進化し続けるNANDA/NOC/NIC/リンケージをフル活用し、電子カルテに組み込む際のHOW TO USEを徹底解説。13領域すべてにわたる事例を網羅した決定版。収載事例77件(改訂39事例+新規38事例)。
とても身近なことなのに、あまり語られないセクシュアリティ。性と身体に、もう一度向き合う。
フツーの大学生の現代セックス事情。大学教員が学生と真剣に性を語ってみた!本邦初、セックスを考えることで、大学生が見えてくる。
セクシュアル・マイノリティとは、同性愛、両性愛、性同一性障害など、典型的なセクシュアリティとは異なるセクシュアリティのあり方を示す人々のことをいう。セクシュアリティのありようが少数派であるがゆえに、偏見にさらされ、生きづらさを抱えることも多いため、セクシュアル・マイノリティの人たちの心理的支援へのニーズは、顕在化しにくいが多大にある。人口の数%程度を占めるといわれる彼・彼女らに、臨床の場においてもそうとは知らずに出会う可能性、もしくは出会っている可能性は大きい。多様なセクシュアリティを示す人々を理解し、受け止め、支えるための1冊。
性教育をすすめていくうえで世界のスタンダードとして定評のある手引きの改訂版。本書は、セクシュアリティ教育を人権、ジェンダー平等という枠組みの中で再認識し、若者にとっての利益が最大となる、「性と人間関係」についての包括的な学びを提供している。
何がリスペクタブルな振舞か。ナチズムへと至る国民主義の高揚の中で、性的領域も正常/異常に分けられていく。セクシュアリティ研究の先駆的著作。
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18世紀の宗教復興とフランス革命を経て、西洋では「礼にかなった」作法を重んじる市民的価値観が浸透していった。リスペクタブルか否か? その問いかけはセクシュアリティをも正常/異常に区分し、国民主義と結びついて社会の管理・統制を強化した。逸脱行為と見なされた同性愛や売春は社会秩序を乱すものとされ、自制する「男らしさ」と、性欲を排した男同士の友情が市民道徳の基盤となっていく──。宗教、医学、芸術、性別分業、人種主義などの諸要素が絡まり合って作用し、市民的価値観と国民主義が手を取り合ってナチズムへ至る道が鮮やかに描き出される。文庫化にあたって、心理学者メアリー・ルイーズ・ロバーツによる新たな解説を付した。
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「正常な性意識」が、ナチズムを支えたーー
セクシュアリティ研究と歴史学を結んだ先駆的名著
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第1章 序論 国民主義と市民的価値観
第2章 男らしさと同性愛
第3章 身体の再発見
第4章 友情と国民主義(ナショナリズム)
第5章 どんな女性?
第6章 戦争と青年と美しさ
第7章 血と性ーーアウトサイダーの役割
第8章 ファシズムとセクシュアリティ
第9章 結論ーー万人の道徳
モッセ著作集版解説(メアリー・ルイーズ・ロバーツ)
一九九六年の訳者あとがき(佐藤八寿子)
訳者解題(佐藤八寿子)
原註
人名索引
伝えたいのは「違いがあってもいいんだよ」--
トランスジェンダー研究者による10年以上続く明治大学での講義、待望の書籍化!
本書は、2012年の開始以来、毎年300人以上の学生が受講する明治大学文学部の『ジェンダー論』の講義録を基に執筆されたジェンダー&セクシュアリティ論の入門書です。
自らの「性」と社会的な「性」のしくみについて真剣に考え、多様な「性の有り様」を知ることは、もはや、すべての人々にとって避けて通ることのできない今日的な課題と思われます。
LGBTQ+、同性婚、トランスジェンダー、ジェンダー・アイデンティティ…といった最近よく耳にする言葉についても分かりやすく解説していき、さらに性的マイノリティとして社会を生き抜いてきた著者が、実際に体験してきたこと、考えてきたことも多く反映された一冊となっています。
【主な内容】
◎性別二元社会の仕組みを知る
◎明治〜昭和戦前期の政治家や軍人が髭を蓄えていたわけ
◎「ジェンダーをする」という考え方
◎身体構造の性差にジェンダーが付与される
◎なぜ日本は「女子差別撤廃条約」を批准できなかったのか
◎いまだに存在する「見えない壁」や「ガラスの天井」
◎「ホモソーシャル」な関係を志向する男性たち
◎歴史的に見て特異な存在、専業主婦
◎「女性の乳房は大きいほどエロい」という認識はいつ生まれたのか
◎江戸時代の男は、うなじに興奮していた?
◎性規範の「サムライ(侍)ゼーション」
◎本当の足フェチは「足だけ」を求める
◎欧米には存在しない「痴漢」という概念
◎人の身体は女性が基本「イブ原理」
◎インターセックス(性分化疾患)とはなんなのか
◎ジェンダー・アイデンティティの正しい訳語は、性同一性
◎人間の「性」は三層構造をなしている
◎死語に近い「性同一性障害」という言葉を使い続ける日本
◎「LGBT」という言葉はいつ頃から使われるようになったのか
◎新しく生まれた言葉「SOGI」「SOGIE」
◎「LGBTは13人に1人」というのは本当か?
◎同性パートナーシップ制度の現状
◎トランスジェンダーとは何か
◎性別移行と生殖権
◎「Xジェンダー」とは何か
ほか
第1講 「性」を考えることの意味
第2講 ジェンダーを考える
第3講 セクシュアリティを考える
第4講 「性」の4要素論
第5講 「性」の多層構造論
第6講 「性」の多様性論
第7講 日本初のトランスジェンダーの大学教員として
女性たちは自分のからだがどうすれば心地よく感じるのか、どうすれば自由に、確実にオーガズムを得られるのかを知っている。にもかかわらず、多くの女性が男性とのセックスでは、その快感を自分のものとして享受できないでいるのは、なぜだろうか-。本書では、大切な男と女の関係を見直し、真に理解を深めるために、女性のセクシュアリティについての新しい考え方をさぐる。
セクシュアリティ論の決定版。なぜ私たちはセクシュアリティに縛られているのか。さまざまなセクシュアリティが氾濫するなかで、これから私たちはどこへ向かえばいいのか。従来の表面的な性の言論を一蹴する、ポスト・フーコーの第一人者ジェフリー・ウィークスの名著が、ついに刊行。
実際の家族療法の流れに沿って構成された本書には、初回面接の要点から、ジェノグラムとロールシャッハテストを駆使した家族アセスメントの方法、各種精神疾患や問題行動に対する援助の実際、さらには家族ライフサイクルやジェンダーに関わる視点や、自らの面接の失敗例に至るまで、著者が日頃から心がけている家族援助のポイントとその詳細が解き明かされている。海外の最新理論に精通しながら精神分析的な家族力動をも視野にいれて、15年にわたる臨床経験の中で練り上げられた論考は、家族療法の初心者はもちろんのこと、個人療法中心の治療者にとっても得るところが大きい。
「セクシュアリル・オリエンテーション」という視点を中心にすえ、「何でもあり」をコンセプトに、現在、多様化の一途をたどっているセクシュアリティの深淵を垣間見るために、懇切丁寧に、時に主観的に、時に学問的に、時に教育的に書き連ねた斬新な「性」の入門書。
性をめぐる言説が紡ぎだす近代日本。社会史、歴史社会学、近代社会論、言説分析や資史料分析の方法論に至るまで、広く社会学的な関心を持つ読者に。膨大な資料を渉猟し、理論的検討を尽くした渾身の書。
同性愛を異質化し、周縁へと追いやる異性愛主義は、19世紀末に始まったものにすぎない。メルヴィル、ニーチェ、プルーストなどを読み解きながら、その中にホモ/ヘテロセクシュアルの分断を不可能にする揺れを発見し、セクシュアリティの混沌を見つめる意欲作。
女性ホルモンの基礎知識、女性のがん・検診、セクシュアリティ、外来でよく診る身体症状、精神症状に加え、診断の決め手となる画像、月経や妊娠に影響を及ぼす薬剤、漢方薬、サプリメントなどの付録付。性差の視点を入れながら、総合的に女性を診るためのガイドブック。
●自分は大丈夫だ、やれるんだという気持ち。自分は案外イケているじゃないか、という自信。それが自己愛だ。恥はそれが侵害され、圧し潰された時の感情として理解できる。それは深刻なトラウマ、すなわち「自己愛トラウマ」体験を引き起こすのである。ではその自己愛トラウマを引き起こす加害者は誰なのだろうか? 多くの場合、加害者の存在はあいまいである。しかしそうであっても、自己愛トラウマを被った人の傷の大きさは変らない。そしてそこから新たな怒りや加害行為を生むこともある。いま日本ではさまざまな問題が起きている。それらを理解するうえで、この自己愛トラウマやあいまいな加害者という概念を切り口として提唱する。
●目次
まえがき
序章 恥と「自己愛トラウマ」
恥の問題は格段に興味深い/これほど大事な恥の感情なのに/恥による傷つきはトラウマである/見られることはトラウマか、願望か?
第1部 「自己愛トラウマ」と現代人の怒り
第1章 怒りと「自己愛トラウマ」
人の怒る仕組みーー怒りの二重構造/二次的感情としての怒り/健全な自己愛、病的な自己愛/一次的な感情としての怒り/他
第2章 アスペルガー障害の怒りと「自己愛トラウマ」
「怒りは抑圧され、暴発する」という常識/「怒りの暴発モデル」は精神分析が起源である/「抑圧 - 発散モデル」は日常体験により近い/他
第3章 凶悪犯罪と「自己愛トラウマ」--秋葉原事件を読み解く
はじめに/KTの診断は何か?/KTに見られる怒りの特質ーーアスペルガー障害の「自己愛トラウマ」/KTを「自己愛トラウマ」から救えたのか?
第4章 「モンスター化現象」とトラウマ
モンスターたちを未熟とする論拠/モンスター化を社会現象としてとらえる/クレーマー社会は、被クレーマー社会、被トラウマ社会でもある/他
第2部 いじめとうつと「自己愛トラウマ」
第5章 いじめと「自己愛トラウマ」
いじめを生む「排除の力学」/「排除の力学」への文化の影響/日本の均一性こそが、いじめによる自己愛トラウマを生む/他
第6章 「現代型うつ病」と職場でのトラウマ
果たして「現代型」、「新型」のうつなのか?/いっそ、うつ病と考えないほうがいい/結局決め手は自殺率であるーー張賢徳医師の見解/他
第3部文化装置としての恥
第7章 トラウマ回避のための「無限連鎖型」コミュニケーション
日本人にとっての恥の意味ーー出発点としてのベネディクト/ベネディクトヘの賛否両論/日本社会における罪の意識/他
第8章 学校教育とは「自己愛トラウマ」の伝達だろうか?
対人体験は苦痛でもある/恥は一種の学習装置ではないか?/恥の装置と仲間への忠誠心/他
第9章 災害トラウマを乗り越える --津波ごっこと癒し
津波ごっことアートセラピー/一見常識的な介入がトラウマ的になる? いわゆる「CISD」の問題/トラウマと思うからトラウマになる?/他
第4部 トラウマとセクシュアリティーー見られることをめぐって
第10章 「見るなの禁止」とセクシュアリティ
「見るなの禁止」は誘惑を意図したものか?/文化の装置としての「見るなの禁止」は「粋(いき)」にも通じる/他
第11章 恥と慎みをめぐるある対話
■解説
私が診察室で出会う、会社に行けなくなった患者さんのかなりの部分が、上司とのやり取りでトラウマを背負っている。ひどく暴言を吐かれたり、夜中近くまで詰問されたり、仕事の「無茶ぶり」をされたり。それらはかなり深刻な自己愛トラウマの原因となっている。その結果として抑うつ気分や倦怠感が生じ、仕事に対する意欲を失い、欠勤がちになって医師のもとを訪れる。医師の多くは、「それはがんばりが足りないからだ」「あなたの弱さだ」とはねつけるが、一部は診断を下す。その場合はまずはうつを考える。もちろんそのような患者の多くは抑うつ症状を持っている。しかし同時に会社での仕事の環境に対する不安を抱いている。これは漠然とした不安というよりは、上司や同僚とのかかわりによって体験されたトラウマに基づくもので、職場に戻ることを考えたり、それを思い出させるような状況に遭遇した時に不安に襲われるのだ。トラウマとは不思議なもので、その当座はさほどインパクトを持たなくても、その場を離れてしまうと逆に恐怖感が増すことがある。休職になった後は、それまで毎日通っていた職場に行くこと自体に強烈な不安がともなうことがある。離婚した後前夫(前妻)に対して、その後にさらに恐怖感が増大していき、その持ち物にさえ触れられなくなる、ということもよくある。このような状況を考えると、実は「現代型うつ」における症状のかなりの部分を説明できる。なぜ休職中はうつが改善するのか。なぜ夕方五時以降は元気を取り戻すのか。それは彼らの示す症状が、うつというよりは不安、さらにはある特定の状況に対する恐怖症だからなのだ。(「第6章」より)