ジェンダー法学は、既存の法律学をこれまでにない視座から批判し、既存の法制度や学問の領域にたって、性別による社会的不平等を是正しようと試みる。女性の普遍性、男性の特殊性の事実に目を向け女性の視点と経験が生かされることが、真の男女共同参画社会実現の第一歩である。新しい学問領域であるジェンダー視点から法学を学ぶ最新のテキスト。法改正と社会の動向をキャッチした充実の第2版。
1960年代末以降の「第二派フェミニズム」と呼ばれる世界規模での女性解放思想は、その理論的枠組みにおいても、対象とする専門領域においても多様な流れを生み出したが、ジェンダーという共通の概念を発見した。そして、1980年代、1990年代以降の市場経済化の進展とグローバリゼーションのもとでは、ジェンダーを分析軸にすえた新たな知の枠組みが模索されている。本書は、主流派を構成する新古典派経済学の理論、さらにリベラリズムの思想をジェンダーの視点から理論的に検討し、同時に、市場主義化がもたらす新たなジェンダー問題を家族・社会政策、開発経済学、社会思想、人類学などの諸領域から問い返すことで、社会・経済の変動を理論的、実証的かつ歴史的にとらえる方法を提示する。
ゲーテは女性になりかわって、その内面を代弁したり、女性を素晴らしい存在だと見なしていたわけではない。自分を語るための器として用いたにすぎない。それは空であるほどたくさん盛ることができる。器である女性が自ら語り出したり、自己主張することはゲーテにとって望ましくなかった。女性の視点からゲーテを読み直す。また18世紀から19世紀の女性小説を丹念に読み、男性社会規範の中でもがいた彼女たちの姿をうかびあがらせる。
ヨーロッパ近代秩序としての公私二元構成ーその生成過程には、ジェンダー・バイアスの生成が伴った。姦淫罪(法と道徳の分離)、嬰児殺(人道主義)、読書協会(市民的公共圏の成立)の3側面から立証。
ジェンダー(社会的性差)問題を、肩肘はらない噺『山下さんちの物語シリーズ』に仕立て、女性として初の真打となった著者が、その痛快でユーモアに満ちた人生を語る。
女性史・女性学の成果。「女らしさ」をはじめ、文化として形づくられた女性像を問い直し、男性中心の思考法を再検討する。新しい女性像を確立するために。
本書は、英国社会学会に所属する女性研究者たちの努力により、学会発表論文を収集したものである。
本書は、グローバリゼーション研究とジェンダー研究との接点にある問題領域を明らかにするものである。
本書は、70年代以降のフェミニズム労働論の課題を継承しつつ、経済学のなかにジェンダーの問題を位置づけようとする新しい動きを検証し、その意義を明らかにしようというものである。そして、本書の最も大きな特徴は、従来経済学がその領域から外してきた家族や世帯を、それ自体物質的基盤の一部としてとらえ、かつその内部の再生産労働(とくにケア)に新しく光をあて、生産領域と再生産領域という二つの異なった領域を統合(接合)して把握しようとすることにある。
21世紀-歴史像のパラダイム転換を迫る!ジェンダー、それは肉体的差異に意味を付与する知。
生活経済論とは、経済学や家政学などを応用して、生活維持のための経済行為とそれを規定する法則を、わかるようにするための理論である。以前は家庭経済学ともよばれたこの分野に、本書では新たにジェンダーと持続可能性と生活福祉という三つの視点を取り込んだ。「今」の生活意識にマッチした、わかりやすいテキスト。