生活経済論とは、経済学や家政学などを応用して、生活維持のための経済行為とそれを規定する法則を、わかるようにするための理論である。以前は家庭経済学ともよばれたこの分野に、本書では新たにジェンダーと持続可能性と生活福祉という三つの視点を取り込んだ。「今」の生活意識にマッチした、わかりやすいテキスト。
本書では、家計研究の一つの転換点を1960年代後半以降から1970年代に見出し、これ以降において個々に指摘されてきた家計をめぐる現象を家計の内部関係という研究視点に集約して検討している。
女はやさしく、男は強い。このような男女差に対する意識はなぜ生まれ、どのようにして人びとの心のなかに定着するのか。人はいったん思いこむと、それに従って人を観察したり、ふさわしいようにふるまったりする。その思いこみ-ステレオタイプをキーワードに、法や制度を整えても、なぜ伝統的な性別分業社会は、人びとの意識の上からなくならないのかを、社会心理学の立場からときあかす。
本書の焦点は、セックスと政治経済の特定の関係、つまり、労働における性的分業である。それは社会の中で、性を基準としてどのように仕事が割り振られるかということである。性的分業は、単に仕事の区分だけではなく、男女に与えられる価値、地位、権力の差異でもある。それは経済的な分類であり、政治的な区分でもある。本書は、性的分業を社会生活の多様な局面や、都市や地方、家族や政府、資産取引、商業、テクノロジーというさまざまな形態において検討している。特に注意が向けられているのは、フィリピン女性の経験である。
本書は、シンポジウムを出発点とし、民主教育研究所・両性の平等委員会との共同討議をした後、ジェンダーと教育グループの数回にわたる検討の上で作成したものです。
男女の生物学的性を1つの社会的位置として考えた場合、その位置に付随した社会的役割がジェンダー(gender)である。本書は、ジェンダーと個人の関係について考えたもので、中でも、個人がジェンダーに関して社会化されることによって、その個人の自己概念がどのように規定され、また、ジェンダーに関する自己概念は、役割達成感、役割行動に、どのように機能するのかに的を絞った。
仏教はもともと性差別が根強いといわれる。しかし、人間としての目覚めを説いた釈尊の教えは、性差別を肯定しているのだろうか。また日本仏教の祖師たちは、どう説いたのか。女性仏教者の視点から性差別の現状を見つめ、仏教の再生へ向けてそのあり方を論じる。
本書は、性(ジェンダー)アイデンティティを測定するための新しい方法についてのものである。その方法が性アイデンティティの測定法として妥当であることを、データによって実証することが、本書の目的である。
20世紀末の日本において、女の現状はどのようなものであろうか。本書は、この女の現状と問題点を、特に社会の制度と人々の意識のレヴェルで探ろうとするひとつの試みである。
新しい美術史学。美術に刻印された性差を考える。日本・中国・西洋美術史研究者11名による一大論集。
本書は、20世紀末の日本における女の現状と問題点を、特に社会の制度と人々の意識のレヴェルで探ろうとするひとつの試みである。
臨床的有効性としてではなく文化理論における試みとして女性性と願望充足、男性性と断念を結びつけることで見えてくるフロイト宗教理論の批評的根拠。
現代思想家を総動員し、啓蒙主義の二項対置的思考の全面的な批判考察のうえに、女性性の再定義をめざす理論構築に挑戦。
世界中で職場での従属的地位に異議申したてする女たち。浮かびあがる女性労働の国際的普編性。