とても身近なことなのに、あまり語られないセクシュアリティ。性と身体に、もう一度向き合う。
セクシュアル・マイノリティとは、同性愛、両性愛、性同一性障害など、典型的なセクシュアリティとは異なるセクシュアリティのあり方を示す人々のことをいう。セクシュアリティのありようが少数派であるがゆえに、偏見にさらされ、生きづらさを抱えることも多いため、セクシュアル・マイノリティの人たちの心理的支援へのニーズは、顕在化しにくいが多大にある。人口の数%程度を占めるといわれる彼・彼女らに、臨床の場においてもそうとは知らずに出会う可能性、もしくは出会っている可能性は大きい。多様なセクシュアリティを示す人々を理解し、受け止め、支えるための1冊。
ゲイ(同性愛)×DV(家庭内暴力)×風俗。自分を守るために、他者を理解するということ。誰もが差別に加担しうる社会に生きるということ。恋をすること。そして、誰かを愛するということ。これは“生きづらさ”を抱える、私達のお話。
18世紀の宗教復興とフランス革命を経て、西洋では「礼にかなった」作法を重んじる市民的価値観が浸透していった。リスペクタブルか否か?その問いかけはセクシュアリティをも正常/異常に区分し、国民主義と結びついて社会の管理・統制を強化した。逸脱行為と見なされた同性愛や売春は社会秩序を乱すものとされ、自制する「男らしさ」と、性欲を排した男同士の友情が市民道徳の基盤となっていくー。宗教、医学、芸術、性別分業、人種主義などの諸要素が絡まり合って作用し、市民的価値観と国民主義が手を取り合ってナチズムへ至る道が鮮やかに描き出される。文庫化にあたって、心理学者メアリー・ルイーズ・ロバーツによる新たな解説を付した。
女性たちは自分のからだがどうすれば心地よく感じるのか、どうすれば自由に、確実にオーガズムを得られるのかを知っている。にもかかわらず、多くの女性が男性とのセックスでは、その快感を自分のものとして享受できないでいるのは、なぜだろうか-。本書では、大切な男と女の関係を見直し、真に理解を深めるために、女性のセクシュアリティについての新しい考え方をさぐる。
セクシュアリティ論の決定版。なぜ私たちはセクシュアリティに縛られているのか。さまざまなセクシュアリティが氾濫するなかで、これから私たちはどこへ向かえばいいのか。従来の表面的な性の言論を一蹴する、ポスト・フーコーの第一人者ジェフリー・ウィークスの名著が、ついに刊行。
実際の家族療法の流れに沿って構成された本書には、初回面接の要点から、ジェノグラムとロールシャッハテストを駆使した家族アセスメントの方法、各種精神疾患や問題行動に対する援助の実際、さらには家族ライフサイクルやジェンダーに関わる視点や、自らの面接の失敗例に至るまで、著者が日頃から心がけている家族援助のポイントとその詳細が解き明かされている。海外の最新理論に精通しながら精神分析的な家族力動をも視野にいれて、15年にわたる臨床経験の中で練り上げられた論考は、家族療法の初心者はもちろんのこと、個人療法中心の治療者にとっても得るところが大きい。
「セクシュアリル・オリエンテーション」という視点を中心にすえ、「何でもあり」をコンセプトに、現在、多様化の一途をたどっているセクシュアリティの深淵を垣間見るために、懇切丁寧に、時に主観的に、時に学問的に、時に教育的に書き連ねた斬新な「性」の入門書。
性をめぐる言説が紡ぎだす近代日本。社会史、歴史社会学、近代社会論、言説分析や資史料分析の方法論に至るまで、広く社会学的な関心を持つ読者に。膨大な資料を渉猟し、理論的検討を尽くした渾身の書。
同性愛を異質化し、周縁へと追いやる異性愛主義は、19世紀末に始まったものにすぎない。メルヴィル、ニーチェ、プルーストなどを読み解きながら、その中にホモ/ヘテロセクシュアルの分断を不可能にする揺れを発見し、セクシュアリティの混沌を見つめる意欲作。
女性ホルモンの基礎知識、女性のがん・検診、セクシュアリティ、外来でよく診る身体症状、精神症状に加え、診断の決め手となる画像、月経や妊娠に影響を及ぼす薬剤、漢方薬、サプリメントなどの付録付。性差の視点を入れながら、総合的に女性を診るためのガイドブック。
フツーの大学生の現代セックス事情。大学教員が学生と真剣に性を語ってみた!本邦初、セックスを考えることで、大学生が見えてくる。
ことばにならないセックスを論じるに値するものとし、ジェンダーとセクシュアリティの謎に分け入り、身体と欲望から日本の現実を暴く。ひんしゅくを買うことを怖れない社会学者の好奇心に満ちた対論。