運命の恋人でもある。ところが、ある日マンションに遊びに行った秋広が見たものは他の人とHなコトをしてる先生の姿だった…!?「変態天使の純情」待望の第2弾がオール書き下ろしで登場!!先生のマンションに住む隣人までも巻き込んだ可愛くて、Hでちょっと哀しいラブストーリーの結末は。
メーリアンの『スリナム産昆虫の変態』は、従来の博物図譜のスタイルを一変させた。蝶や蛾が、幼虫、蛹を経て成虫に至るプロセスを、一図に描き収める手法は、博物図譜に“時間の経過”を導入することであった。他に、リンネが絶賛したエーレト『花蝶珍種図録』、イギリス蝶類図譜の最高傑作といわれる、ハリス『オーレリアン』。18世紀の三大蝶譜を、一冊に収める。1991年10月に株式会社リブロポートから刊行された『ファンタスティック12』第8巻「昆虫の劇場」をもとに、大幅に図像を差し替え、新たに「イメージ解読のための図像学入門」を書き下して構成。
本書は、材料科学の基礎となる考え方を、初学者にわかりやすく記述したものである。最新の材料科学の発展に留意しつつ、材料科学という学問分野の中で、年月の経過に耐えてきた基本的事項の記述に重点をおいている。
コンクリート標準示方書施工編の各条項は、構造物の耐久性を可能な限り良くするよう配慮されたものであり、構造物の耐久性能照査は従来からいわば間接的に行われていた。今回の改訂では、はじめて直接照査する方法を採用した。
社内報は「ドラえもんのポケット」-「会社の元気」の素がいろいろ飛び出す不思議なメディア。日本一の社内報をつくり上げたベテラン編集者が、その編集ノウハウを公開し、新しい可能性を探る。経営者も必読。
世に言われる「変態」は、変わった人ほどの意味合いしかないものだが、ここに登場する「変態さん」たちのそれは、ファッションやシャレではなく、変態であることを生き方として選び、変態であることでしか生きられない人びとである。彼らがその行為によって得られるのは、賞賛でも栄光でもなく、一瞬の快楽だけだ。それでも「変態」であろうとするのはなぜか?変態さんを白日の下にさらした傑作。