白くない百合を、なぜ漱石は「白い」と書いたのか?三島由紀夫は本当に松の木も知らなかったのか?泉鏡花、志賀直哉から安部公房まで、小説を植物学的に解剖すると…。
敗戦後の虚無感や不安に苛まれ、反戦学生同盟に参加。レッドパージ、血のメーデー事件などの時代の勢いの中、高史明に出会う。反対を押しきった国際結婚、日本と朝鮮の大きな溝、共産党活動での行き詰まり、一人息子の突然の死…。苦難の中で仏のまなざしに気づくまでの波瀾に満ちた半生を書き綴る。
北新地のこぢんまりしたバーにアルバイトで働く奈奈子。広島の短大を出て、大阪の商社で働いたが、幼馴じみとの恋に破れてから、この店に来た。店の常連客の建築事務所の経営者に求愛され、陰の身ながら熱い日々が続く。やがて妊娠するが、出産を拒否され、悲しい破局を迎える。それから奈奈子は変身した。一流クラブに移り、自分に磨きをかけ、華やかな異性経験も経て、一流ホステスとして成長を遂げて行く。その奈奈子の前途に…。現役マダムが書いた長編小説。
あたりまえのことなのに、なぜかためらう女たち。さあ、そろそろ男社会の枠から解放されて自分らしい生と性を選びとりたい。
明治以降、現代迄にいたる作家および作品を対象に、近代日本文学を専攻する重鎮、新鋭の二十五名が書き下ろした最新の研究論文集。
直木賞作家・常盤新平が初めて“花の世界”に挑んだ、ほのぼのと心暖まるショート・ストーリーと、優しく女らしい岡本百合江の花とが織りなす、殊玉のジョイント作品。
文芸編集者笹谷美緒は、取材のため、博多から寝台特急「あさかぜ4号」に乗り込んだ。だが、彼女の乗った個室寝台には、不吉な出来事を暗示するように不気味な黒百合の花が置かれていた。はたして、東京に着いた列車の中で女性の絞殺体が発見され、死体の傍らには、なぜか黒百合の花が。黒百合伝説に秘められた怨念か?鉄壁の完全犯罪トリックに挑む傑作推理。
高校、あるいは大学を出たら「就職」という公式を疑ってみたことはありませんか?仕事か結婚、仕事か出産かという二者択一に悩んでいませんか?フリーライフそれぞれの選択。
北米大陸にヨーロッパ系白人が定住しはじめてのち、夥しい数の種が絶滅の危機にさらされてきた。自責の念をもって、この間の経緯を入念に調べあげた貴重なドキュメント。350年の短期間に絶滅した野生動物のドラマ。