ジェンダー先進国とされるノルウェー。だが、そこに住む女性たちは幸福なのか。ジャーナリストのリン・スタルスベルグが、「先進国」ができるまでの過程を点検し、仕事と家事、両方の負担に押しつぶされそうなノルウェー人女性たちの肉声を拾い集める。「ジェンダーギャップ」を埋めただけでは解決しない、日本もいずれ直面する本質的な課題を浮かび上がらせる渾身のレポート。
明治末から昭和戦前期に活躍した経済・社会政策学者で、大阪商科大学(現大阪市立大学)初代学長を務めた河田嗣郎は、男女同権の立場から、当時主流であった「良妻賢母主義」教育や平塚らいふうの主張する「母性主義」を批判し、女性の自立と母性の保護をともに論じていた。河田が残した膨大な著書・論文・記事を、精査。家族制度論・公民教育論・母性保護論・社会政策論をめぐる性別への視座に注目し、その思想が、現代のジェンダー論につながる先駆性を持っていたことを明らかにする。
長時間労働をやめて家庭生活との両立へ。「男は仕事、女は家庭」の固定観念を脱して、人権尊重の理念に深く根ざした真の男女平等の達成をめざす。
結婚って、超ハッピー?それとも地獄?男の実態、女の言い分を30代女子の人気作家が痛快レポート!同棲→結婚でわかった、甘くて苦い男と女の真実。
世界の女性の憲法、女性差別撤廃条約をやさしく解説。日本における“平等実現”の展望を縦横に語る。前進しつづける女性たちへの熱いメッセージ!
跡見学園や東洋女学校など明治期から現在まで続く女子高校、女子大学を中心に、その建学の理念、当時の授業内容を調査、「和洋裁伝習」などの職業訓練や「良妻賢母」の養成など、現代の教育に通じる男女不平等の要素を詳細に検証する。
女は下、か。平等は幸せ、か。「男のくせに」と思ってしまうあなたへ。女性の中の男女差別意識をあぶり出す20章。
文豪イプセン『人形の家』のノラが自立して130年後のノルウェー現地ルポ。
「女性が幸せにならなければ、日本は平和にならないと思った。男女平等は、その大前提だった」10年間日本で育ち、アメリカで終戦を迎えた著者は、22歳の若さで日本国憲法GHQ草案の作成に参加、現在の人権条項の原型を書いた。文庫化に際し、ジョン・ダワーの寄稿を増補。
【特集】
〇まるごと一冊 女性たちの世紀
●アーカイブの中の女性像:
ナショナル ジオグラフィックが保管する6000万点を超す画像記録からは、時代とともに女性の地位や役割がどのように変化してきたかが垣間見えてくる。
●未来を築く:
男性優位の社会で、世界中の女性たちが政府や地域の先頭に立って男女平等を実現しようとしている。男性が権利や役割を与えてくれるのを待っているのではなく、自ら果敢に声を上げ、主導権を握り、運命を変えている。
●世界各国データで知る女性たちの現実:
男女平等が完全に実現した国はないが、国によって女性の置かれた状況に違いはある。社会の「受容」「安全」「公正」の評価を基に、世界の現状を見てみよう。
●女性たちが作る新生ルワンダ:
100万人もの犠牲者を出したとされる1994年のルワンダ大虐殺。生き延びた国民の大半が女性で、国の再建に深くかかわっていった。その結果、男女平等を推進する政策が実行されてきた。
●インド 安全に暮らす権利:
嫌がらせや暴行におびえ、女性たちが安心して暮らせない社会がある。凄惨な事件を機に女性の安全を守る取り組みを始めたインドを取材した。
●理系の女子たち:
世界の高校生が参加する科学コンテストで、新世代の女子は、先輩たちを苦しめてきた古い壁を打ち破ろうとしている。
●戦場に立つ女性たち:
紛争の最前線への派遣が可能になり、軍隊における女性の役割が拡大してきた。女性兵士たちは何を思い、厳しい訓練や危険な任務に赴くのか。
〇女性たちへの質問:
元ファーストレディからメディア界の重鎮、社会正義を求める活動家まで、多方面で活躍する女性たちに、これまでの試練や成功、求められる変革について聞いてみた。
●今、女性たちが直面している最も重要な課題は?
●あなたが乗り越えてきた最大の壁は?
●あなたにとって転換点となった出来事は?
●女性にとって、今後10年で必要となる最も重要な変化とは?
●あなたの最大の強みは?
●今、若い女性たちに伝えたいアドバイスは?
【コラム】
●英語版編集長から
●寄稿者の言葉
●自撮りする女性写真家たち
●読者の声
●テレビでナショジオ
●次号予告
●日本の百年「昭和初期の女性たち」
●今月の表紙:ナショナル ジオグラフィックのアーカイブには世界中で撮影された女性の写真が保管されている。女性たちの肖像
│特集1│女性の力●男女平等を実現する3つの戦略いまこそ、女性の力を解き放つビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団 共同会長 メリンダ・ゲイツ●「世界ジェンダーギャップ報告書」が示す現実世界の男女格差を表す6つのグラフ『ハーバード・ビジネス・レビュー』シニアアソシエートエディター グレッチェン・ガベット『ハーバード・ビジネス・レビュー』シニアグラフィックエディター マット・ペリー●[インタビュー] セリーナ・ウィリアムズの夫が語る全社員が有給育児休暇を取れる社会をレディット 共同創業者 アレクシス・オハニアン聞き手=『ハーバード・ビジネス・レビュー』シニアエディター アリソン・ビアード●起業家と投資家をともに増やすベンチャーキャピタルが女性の進出に果たす役割ユニオンスクエア・ベンチャーズ マネージングパートナー レベッカ・カデン●#MeTooを受けて広がったTIME’S UPの動きハラスメントの悪循環をいかに断ち切るかタイムズ・アップ 最高戦略・政策責任者 ジェニファー・クライン●[インタビュー] まず、お金に対するマインドセットを変えるすべての女性に自己実現のための資産を持ってほしいチェース・コンシューマー・バンキング CEO サスンダ・ブラウン・ダケット聞き手=『ハーバード・ビジネス・レビュー』シニアアソシエートエディター ニコル・トーレス●共和党で始まった新たな試み議会により多くの女性を送り込む方法米国下院議員 エリス・ステファニク●制度だけでは変われない「無意識バイアス」が日本の女性活躍を妨げているエール 取締役 篠田真貴子●[インタビュー] 女性活躍を推進した第一人者が語る女性自身も変わらなければ真の男女平等は実現しない元 厚生労働省 局長、元 資生堂 代表取締役副社長 岩田喜美枝│特集2│追悼 クレイトン・クリステンセン●クリステンセンの偉大な功績を振り返る●イノベーション論の大家は思いやりにあふれていたクレイトン・クリステンセン・インスティテュート・フォー・ディスラプティブ・イノベーション 共同設立者 マイケル B. ホーン●課題解決の新たなレンズを授けてくれた元『ハーバード・ビジネス・レビュー』編集者 カレン・ディロン●知の巨人は私たちに何を問うてきたのか関西学院大学 教授 玉田俊平太●[名著論文再掲] 大企業が陥る「破壊的技術」の罠イノベーションのジレンマハーバード・ビジネス・スクール 教授 ジョセフ L. バウアーハーバード・ビジネス・スクール 教授 クレイトン M. クリステンセン●[名著論文再掲] 運頼みのイノベーションから脱却する方法Jobs to Be Done:顧客のニーズを見極めよハーバード・ビジネス・スクール 教授 クレイトン M. クリステンセンケンブリッジ・グループ プリンシパル タディ・ホール元『ハーバード・ビジネス・レビュー』編集者 カレン・ディロンイノサイト シニアパートナー デイビッド S. ダンカン●[名著論文再掲] 「人生のジレンマ」を克服するためにプロフェッショナル人生論ハーバード・ビジネス・スクール 教授 クレイトン M. クリステンセン│Idea Watch│●目標を達成できる人に必要な資質●「締め切りを延ばして」と言うのは意外な効果がある●「自信満々」は言葉でなく態度で示そう『ハーバード・ビジネス・レビュー』/編│EI[Emotional Intelligence]│●生産性向上テクニック嫌いの人のための生産性向上テクニックエグゼクティブコーチ モニク・バルコア│Life's Work│●元 プロボクサーシュガー・レイ・レナード
「緊急事態下の五輪」を特集。
巻頭では武田砂鉄さんと安田菜津紀さんが、この開催がはらむ矛盾について対談。
東京五輪の「ジェンダー平等」についても検証
AERA 7月26日号は、東京五輪のあり方を考える1冊。巻頭では、武田砂鉄さんと安田菜津紀さんが、この強行開催がはらむ矛盾について対談しているほか、様々な調査やデータから東京五輪でのジェンダー平等実現について検証。池江璃花子選手や桐生祥秀選手、躍進する卓球ニッポンを支えるテクノロジーについても取材しました。全33競技の「決勝の日」カレンダーも掲載。史上最多といわれる日本代表590人についても、顔写真付きで一覧にしています。
新型コロナウイルスの感染が拡大する中で、7月23日の開会式を迎えることになった東京五輪。7月19日発売のAERA 7月26日号は、この大会の光と影を16ページにわたり特集します。
巻頭特集の冒頭では、独自の視点で社会を鋭く分析する武田砂鉄さんと安田菜津紀さんが対談。今回の強行開催がはらむリスクと矛盾について語り合っています。緊急事態宣言下で、感染拡大、ひいては死者を増やすリスクまで背負って開催する意味はあるのか。「いまさら批判するな」という空気を醸成しているものは何なのか。二人が最も強調したのは、東京五輪の開催・終了とともにこれまでの問題を忘れてしまうのではなく、いつまでも問い続けなければならない、ということでした。
「多様性と調和」を理念に掲げた東京五輪の「ジェンダー平等」についても記事を掲載。五輪のモットーそのものが男性的であることや、男女のアスリートの待遇や報道での扱われ方に格差が存在していること、性的マイノリティーの選手たちは「見えない存在」になってしまっていることなどをあぶり出しています。
東京五輪を多面的に見ることができる1冊を目指して、池江璃花子選手や桐生祥秀選手を水着やシューズで支えるテクノロジーの進化、表紙の山縣亮太選手を始め4人の9秒台スプリンターの出場が期待される400メートルリレーの戦力分析も掲載。保存版として、全33競技の「決勝の日」カレンダー、史上最多の590人を数える日本代表選手の顔写真付き一覧も収録しました。
●好評連載「向井康二が学ぶ 白熱カメラレッスン」は「スナップ」に挑戦
大好評の月2回連載「向井康二が学ぶ 白熱カメラレッスン」は、先日、この連載の企画で同時に“ライカデビュー”を果たした、映画「浅田家」の浅田政志さん