羌という遊牧の民の幼い集団が殺戮をのがれて生きのびた。年かさの少年は炎の中で、父と一族の復讐をちかう。商王を殺すー。それはこの時代、だれひとり思念にさえうかばぬ企てであった。少年の名は「望」、のちに商王朝を廃滅にみちびいた男である。中国古代にあって不滅の光芒をはなつこの人物を描きだす歴史叙事詩の傑作。
自分が生と死の境目に立っていようとも、人は恋をする。人を愛することで初めて生じる恐怖、“聖なる残酷”を描いた傑作短篇集。
証拠はすべて少年の有罪を指している。だが、サックス巡査だけは彼の無実を確信していた。こよなく昆虫を愛する少年が人を殺すはずがない!リンカーン・ライムシリーズ最新刊。
妻の浮気が先か?それとも僕の失職が原因か?錯綜する人間関係を軽妙なタッチで描いた著者初の長篇小説。
清張ファンを自認する宮部みゆきが巨匠の傑作短篇を選びに選び、全てに解説を付けた。上巻はミステリ・デビュー作「恐喝者」の他、宮部いち押しの名作「一年半待て」「地方紙を買う女」「理外の理」や、「或る『小倉日記』伝」「削除の復元」の鴎外もの、斬新なアイデアで書かれた「捜査圏外の条件」、画壇の裏面を描く「真贋の森」等を収録。
日産TEANAスペシャル・サイト発信。8人の短篇の名手が書き下ろした、8つの愛の情景。
東京の大手広告代理店の営業部副部長・辰村祐介は子供のころ大阪で育ち、明子、勝哉という二人の幼馴染がいた。この三人の間には、決して人には言えない、ある秘密があった。それは…。月日は流れ、三人は連絡をとりあうこともなく、別々の人生を歩んできた。しかし、今になって明子のもとに何者からか、あの秘密をもとにした脅迫状が届く!いったい誰の仕業なのか?離ればなれになった3人が25年前の「秘密」に操られ、吸い寄せられるように、運命の渦に巻き込まれるー。著者が知悉する広告業界の内幕を描きつつ展開する待望の最新長編ミステリー。
消費税二桁化、団塊世代の大量定年、学力衰退、500万人のフリーター、年金崩壊、熟年離婚ラッシュ。『日本の論点』編集部が豊富なデータを駆使し、47項目の社会問題を取り上げ、その未来を簡潔にやさしく解説。
冷酷無比の殺人者“ゴースト”は狡猾な罠をしかけ、密航者たちのみならずライムの仲間の命をも狙う。愛する者たちを守るには、やつに立ち向かうしかない。真摯に敵を追う中国人刑事ソニーの協力も得、ライムはついにゴーストの残した微細証拠物件を発見するー見えざる霧のような殺人者は何者なのか?大人気シリーズ第4弾。
ラブホテルの外観はなぜ派手なのか?回転ベッドはなぜ回るか?日本人の性意識と日本の住宅事情に密着しながら目まぐるしい進化を遂げたラブホテル。現役女子大学院生による本格研究。
遠藤慶太は29歳。大航ツーリストの企画課から成田空港支所に「飛ばされて」きた。遠藤は「ぜったいあぽやんにはならないぞ、本社に返り咲くぞ」と心に誓うがー。再入国許可のない日系ブラジル人少女をめぐる駆け引き、絶対に出発しようとしない老婦人の秘密、予約が消えて旅立てない新婚夫婦をどうするか?空港で起こる旅券やチケットのトラブルを解決し、旅客を笑顔で送り出す「あぽやん」たちのカウンター越しの活躍を描く。
ニューヨークの音楽学校で殺人事件が発生、犯人は人質を取ってホールに立てこもる。警官隊が出入り口を封鎖するなか、ホールから銃声が。しかし、ドアを破って踏み込むと、犯人も人質も消えていた…。ライムとサックスは、犯人にマジックの修業経験があることを察知して、イリュージョニスト見習いの女性に協力を要請する。
女は待ち、男は孤独を知る。清和、陽成、宇多天皇、いつの時代も女に生まれれば同じこと。平安王朝にまつわる男女の尽きせぬ狂おしい想い。
20代で米国ハーバード経営大学院を成績上位5%で卒業した著者が、留学中の世界のビジネスエリート達との交友を通じ、金融資本主義の支配者層がなにを考え、どう行動するのかをリアルに分析する。ファンドマネーが世界を席巻している時期に、金融資本主義の将来に疑問を提起していた著者の洞察力は見事の一語に尽きる。
まさかの結婚から、よもやのご懐妊…40歳で母になります〜!妊婦・伊藤理佐が見たおんなの赤っ恥な日常をお届けします。
渋谷でのあの事件から3年。チームを解散し、別の道を歩み始めていたアキとカオル。ところがある日、カオルは級友の慎一郎が見に行ったイベントの話を聞いて愕然とする。それはファイトパーティーを模したもので、あろうことか主催者は“雅”の名を騙っていたのだ。自分たちの過去が暴かれることを恐れ、カオルはアキに接触するがー。
人の心を打つ名文を書くには、名文を盗むことから始めよう。当代随一の名文家が、小林秀雄からスティーヴン・キング、落語、六法全書まで、秘密のネタ帳から古今東西の「名文」を絶妙に引用して綴る人生の四季。名文の芳香に浸る至福のひととき。
どうして日本では、景気が悪い状態が続いているの?将来、消費税はいくらまで上がることになるの?将来、国の年金は本当にもらえるの?どうして国の借金は増え続けているの?日本の借金は、先進国で「最悪」の水準らしいけど、国の借金は大丈夫なの?誰もが知りたかった日本経済の疑問を完全解説。
飲料メーカーの宣伝部課長だった堀江の元同僚で親友の柿島が、夜の街中で集団暴行を受け死んだ。柿島の死に納得がいかない堀江は詳細を調べるうち、事件そのものに疑問を覚える。これは単なる“オヤジ狩り”ではなく、背景には柿島が最後に在籍した流通業界が絡んでいるのではないかー。著者最後の長篇。