九州高速道路パーキングエリアに始まるバラバラ死体遺棄事件。交友関係のもつれによる事件の経緯を私は「黒髪殺人事件」として書こうとしていたが、その企画は打ち切りとなってしまった。しばらくして届いた亡き友の講義録「黒髪考」をひもとくうちにー。ブッキッシュな作品「黒髪」を含む初期傑作短編集。
石畳の街で、ひたすら「学びかた」を学ぶ。けっして知的エリートではない40代のひとりの画家が、アカデミズムの頂点のような場所で、「自分とは何か?」を問い直しながら、学ぶことの至福と意味を感じ続けた日々。
本巻は、一九一四年から一九一六年、百合子十五歳から十七歳のときに書かれた習作六編と、習作期の感想・小品五十四編(詩・短歌五編、戯曲一編を含む)が収めた。
どうして僕は生まれてきたの?「ゾウたちの楽園はタコ坊とおふくろにまかせたからな」“日本初の少年ゾウ使い”の夢をかなえ、逝った少年の短い生涯を母が綴る。小学生から読めるふりがなつき。
「自分が死んでも、水野理瀬が半年以上ここに住まない限り家は処分してはならない」亡き祖母の奇妙な遺言に従い、「魔女の館」と噂される洋館に、理瀬は、やってきた…。華麗なる恩田ミステリー。
「男性中心、上からの開発政策」から「女性による下からの開発」へ。「階級」と「ジェンダー」の二重の差別に苦しんできた女性に、「労働者」としての自分を発見させ、女性の主体化をうながした自営女性協会「SEWA」。そこでのフィールドワークから見えてくる女性のエンパワメントとその葛藤。
動物好きのぽややんな高校生・心は、ある月夜の晩、美しい銀狼と出会う。狼は呆然とする心の唇を奪いー次の瞬間、ハンサムな若い男に変身しちゃったのだ…!?キスすると変身するその狼男・銀二は、自由気儘な便利屋さん。なりゆきで手伝うハメになった心だけど、変身する度に何度もキスを迫られて!?どんどん過激になるキスに、心はドキドキ、食べられちゃいそう…。おまけに妙な事件に巻き込まれて、大ピンチ!?Hもがっつりな書き下ろし。
花は朽ちてしまうはかなさがあるからこそ美しい。花と向き合うときに大切なのは明確なビジョンをもってデフォルメした景色を作ること。保坂桂一の花は、1本1本が女優であり、与えられた空間で自らの最高の美を演じる。天性のおもむくままに花生けする彼が描き続けるらしさ・らしく・らしいのある花百景とは-。