本巻には、「貧しき人々の群」ほか11編の小説を収録。
ナンパ代行業をしている陽は、カタギには見えない男にナンパされた。実はその男、元ヤクザの倉橋観光の社長で、陽が慕っている老夫婦の住んでいる土地を狙っているという。陽はその社長、倉橋龍昇に怒鳴りこむが、「お前が一晩俺のものになるなら五千万の土地はあきらめてやる」という条件を出されて。
詩情と感性の作家佐藤春夫の広汎な作品を集大成。詩に、小説に、評論に、多才を発揮し、常に文壇の先駆者として新生面を切り拓いた文豪、佐藤春夫。その活動の軌跡を余すところなく伝える決定版全集。本全集で初めて書簡を収録するほか、詳細な人名索引を付し、作家の生涯と作品を再現する。
現代栄養学や、さまざまな食事法の問題点を明らかにし、全く新しい食事法を打ちたてた画期的労作!健康になりたい人も、ダイエット中の人も必読。
不登校を2時間でなおす、これが名古屋の奇跡のおばちゃん。「キレイごと」では救えない、深刻な「非行」や「引きこもり」を、体当たりで続々解決!子育てのパワーが湧いてくる、痛快なホンネの教育論。
なかなか墓地にたどり着けない霊柩車“死体”に翻弄される墓堀人たち。フランスのさびれた小さな田舎町、サン・ジャン。平穏きわまりない日々が続く町では、誰もが天寿をまっとうする。次に死ぬべき最高齢の老婆もまだピンピンしている。おかげで葬儀屋“エドモン・ガングリオン&サン”の商売は、まさに瀕死の重症。ある日、とうとう死者がでた。久しぶりの葬儀がとりおこなわれ、従業員のジョルジュとモロは、霊柩車で墓地へと死体を運ぶ。ところが、行けども行けども墓地へはたどり着けない。遺族の車ともはぐれてしまい、海岸で夜を明かす二人。翌朝、疲労のため居眠り運転の霊柩車は、あやうく溝にはまりそうになり、棺から死体が投げ出される。その鼻からは血が一筋…。そんなことって?二人は事態を収拾できるのか。
この子どものことは、忘れたくない。子どもの死をそう簡単に忘れられるものではない。せっかく元気に生まれようと、あの日まで努力していた子どもに対して、なにもしてやれなかったのだ。二人目の子どもを妊娠しても、悲しみは消えなかった。前と同じくり返しが、かえって悲しみを深くした。そして、臨月が近づいてきた時、言い難い不安を持った。今度の子も産まれて来ない、この子も死んでしまうという不安だった。理由などないが、それは確信に近いものだった。帝王切開の結果、子どもが産ぶ声をあげた瞬間、私は泣いた。なぜ、泣いたのだろう。うれしいのか、悲しいのか、わからなかった。涙が後から後から流れてきて、とまらなかった。男の子だろうと、女の子だろうと、どちらでもよかった。私の子育ては、ここから始まった。二年後、三人目の女の子を帝王切開で無事出産した。本書は私の子育ての記録である。
25歳で上京した百合子の「陰部の大きいのは、度々弄ったり交接をしているうちに、はっきり判って来た。尤も、弄られていて、いつも粘液を沢山分泌していた。陰部の肌ざわりは柔かく、内面もなめらかであった。陰毛は僅かしか生えていなかった。陰阜はふっくりして、手触りがよかった。」-性に無知な女が男と接しながら性的に成長する様子をつぶさに綴った記録。
米軍・新鋭駆逐艦との激戦に勝利した伊号第四〇〇潜水艦。ついに新鋭艦・伊号第四〇一潜水艦を加えた第一〇一潜水隊が創設される。潜水隊最初の任務は、ガダルカナル島撤退作戦の支援だった!戦局の悪化による撤退支援のため、二隻の潜水空母が“囮”となり、連合国側を攪乱するという作戦。勇躍、第一〇一潜水隊は出撃するが、新たに着任した司令との反目、未熟な四〇一潜の操艦により、予想不可能な事態が発生する!さらに米軍の潜水艦隊が、太平洋の暗き深海で待ち受けていた!潜水隊の深海での激烈な闘いを描く、絶賛シリーズ、書下ろし第三弾。
天下一の賞金首・地獄極楽丸&美貌の鉄砲撃ち・お百合ここに見参!!お宝探しの旅を続ける極楽丸は、黄金の龍が出没するとの噂を聞きつけ、恋人のお百合と専属刀鍛治の砥ぎ蔵とともに長崎は出島へと向かった。そこでは、宿敵服部半蔵と綾音、突如として海上に現れた黄金龍と倒幕を企む強力な式を操る陰陽師らが、極楽丸たちを待ち受けていた。さらに、全ての鍵を握る謎の遊女・ヒミカと黄金王が、極楽丸を千年の時を超えた因縁へと導く!!映画監督・林海象が、監督作品『ジパング』の続編として手掛け話題となったアクション・ゲームを、完全ノベライズ。
キャッシュ・フロー計算書が、近年、証券市場に対して提供される財務諸表の体系に組み込まれるようになった。それは、キャッシュ・フロー情報が証券投資者の意思決定に有用であるという情報的視点からである。本書のねらいは、キャッシュ・フロー情報の有用性を検証することにある。そのために、まず概念的・歴史的な観点から検討し、アメリカおよびイギリスにおいて展開された実証研究をサーベイしている。その上で、本書の主たる課題であるキャッシュ・フロー情報に関連する実証的な分析結果を提示してその有用性を検証している。さらには、近年のキャッシュ・フロー計算書会計基準の国際的調和の動向を概観し、キャッシュ・フロー情報にもとづく国際比較分析を行っている。
駅からキャンパスまでの通学途上にあるミステリの始祖に関係した名前の喫茶店で、毎週土曜二時から例会ー謎かけ風のポスターに導かれて浪速大学ミステリ研究会の一員となった吉野桜子。三者三様の個性を誇る先輩たちとの出会い、新刊の品定めや読書会をする例会、合宿、関ミス連、遺言捜し…多事多端なキャンパスライフを謳歌する桜子が語り手を務める、文庫オリジナル作品集。