Sarah Banet-Weiser, 2018, Empowered: Popular Feminism and Popular Misogyny, Duke University Pressの翻訳です。
キンバリー・クレンショーらが提唱し、いまや多くの社会運動のなかで注目されている概念「インターセクショナリティ」。
本書では、インターセクショナリティの視点から、これからのフェミニズムがどのように新たな社会構造の変化を求めていくべきか、さまざまな反差別の実践を題材に考えていく。
※価格は予価です。
「救い」は仏様でなくフェミニズムがくれた
「お寺のおくさん」は献身して当たり前? お坊さんと結婚して飛び込んだ仏教界は違和感だらけ。モヤモヤの日々に救いをくれたのは仏様よりもフェミニズムだった。日本のお寺の持続可能性を問いかける当事者エッセイ。
推薦:深沢潮さん(作家)
初めて眼鏡をかけたとき、視界がはっきりとして、世界が明るくなった。
一方、影にも気づくようになった。
フェミニズムは眼鏡のようなものだと思う。
自尊心を回復させてくれて、心が晴れ晴れとすると同時に、
理不尽な構造を知り、苦しくなる。
「寺族」という言葉を知らなかった。なんという男性都合のシステムか。
足元からお寺の矛盾を見つめ直す森山りんこさんとともに、苦しさを越えて
前へ進んでいこう!
1章 私が「お寺のおくさん」になるまで
Before 寺/「結婚」が始まる/二人の、ではなく寺の結婚式/何を着たものか……/信仰心は誰のもの?/お寺での日常/自分の職業がわからない/心のバランスが崩れてしまった/お寺の運営講座を受けてみた
2章 「私」に帰る
モヤモヤの正体/家のふりをした宗教組織/私が失っていたもの/「お寺のおくさん」 への日々/二度目のグリーフケア/前進/お寺のブログ/語学で広がった世界/「ただの私」になると決めた
3章 フェミニズムが教えてくれたこと
ジェンダーギャップ指数なるものを知ってしまった/フェミニズムと私/答え合わせ/母のこと/寺での子育て/「お母さんの請求書」/妻は無能力者?/妻たちをこれ以上利用するな
特別対談 仏教界のジェンダー平等とお寺のこれから 西永亜紀子 × 森山りんこ
ないものとされてきた存在を可視化する、
部落女性9人による実践と思想。
婦人水平社100年の姉妹たちの歴史、レイシズムとしての部落差別、識字文集、聞き取り、自立生活運動、フェミニスト・カウンセリング、部落解放運動、在日朝鮮人運動、障害者運動、反差別運動、むらの「食」の記憶、地域・コミュニティ……
被差別部落をルーツに持つ女性たちが、それぞれの研究や活動現場から「部落」を語り直す、これまでになかったフェミニズムの書。
編者まえがき
第1章 部落女性の「不可視化」とフェミニズム──レイシズムとしての無関心 /藤岡美恵子
第2章 祖母、母、わたしと婦人水平社の姉妹たち/宮前千雅子
第3章 私から、われわれ、そして私へとつながる物語/福岡ともみ
第4章 私が生きのびるための思想・生活・運動/石地かおる(聞き手:のぴこ+川崎那恵)
第5章 私たちはここにいる/のぴこ
第6章 「食」の記憶に浮かびあがる部落女性たち──ある皮なめしのムラの聞き取りから/瀬戸徐映里奈
第7章 地域・コミュニティにとって「当事者」とは誰か?/坂東希
第8章 私たちが部落を語るために──部落に生きる者たちの系譜/川崎那恵
第9章 不可視化への歴史的抵抗、主体と権利の奪還/熊本理抄
あとがきにかえた謝辞
◎ヘルスケアを改善しようと試みたアメリカの看護師たちの歴史をフェミニズムの視点から紐解く
◎「ヘルスケアが国の重大事であるのなら,国は,病院やその他の場所で看護ケアを提供している女性たちの地位について関心を持つようにならなければならない」
◎「ヘルスケアを改善しようと試みた女性たち,すなわち看護師たちが直面した困難が公的に認識されることで,どのようにしてパターナリズムが,道徳的に弁解の余地がなく,社会的に損害をもたらし,深刻かつ組織的な不正を女性たちにもたらしてきたかということについての理解が深まる」(著者によるまえがきより)
第1章 学校としての病院
第2章 徒弟制度というビジネス
第3章 看護学生は学生なのか? それとも労働者なのか?
第4章 病人のための家政婦
第5章 病院家族のなかの性差別
第6章 行動と反応
第7章 看護とヘルスケア
多くの女性にとって、生きることは働くことでもあった。戦間期における女性労働の多様化は女性たちの中に分化と序列を生んだ一方で、その立場の脆弱性を浮き彫りにした。女性たちはこの状況にどう向き合ったのか。「文学」「運動」「研究」の分野で活躍した7名の女性と「無名」の女性労働者たちに光をあて、労働が媒介した女性同士の連帯の一端を明らかにする。
フェミニズムの大きな潮流を捉える
「いかなる社会や集団においても、あらかじめ定められたモデルなどは存在せず、女性の解放を訴える声は複数ある。その道のりは、一度きりの出来事で決まるようなものではない」(「日本語版まえがき」より)。
本書は、フェミニズムの歴史を世界規模で捉え、その多様性と発展を探究する。フランス革命期から現代に至るまでを三つの時代に分け、結婚、教育、参政権、生殖の自己決定権などのテーマを中心に、フェミニズム運動の進展とその背景を分析する。また、国際的な連帯や植民地主義などとの関係を描き、ブラック・フェミニズムやラディカル・フェミニズムの台頭も取り上げる。特にフランスにおいては、フェミニズムが国家形成や市民社会との関わりを深め、独自の歴史を築いてきた経緯を詳述する。
フェミニズム史を包括的に理解するための一冊。
[目次]
日本語版まえがき
序章 グローバルなアプローチ
第一章 男女平等の主張と女性の解放(一七八九年〜一八六〇年)
1 人権(男性の権利)と女性の権利
-アメリカおよびフランスの革命の潮流
2 フェミニズムと初期社会主義
3 改革派フェミニズム
第二章 国際化の時代(一八六〇年〜一九四五年)
1 ナショナルおよび国境横断的な集合的ダイナミズム
2 平等のための闘い
3 新しい女性たちと解放
第三章 男女平等と女性解放のために(一九四五年〜二〇二〇年)
1 改革派フェミニズムの連続性
2 フェミニズム運動のラディカルな刷新(一九六〇年〜一九八〇年)
3 フェミニズムの拡散と多様化(一九八〇年〜二〇二〇年)
結論
謝辞
訳者あとがき
参考文献
“生きづらさ”と向き合う 「現代女性文学」を読み解く
ジェンダーの非対称性、承認されないセクシュアリティの孤独、経済的格差の深刻化
による対立や分断など、わたしたちは多くの“生きづらさ”に直面している。
「女性作家」たちは、その作品世界から、〈いま〉を生き抜く道を探る。
笙野頼子・川上未映子・小川洋子・角田光代・金原ひとみ・江國香織・
松浦理英子・群ようこ・中島京子・若竹千佐子・谷崎由依・須賀敦子・柳美里・
高山羽根子・高木佳子・美智子皇后・永井愛・村夏子・森崎和江・多和田葉子・女性短歌・女性詩
1 ────越境・攪乱するジェンダー/セクシュアリティ
2────変容する家族とケアの倫理
3────紡がれる記憶/記憶の継承
4────短歌・演劇表現から探る現代
2015年国際女性デー、中国で痴漢反対のステッカーを配布しようとし、逮捕された5人の女性がいた。なぜ独裁者は、武器を持たない彼女たちを恐れたのか?独裁者(習近平)が指導する家父長制的権威主義国家は、性暴力をゆるし、女性たちを「産む機械」に貶め、その自由を奪ってきた。逮捕、勾留、脅迫、検閲、暴力。政府による抑圧が強まるなか、フェミニストはどのように声をあげ、行動したのか。その声はやがて、政治的表明を避けていた女性たちをも動かしてゆき…。独裁者も恐れた、フェミニストたちの姿を追う。
誰もがインフルエンサーになれる時代。
「バズ」で社会はどう変わる?
ビヨンセと人種差別、映画『バービー』と資本主義ーー
SNS上で巻き起こる議論を分析!
現代のカルチャーの成り立ちや変化、そこに紐づく社会への問題意識に光をあてる!
アーティスト、経営者のSKY-HIとの対談を豪華収録!!
「Forbes JAPAN 30 UNDER 30」を受賞、『世界と私のAtoZ』の著者による『群像』の人気連載エッセイを書籍化!
〜〜 目次 〜〜
はじめに
第1章 サードプレイスの消滅
第2章 アルゴスピークという抵抗
第3章 Girlhoodの再定義
第4章 学生デモとパレスチナ
第5章 ビヨンセとカントリー音楽
第6章 映画『バービー』がもたらしたもの
第7章 Tradwifeブームとフェミニズム
第8章 「Girl」トレンドの変遷
第9章 「Fast Car」が愛され続ける理由
特別対談 竹田ダニエル × SKY-HI 議論自体が自己肯定感につながる
おわりに
「女性ならではのリーダーシップ」……って、なんですか?
あなたを「解放への旅」に誘う、リーダーシップ開発のあたらしい教科書!
「女性らしい」思いやりや協調性への期待、多くの試練に直面する迷宮のようなキャリア……女性が歩むリーダーシップへの「旅」には、今なおさまざまな困難や偏見がつきまとう。
それらをもたらす抑圧的な社会構造とはどのようなものか。抑圧に抗い社会変革に向かうための「解放のサイクル」とは?
インターセクショナリティ、批判的意識、大学生の成長理論を基盤に、フェミニズムをはじめとする知見とリーダーシップ研究を接続し考察。多様なアイデンティティをもつ学生たちのナラティブを取り込みながら、あらゆる人にとってより公正で公平なリーダーシップを実現していく方法を、読者と一緒に考える。
例えば、女性の方が思いやりがある、世話好き、聴き上手……といった褒め言葉のようなもの。[…]その言葉の裏側を読んでみてください。そんなありがちな褒め言葉は、組織や集団において女性に無償の感情労働をさせているのです。またそれらは、ジェンダーとリーダーシップについて二元論的な考え方を補強するものです。女性は、思いやりがあり協調的、逆に男性は、もともとアサーティブで決断力があるからリーダーシップを発揮するために存在する、というように。本書の目的は、そういった前提を問い直していくことです。(第1章より)
●著者紹介
ジュリー・E・オーウェン(Julie E. Owen)
ジョージメイソン大学人文社会科学部統合的・実践的研究学環准教授。リーダーシップ・アイデンティティ発達と女性の成人発達、解放的リーダーシップ教育を実践、研究。女性とジェンダーや高等教育研究の教鞭も執り、公正なリーダーシップを実現しうる社会変革、アイデンティティと社会的権力が日常の実践に与える影響について声を上げ続ける。
●訳者紹介
和栗百恵
福岡女子大学国際文理学部・准教授。修士(教育学)。
スタンフォード大学大学院教育学研究科修了。国際開発協力の仕事を経て、大学で学生・社会人向けの体験的学習の実践と研究を重ね、リーダーシップ開発教育に出逢う。
泉谷道子
創価大学経営学部・准教授。愛媛大学留学生就職促進プログラム推進室・副室長。博士(心理学)。
河井 亨
立命館大学スポーツ健康科学部・准教授。博士(教育学)。
【2025/3/22 朝日新聞(著者に会いたい)田中東子氏インタビュー掲載!!】
わたしたちの消費は「正しい」のだろうか
金銭と時間の投資、心身の過剰な労働、性的消費との葛藤…、わたしたちと「推している」対象のあいだにはさまざまな問題が浮かびあがってくる。しかし、その活動に喜びが見出されることは間違いない。喜びと苦しさとが入り混じるその実践をすくい取りながら、「推し活」社会の現在地を描きだす。「推し活」論の決定版!
エンターテインメントをめぐるモヤモヤを考えるための補助線となる書。
ジェンダーアイデンティティとは何か
混迷をきわめるジェンダー問題を分析し、 平等な社会のための現実的な解決策を提示する
多様な「性」を尊重する社会づくりが世界的に進むなかで、それに合わせた法制度などが整備されつつある。その一方で、複雑化した「ジェンダー概念」への理解が追いつかず、社会的混乱を来してもいる。本書では、生物学的性別よりもジェンダーを優先する、いわゆる「ジェンダーアイデンティティ理論」が生まれた思想的背景を、ボーヴォワール、ジュディス・バトラーなどを振り返りながら丁寧に説明し、「ジェンダーアイデンティティ」とは何かを明らかにする。さらに、女性専用スペース、医療、政治、データ収集など、さまざまな文脈において生物学的性別の重要性を提示することを通して、「誰もが生きやすい社会」の実現に向けた現実的な解決を試みる。
< 可能的自他関係における自己実現の倫理>を問う書
ケア倫理、フェミニズムの立場、それを批判しきれずにいる従来の議論を乗り越え、見逃されてきた主体を顕在化させることで「新しい死生の術」をここに再構築する!
小泉義之立命館大学名誉教授による推薦文
医療・ケアの場で、新しい死生術、すなわち、「人生の最終段階」における「人生の物語り」によるACP・共同意思決定がなされている。IC・自己決定の限界を超えて、生/死をめぐる倫理は変遷してきた。そこにケア倫理やフェミニズムも関与し、関係性や親密性としての(拡張)家族が顕在化してきた。その次第を批判的に検討し、多くの人間によって現に生きられ/死なれる倫理を、「つながっていない」者さえも生きる/死ぬ倫理を、分析して構成する初めての書である。
『ハーパーズ バザー』10月号【通常版】のカバーを飾るのはFashion特集よりモデルです。
カバーが異なる【特別版】も同時発売します。
※カバー以外の中面はすべて同じです。
【10月号の主なコンテンツ】
■SPREAD YOUR WINGS パリにて、きらめきのラプソディ
6月に発表されたミキモトの新作ハイジュエリーコレクション「The Bows」。
Number_iの神宮寺勇太がまとう唯一無二のマスターピースが、パリの夏空と共鳴し、華やかに輝く。
■ANATOMY OF DAILY WEAR デイリーウエア解体新書
時代のムードとともに常連となったデイリーウエア。
毎シーズン、デザイナーたちの斬新なアイデアやメゾンのクラフトマンシップによって進化を遂げている。
この秋冬に注目すべきデイリーウエアの最新形を解剖する。
■READ MORE BOOKS! 読書には無限の可能性がある
本、読んでいますか?
SNSやニュースサイトをはじめ、求めていなくても目に入ってくる情報を消化するだけで精いっぱい、
日々のルーティーンに読書を加えることは至難の業…、そんな人も多いのでは?
話題の『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』の著者をはじめ、
識者の読書術から夢中になれるガイドブックまで、久しぶりに本を手に取りたくなる特集をお届け。
■INDIVIDUALITY OF MY BODY 身体から生まれる創造性を信じて
女性の身体が豊穣や美と神聖の象徴とされていた古代に始まり、
宗教や道徳的規範から身体そのものが“罪”となり、覆い隠すことが求められてきた歴史を経て、
女性たちはどのような表現をしてきたのか。
政治や社会情勢、家父長制に大きく翻弄されながらも、草の根的に続いてきたフェミニズム運動とともに、
女性の身体は自己表現や政治的主張の手段としての地位を、苦戦のなかで獲得してきた。
ヴァージニア・ウルフ、ジェイン・オースティン、ルイーズ・ブルジョワ、オノ・ヨーコ…。
今日まで残り続けてきた作品は、私たちを鼓舞してくれる。
彼女たちに続く文学作品や映画、アートなど、現在進行形の作品から、身体性と内面が生み出すクリエイティビティの今を探る。
『ハーパーズ バザー』10月号【特別版】のカバーを飾るのはNumber_iの神宮寺勇太さん。
カバーが異なる【通常版】も同時発売します。
※カバー以外の中面はすべて同じです。
【10月号の主なコンテンツ】
■SPREAD YOUR WINGS パリにて、きらめきのラプソディ
6月に発表されたミキモトの新作ハイジュエリーコレクション「The Bows」。
Number_iの神宮寺勇太がまとう唯一無二のマスターピースが、パリの夏空と共鳴し、華やかに輝く。
■ANATOMY OF DAILY WEAR デイリーウエア解体新書
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本、読んでいますか?
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話題の『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』の著者をはじめ、
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女性の身体が豊穣や美と神聖の象徴とされていた古代に始まり、
宗教や道徳的規範から身体そのものが“罪”となり、覆い隠すことが求められてきた歴史を経て、
女性たちはどのような表現をしてきたのか。
政治や社会情勢、家父長制に大きく翻弄されながらも、草の根的に続いてきたフェミニズム運動とともに、
女性の身体は自己表現や政治的主張の手段としての地位を、苦戦のなかで獲得してきた。
ヴァージニア・ウルフ、ジェイン・オースティン、ルイーズ・ブルジョワ、オノ・ヨーコ…。
今日まで残り続けてきた作品は、私たちを鼓舞してくれる。
彼女たちに続く文学作品や映画、アートなど、現在進行形の作品から、身体性と内面が生み出すクリエイティビティの今を探る。
フェミニズムは何と格闘し,何を獲得してきたのか。資本主義が変容した社会で今起きている新たな課題とは。労働と再生産,家父長制,ケア,国家と女性の権利などの論点を現代的視点で再考し,次の理論形成へ向けて,第一線の研究者が集結。渾身のメッセージ。
序 章 今フェミニズムは何を議論するべきなのか──グローバリズムとネオリベラリズムを超えて(江原由美子)
第1章 再生産費用の分配公正を求めて──家父長制と資本制・その後(上野千鶴子)
第2章 グローバル資本主義と再生産領域の金融化──「フェミニズムの相貌を気取る新自由主義」を異化するフェミニズムを(足立眞理子)
第3章 資本主義批判としてのフェミニズム──マルクス主義フェミニズムを振り返る(伊田久美子)
第4章 生産中心主義批判から,リベラリズムとの対抗へ──第二波フェミニズム理論はいかに継承されてきたか(岡野八代)
第5章 「男性稼ぎ主」型が命と暮らしを毀損している──社会政策の比較ジェンダー分析による洞察(大沢真理)
第6章 ケアの再公共化とフェミニズムの政治──福祉国家・ケア・新自由主義(山根純佳)
第7章 女性の貧困の再考察──長期時系列データから(阿部彩)
第8章 女性労働のゆくえ──能力発揮をフェミニズムはどのようにとらえるか(金井郁)
第9章 フェミニズムと戦争・軍隊──21世紀の新たな難問(佐藤文香・児玉谷レミ)
第10章 フェミニズムの新自由主義化に抗う──女性解放の現代的課題(三浦まり)
中国に女権主義(フェミニズム)ブームがやってきた。「なぜこの社会は不公正で不条理なのか」。自らの境遇に不満を募らせる女性たちの問いに、女権主義が答えを与えたからだ。「天の半分を支える」といわれてきた中国の女性だが、建国以来、中国共産党最高指導部にその姿はない。改革開放政策は男女格差を広げ、出産や結婚から女性は遠ざかる。女性への暴力や人身売買の報道もあとを絶たない。女権主義を手に入れた女性たちに対し、政権は神経をとがらせる。MeToo運動の最中に現地取材をした中国特派員が見た、抵抗と弾圧の最前線。
階級、ジェンダー、セクシュアリティなどの視座から、女性文学の多様な側面に切り込む。
宮本百合子を中心に、大塚楠緒子、野上彌生子、平塚らいてう、岡本かの子、林芙
美子、石牟礼道子、向田邦子、角田光代らの作品を幅広く取り上げ、一世紀にわたる
女性文学の内実を解き明かす、フェミニズム批評の実践。
1
一フェミニズム批評
女と言説/フェミニズム批評の有効性/フェミ
ニズム批評・ジェンダー批評・ケアの倫理/女
性文学史の新たな構築をめざして
2
二宮本百合子とセクシュアリティ
百合子とセクシュアリティ/『伸子』の素子/
『乳房』/ 鼎談 愛と生存のかたち
三宮本百合子と反戦・平和
『杉垣』にみる反戦表現/『築地河岸』『二
人いるとき』/『鏡の中の月』『雪の後』『播
州平野』をめぐって/占領下の百合子
四宮本百合子の世界と表現方法
百合子と日本女子大学校/『伸子』/『伸
子』にみるスペイン風邪と恋/『未開な風
景』/宮本百合子と佐多稲子
3
五女性表象の変容
女性による樋口一葉論/大塚楠緒子『空
薫』『そら炷 続編』/野上彌生子『噂』
/求愛の表現/戦時下の「母性」幻想/
角田光代『八日目の蟬』にみる母と娘
六フェミニズムとセクシュアリティ
『青鞜』におけるセクシュアリティの政治学へ
の挑戦/平塚らいてうと成瀬仁蔵/平塚
らいてう/田村俊子宛鈴木悦書簡をめ
ぐって/林芙美子『ボルネオダイヤ』『牛肉』
『骨』/林芙美子『晩菊』
七社会とジェンダー
岡本かの子『生々流轉』/石牟礼道子の世
界/三浦綾子『細川ガラシャ夫人』/向田
邦子のまなざし
性差別を撤廃するための知は、他者とともに考え、展開する実践の中で生み出される。では、そのような実践はどうすれば創り出せるのか? カナダのケベック州において、フェミニズム運動の流れを受け継ぎ誕生した2つのコミュニティの記録からは、意識化、実践、ネットワーク、インターセクショナリティがキーワードとして浮かび上がる。差別構造を変革していく実践の学習構造を分析した一冊。