森林生態学の立場から森林と人間との多様なかかわりを包括的に語り、経済一辺倒の森林行政を脱して人と自然が共生するための森や里山をいかにして創出するか、森林再生への具体的な方法をさぐる。緑の山河を残すための21世紀への提言。
本書は「イオンチャネル」研究に関しては初心者を対象に、生理学者の眼から見た本格的な「イオンチャネル」とは異なった視点から「イオンチャネル」というものを捉えている。
本書は、すでに90歳を越えた著者がまったく新しく書き下ろした、生物学の歴史と現状とそして未来を語ったものである。生物学の特質はなにか、物理科学とはどのように異なるか、それは自律的な学問であるか、われわれ自身やわれわれの倫理についてなにを教えてくれるか、など、著者が長年にわたって蓄え培ってきた知識と哲学が驚くほどの若々しさで語られている。さらに、生物学で問われる「なにが」、「いかに」、「なぜ」という三つの問いを具体的に明示するために、多様性生物学、発生生物学そして進化生物学について、これまで用いられてきた概念や方法論に照らしてその特性が述べられる。
東欧革命から10年。第二次世界大戦後の東欧政治史。東欧各国を舞台に繰り広げられた戦後半世紀にわたる政治のダイナミズムをみごとにとらえた名著。
本書では、中小企業の多様なネットワークを題材に、ネットワークとは何か、どのようなネットワークが求められているのか、またどのようにすればネットワークが有効性をもち得るのか、このような問題意識に取り組み、ネットワークの状況や役割、問題点とその解決の方向を検討した。ネットワークという視点から、新しい企業行動をみている。
多様な有機化合物の構造を体系的に理解する土台として、結合、異性現象、電子の非局在化、酸性と塩基性、置換基の立体的なかさ高さ、という五つの観点を提示する。ここで培われる、化合物の構造と性質を結びつけて考える力は、最先端の分子設計にも通用する。各章には「特論」をもうけ、関連分野のホットな話題などを紹介。
グローバルな広がりと奥行きで、年金運用を解説する実践的教科書!世界の主要マーケットの長期データを踏まえた証券投資・資産運用の理論と実際。
女性の能力活用がエクセレント・カンパニーをつくる!日本の企業におけるケースを豊富に取り込んだ、競争優位確立に役立つジェンダー企業経営論。
学生にわかりやすく、かつ読みやすい方法で、重要な概念や原理を紹介する学習書。図解を多用し、一般に妥当で有用であるとされたものを保持しつつ、現代の経済地理学の学生が関心を持つ世界に直接呼びかけ、数多くの新しいアイディアを紹介する。
脱「開発」論の旗手による文明変革の論理。経済効率至上主義と日常的消費行動の全面的見直しが環境・貧困・エイズ・暴力・モラル・南北問題の最大の知的解決法。
日本には10万種を越える姓が存在し、その中には200万人以上が名乗っているものから、親戚以外にはまったく同姓がいない希少なものまである。この多様性は、どのようにすれば保たれるだろうか。夫婦別姓の問題が主として個人の権利という観点から論じられる中で、姓の種類の多さを文化的な豊かさの指標の一つとしてとらえ、多様性の維持という「生態学的」観点から姓のあり方に迫る。
本書は、「監査」について初めて体系的に理解されようとする方々を対象として、最新の理論に基づく基礎理論をできるだけ平易に説明することを目的として編集されている。今日、社会的に強く関心がもたれている監査は、バブル経済の崩壊に伴う大会社の倒産、粉飾決算、経営者不正による不祥事等に係る財務諸表監査(監査制度における代表的な監査形態)のあり方である。したがって、本書は、企業等の社会的責任として開示される財務諸表に対して、その信頼性を与える財務諸表監査に関する基礎理論を中心に述べている。
国益追求と国際協調の両立。EUが示す21世紀の指針。先の見えない国際社会の協調と安定の鍵を握るEUの総合的理解を探る。
複素超曲面の特異点は、微分位相幾何と代数幾何の両者にまたがるテーマであり、本書はこの主テーマを、ミルナー・ファイブレーション、エキゾチック球面、代数的集合、曲線選択補題、モース理論、ブリスコーン多様体などの豊富な話題と具体例を盛り込んで明快に解説している。
1978年の改革開放以来、急成長を遂げる中国は、東アジア経済はもとより、世界経済のなかでも重要な役割を担う存在となっている。好むと好まざるとにかかわらず、いまや中国を抜きにして世界経済のゆくえを語ることはできない。ところが、12億人を超える人口を擁し、発展段階の異なる多数の地域からなる中国を丸ごと理解することはとても難しい。中国の全体イメージができあがって初めて、その一部も理解できるようになるからである。本書は、「現代のなかの歴史」、「多様性のなかの発展」、「世界のなかの中国」をキーワードとして、中国経済の実情を複眼的視点から分析する。中国を丸ごと理解することは容易ではないが、多くの情報があふれる今日こそ、複眼で中国を見る重要性がますます高まっている。