少女だけでなく、大人の読者も魅了してやまない三人の少女小説作家。栄光に包まれた彼女たちの道のりは、決して平坦なものではなかった。彼女たちが闘ったジェンダーの壁を、その作品と生涯から読み解く。
なかなか進まない男性の家事・育児参加。男性稼ぎ手社会を壊すことは男性の生きづらさも解消する。ジェンダー平等に向けた本気の働き方・暮らし方改革を!
社会は絶えず変化しているにもかかわらず、日本のジェンダー格差は、世界的にみていまだ大きい。本書はその原因である「男女」についての思いこみ、すなわち「ジェンダー・ステレオタイプ」について、社会心理学の様々な領域からアプローチする。それはどのようにつくられ、人々の心の中でどのように働くのか。ジェンダー・ステレオタイプの変容に向けて、私たちに何ができるのかを考える。
なぜ車輪の発明からスーツケースにキャスターがつくまで5000年も要したのかーこれは名だたる経済学者・思想家も思案してきた謎だ。「男性はかばんを自力で持つべき」「女性の長距離移動は制限されるべき」こうした社会のジェンダー感に変化が起きた時、スーツケースは転がり始めた。男らしさ・女らしさに関する支配的な通説がどうして、今からすれば「単純な」発明を妨害できるほど強固だったのだろう。いったいどうして、お金を稼ごうとする市場の欲望より頑固だったのだろう。そしてこんな乱暴な考えが、業界を世界規模で変えるであろう製品の可能性を見失わせるのはなぜなのか?このような疑問が、本書の核である。私たちは、ジェンダーの観点からイノベーションについて考えることに慣れていないのだ。
「おかしさ」に気づき、声をあげるための基礎知識。「家」意識のルーツをたぐり、日本国憲法を道しるべに、これからのジェンダー平等社会の「あたりまえ」を探る。
日本仏教、その未来を考える。仏教界に今なお根強く残る性差別の実態に、国内外の研究者と現場の僧侶たちが鋭く迫る。多文化共生が求められる現代社会に、ジェンダーの視点から日本仏教の未来を問う革新的な1冊。
「民主主義」という言葉は、ノルウェーでは日本以上に特別な意味をもつ。年配の男性議員ばかりの国会は、ノルウェーでは民主的とはいえない。多様な背景をもつ人々が集まる国会こそが、ノルウェー国民の全体を反映する「鏡」となる。
尊厳を踏みにじられた他者をケアして連帯する一方、感情の激発や煽動が危惧されもする昨今、「共感」は時代を理解するキーワードとなった。しかし、この感性は現代に始まったのではなく、一八世紀の「感受性」文化にその萌芽を宿していたーロマン主義文学、道徳哲学、ジェンダーをめぐる言説を通して、「共感」の可能性から、その矛盾と限界までを探る!
パーソナル イズ ポリティカル!自分の中の「なんで?」から始めて、その問いに潜む社会の特性を考える。個人的なことが社会的なことにつながる、その面白みを味わいながら、歴史や比較といった社会学の射程の広さ、アプローチの多様性を体感できる、ユニークな一冊。
日本の民間説話や絵画に現れる妖怪や怪異現象は、病気や身体への侵襲など、さまざまな形で私たちを襲ってくる「敵」として描かれたものが数多くある。歴史的に「弱いもの」とみなされがちだった女性のからだ、痛みや苦しみをうける人々の姿を巡る、民俗学とジェンダーから読み解く画期的身体論。
人間の脳や心の複雑さは、女/男という二つの枠ではとらえきれない。わたしたちの脳はみな、様々な特徴の入り混じる“モザイク”なのだー気鋭の神経科学者が、性別とジェンダーに対する固定観念を打ち砕く。
手仕事をめぐる言説に隠されたジェンダー構造を明らかにする画期的研究。人々の関心を集めながらも、社会の傍流へ追いやられる手仕事がある。そんな「やりがいのあるものづくり」が奨励されるとき、その言説にはジェンダーの問題が潜んでいるのではないか。学校での家庭科、戦時下における針仕事の動員、戦後の手芸ブーム、伝統工芸における女性職人、刑務所での工芸品作りなど、趣味以上・労働未満の創作活動を支えている、フェミナイズ(女性化)する言説を探る。
BL論を研究し、映画、アート、クィア領域研究倫理などについて執筆してきた著者と、映画、ドラマ、漫画、現代アート…様々な「ビジュアル」作品をジェンダーの視点で読みとく!
1990年から2022年11月までに日本国内で刊行された、家庭、社会、女性・婦人、ジェンダーに関する参考図書を網羅。年表、事典、辞典、名簿・人名事典、ハンドブック、法令集、年鑑・白書など2,373点を収録。様々な角度から検索できるよう、書名、著編者名、事項名の索引を完備。