・性の要素は身体の性、性の自己認識(性自認)、性的指向、性別表現、性役割、指定された性(社会に割り当てられた性)など多岐にわたる。これらのいずれかが多数派と異なる人々は性的マイノリティとよばれる。
・性的マイノリティ当事者は“医療”を利用する患者の数%を占めると考えられ、すべての診療科の医療スタッフは、見えにくいながらも日常的に接しているはずである。
・しかし、多くの医療スタッフにとっては系統的に知識を得る機会は限られている。本特集がその一助となればと思う。
■ 医療スタッフが知っておきたい性的マイノリティと医療
・はじめに
・LGBTと精神科医の役割
〔key word〕レズビアン(lesbian)、ゲイ(gay)、バイセクシュアル(bisexual)、トランスジェンダー(transgender)、精神科医
・性別違和、トランスジェンダーにおけるホルモン療法
〔key word〕性別違和、エストラジオール、テストステロン、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)アナログ
・性同一性障害/性別違和に対する外科治療
〔key word〕性同一性障害(GID)、性別違和(GD)、性別適合手術(SRS)、緩和外科
・性同一性障害/性別違和と保険適用
〔key word〕性同一性障害、健康保険、ホルモン療法、乳房切除術、性別適合手術、混合診療
・性同一性障害/性別違和の診療ガイドラインとGID(性同一性障害)学会認定医/認定コーディネーター制度
〔key word〕日本精神神経学会、GID学会、性同一性障害の診断と治療に関するガイドライン、エキスパート研修会、認定医、認定コーディネーター
・地域における多施設連携から協働への進展
〔key word〕性別違和(GD)、連携、協働、地域、性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン
・性的マイノリティ当事者が受診を躊躇しない外来づくり
〔key word〕性的マイノリティ、医療施設、受診、躊躇
・性的マイノリティの子どもーー教育と医療の連携
〔key word〕児童期、教育、医療、連携
・性的マイノリティ当事者を取り巻く現状ーー法律、結婚、生殖医療など
〔key word〕同性パートナー、子なし要件、手術要件、婚姻要件、同性婚、配偶子提供
●TOPICS
神経精神医学
・重大な他害行為を行った精神障害者の社会復帰ーー医療観察法
臨床検査医学
・Lp(a)の臨床的意義アップデート
麻酔科学
・新しい静脈麻酔薬レミマゾラム
●連載
この病気、何でしょう? 知っておくべき感染症
・22.単包虫症(診断は肝?胞と思いますが、何となく違うような気もします)
〔key word〕単包虫、単包条虫、包虫症、エキノコックス症、中間宿主、アルベンダゾール
オンラインによる医療者教育
・8.Withコロナ時代の内科系診療参加型臨床実習:兵庫医科大学の事例ーーハイブリッド型の診療参加型臨床実習
〔key word〕Moodle、Teams、ハイブリッド
ユニークな実験動物を用いた医学研究
・6.ヒツジ:胎仔を用いた先進医学研究
〔key word〕ヒツジ胎仔、ヒト血液キメラ、ヒト胎児モデル
●フォーラム
子育て中の学会参加
・14.学会中の戦慄
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
女の子でも、おしゃれよりサッカーに興味がある子もいるし、男の子でも、青よりピンクが好きな子もいる。男の子のアイドルより、すてきな女優さんが好きな女の子や、女の子といるより、尊敬する男の先輩といっしょにいたい男の子もいる。ぼくの個「性」、わたしの個「性」、わかってほしいんだ。
本書では、LGBTを切り口に多様性あふれる時代における労務管理を述べています。第1章では歴史的背景からみる性の多様性、第2章ではハラスメント対策、労務管理、第3章では制度づくりの基本である社内規程例、第4章では労務管理の場面で想定される事例をもとにしたケーススタディ、第5章ではLGBTに関連する裁判例、第6章では企業での取組を紹介しています。初代ミスター・ゲイ・ジャパンのSHOGO氏、五十嵐ゆり氏、星野俊樹氏、おおばやしあや氏のコラムも収載。
「同性愛」という概念の誕生ー近代以降、同性愛は文学の中でどのように表現されてきたのだろうか?BL、百合という文脈で語られると共に、一方でLGBTQを考えるための文学としても着目されている同性愛文学。明治から平成までの文学史の一側面に光を当てた一冊。
社会は思ったよりも優しく、易しい。性的マイノリティの当事者として語れること。LGBTの当事者に、また周りの人が知っておきたいセクシュアル・マイノリティのリアル。
原題にある「神々の国」(the Province of the Gods)とは、ラフカディオ・ハーンの著作より引いたものである。ハーンもまた隻眼の人であったが、著者に至っては、身体障害者であり、かつLGBTでもあり、そしてHIV患者であり、さらに日本においてはガイジン(ユダヤ系米国人)として見られ、いわば究極のマイノリティと言っても過言ではない。その著者が、日本では、米国社会にはない不思議な「居心地の良さ」を感じ、その背景に、日本神話の中には「障害を持つ神」がいることに着目する。そして、この印象の深層を掘り起こすため様々な人々と出会い、全国各地を訪ね歩く。しかしそれは、人生最大の苦難に遭遇し、深い暗闇の中から抜け出すための、癒しの旅でもあったのだ。究極のマイノリティによる日本印象記。
一人ひとりがちがうこの世界を、世界に一人しかいない君が、自分らしさを大切にしながら生きていくために知っておきたいこと。
ゲイの子どもにとって、家族へのカミングアウトは人生の一大事だと言えます。親であるあなたにとっても、それは重要な出来事となるでしょう。聞きたいこと、話し合いたいことが山ほど出てくるかもしれません。そんな状況の中でも、理解を深め、効果的なコミュニケーションをとるためにはどうしたらいいのでしょう?本書は、子どもがカミングアウトしたときに家族が直面するさまざまな問題に対処し、あなたとあなたの子どもが互いに支え合うオープンな関係を続けていくためのガイドブックです。
二〇〇九年、オバマが「チェンジ」を合言葉に登場。医療保険、同性婚支持、移民政策において、平等化への歴史に新たな一ページを刻んだ。八年後、トランプも「チェンジ」を訴えて登板した。「チェンジ」の価値化こそは、アメリカ文化の柱だ。しかし、どのような「チェンジ」か。本書は、アメリカの社会変革の原動力として、人種、移民、女性、LGBTの平等化運動を取り上げ、政治、経済、社会、文化の歴史的変化を見る。そして、トランプ政権による揺り戻しと、反動への抵抗勢力の激突を描き出す。
性は、体やベッドの上の話だけではない。人生そのものだ。セクシュアル・マイノリティの当事者が、日々の生活や年代ごとに出会う困りごとに対して、対応策をわかりやすく具体的に届けることで、当事者と、当事者とともに生きる皆さんが抱えている不安や孤独といった気持ちを、丁寧に和らげていきます。