本書は、10年以上にわたって行われている「精神分析的精神療法セミナー」の実践記録を基に、類書にない新しい効果的演習方法を公開するものである。転移・逆転移、抵抗、解釈、ワークスルー、抑圧、治療構造等、各章はいずれも優れて臨床的なテーマを取り上げている。スーパーヴィジョンによる症例の徹底検討とそこから浮き彫りにされる基本的精神分析概念の学習討論を通して、読者は臨床実践の中で本当に患者のためになる技法と理論を身につけることができるであろう。
自傷は、わが国においても医療機関のみならず教育機関でも広く見られる現象となっている。本書は、著者らが行った学校をフィールドとする調査から得られた実証的知見にもとづいて、若年者に対する自傷・自殺予防活動のあり方を論じたものである。第1部では青少年の自傷について、学校での調査結果や各国の統計的データからその特徴と定義わ詳細に概観する。実際に自傷におよんだ青少年の臨床的特徴を性差や年齢などさまざまな側面から比較して検討し、援助希求行動とストレス対処法についての論考を加える。第2部で学校や地域における自傷・自殺企図への介入・予防の方法について、各種の援助資源の紹介とともに述べ、心理療法、薬物療法による治療法の実際が語られる。また、セルフヘルプ、電話相談、インターネットの重要性にも触れ、そのデメリットもふまえた活用法が紹介される。巻末には学校関係者向けに作られたガイドラインなども付しており、より実践的に使えるよう工夫がされている。
本書は、LD・ADHDらの発達障害を中心に、スクールカウンセリング、芸術療法、境界例、解離、統合失調症、乳幼児保健など、児童青年精神医学のトピックを錚々たる執筆者たちが書き下ろした臨床セミナーの第一弾である。最新の臨床知見と研究成果が事例検討をふまえて詳細に解説されている。
デビュー・アルバム「A Peacetime Boom」から最新アルバムまでの全ナンバーをカヴァー。
「犯罪か、病気か」?“依存症とは目にみえない病気である”薬物依存者への支援のあり方を問う。
「治療者がなすべきは、癒しでも、慰めでも、気休めでもない。むしろ、患者に対しても、周囲に対しても、危機感を持たせることにある。現状打開の必要性を強い意志をもって伝えることである。」言葉を処方する、精神療法家としてあるべき姿とは?心身二元論を超克する、精神科医の矜持をここに綴る。
米国で主流をなすシステム論の立場を取ると否とにかかわらず、精神医学・臨床心理学領域で、家族を視野にいれない臨床は、今や考えられない。本書は、さまざまな家族療法理論により、あるいは独自の経験と技法により、そしてまた病院や相談機関などいろいろな場面で家族にかかわってきた臨床家による実践記録であり、そこにみられる理論の検証と技法の適用、種々の条件による限界とその対応はすべての臨床家に限りない示唆を与えてくれる。
芸術療法は、施行するほうも、施行されるほうも、誰にでも容易にできるように見えるので、それだけによりきめ細かな注意と配慮、その基礎にある理論や心理的問題への知識が不可欠である。本書は、日本芸術療法学会によるスタンダードなテキストである。第2巻では具体的な“作法”を論じた。
21世紀の幕開けを機に、糖尿病をもつ小児および思春期の青年のQOL向上を目指して、糖尿病管理のガイドラインを示したものが本書です。本書の内容は必ずしもすべてが学術的証拠に裏づけされているわけではありませんが、日本の小児・思春期糖尿病専門家の臨床経験を集積したコンセンサスガイドラインといえます。
本書は、こころの問題で受診してきた患者に対して、救急医と精神科医がそれぞれどのような考え方でアプローチしているかを「綜合臨牀」に2年半連載したものをまとめたものである。