高原の保養施設「風神館」に集まった十人の男女。彼らの目的は、自分たちを不幸に陥れた企業の幹部三名に、死を以って償わせること。計画どおり一人目を殺害した彼らが目にしたのは、仲間の一人の変わり果てた姿だった。誰かが裏切ったのか!?このまま復讐計画を進めるべきなのか!?皆が疑心暗鬼にかられる中、さらに仲間が殺されてしまう…。信頼と猜疑が交錯する密室ミステリの秀作。
「鯖猫長屋」に入居したいという元拝み屋の男を、差配の磯兵衛が追い払った。しつこく食い下がるその男は、今は「呪い札」を書いて怪しげな商売をしているという。一体何を企んでいるのか。訳ありの蘭方医も長屋をうかがうなか、猫描き拾楽は、おはまからある頼み事をされる。様子見を決め込むふりをしながら気を尖らせている美猫サバは、その時…。謎解き&人情ばなし第十弾。文庫書き下ろし。
日本の社会システムにおける構造的欠陥を問う。
四谷のしんみち通りにある「めぐみ食堂」は、元人気占い師の女将・恵が切り盛りするおでん居酒屋だ。初来店した大学生の鷲見毅は、めぐみ食堂が婚活のパワースポットだと知り、父親の敦を連れてくる。一方、近所にオープンした「占い居酒屋ゑんむすび」のタロット占い師は、恵の若い頃の知り合いで…。鯛のあら炊き、菜の花とハマグリのクリーム煮、塩レバーなど、新メニューも満載の人気シリーズ第8弾!文庫書き下ろし。
一九二三年に完成した帝国ホテル二代目本館、通称「ライト館」。“世界一美しいホテル”として絶賛された名建築だが、完成までの道のりは、想像を絶するものだったー。二十世紀を代表する米国人建築家、フランク・ロイド・ライトによる飽くなきこだわり、現場との対立、難航する作業、襲い来る天災…。次々と困難が立ちはだかったが、男たちは諦めなかった。ライト館の建築に懸けた者たちの熱い闘いを描いた、著者渾身の長編小説。
人はなぜ、相争うのか。争いの果てに救いはあるのか。キリシタン大名・小西行長の孫で、対馬藩主・宗義智の子として生まれた彦七(のちの小西マンショ)の運命は、関ヶ原の戦さによって大きく変わった。離縁された母・マリヤとともに長崎へ移り、キリシタンへの迫害から逃れてきた小西家の遺臣らの世話になりながら成長していく彦七だったが、彼には小西家再興の重圧がのしかかっていく。キリスト教が禁じられ、信徒たちの不安が高まるなか、彦七はある重大な決断を下すのだが…。“受難の時代”を生きる者たちの魂の叫びが刻まれた、著者渾身の長編小説。
大学卒業後に入社した企業でパワハラに遭い、三年たたずに退職した未谷千晴。働く自信と希望をなくしてしまった千晴だが、「普通の大人」に戻りたいと、叔母が経営する人材紹介会社を活用しながら転職活動をすることに。彼女はその会社で、「転職の魔王様」という異名を持つ凄腕キャリアアドバイザー・来栖嵐と出会う。面談初日から不躾な態度で接してくる来栖に、千晴は戸惑うが…。ビジネスパーソン必読のお仕事小説!
ねずみがたびをしていたよ。あめにふられて、ずぶぬれになってしまった。「これがほんとのぬれねずみだよ」ゴロゴロゴロ…かみなりもなりだした。4〜5歳から。
徒手空拳から一代で松下電器を世界的企業に成長させた松下幸之助。本書は、松下の晩年の22年間、その傍らにあって直接に、経営について、人生や人間観について教えを乞い、時に共に思索をしてきた著者が、なぜ松下が成功を収めることができたのか、その行き方・考え方のエッセンスを6つの法則としてまとめた成功への指南書である。多くの読者の支持を得たロングセラー、待望の文庫化。
「考える」ことを考える哲学絵本。
生命保険業界で、トップセールスマンとして成功したマーク・クリストファーは、ある日、輝かしいキャリアを捨て、作家になることを志す。息子たちの成長に突然気づき、家族を顧みなかった人生に疑問を感じたからだ。熾烈な競争世界から離れ、家族と満ち足りた時間を過ごしつつ執筆を続ける。やがて、本は大ベストセラーとなるが…。人間が持つ「選択」の力の素晴らしさを描いた感動作。
我々の「歩き方・走り方」は誰が決めたのだろうか。ふと考えてみれば「身体の常識」など脆いものではないだろうか。本書は、古伝の術理を追究する著者が、歴史の中で忘れ去られた真の日本人の身体論を絶妙に語る。「江戸時代の庶民は走り方を知らなかった?」「達人伝説は本当か?」など、固定観念を次々と覆す話題の数々。野球、サッカーなど各スポーツ界の選手・指導者たちの注目を集める独特の「身体論」の原点。
マネジャーの最も重要な仕事は意思決定である。変化の激しい現代においては、マネジャーの意思決定が、企業や組織の将来を大きく左右することさえある。しかし、意思決定に「絶対の正解」はない。それゆえにこそ、全身全霊を込めた意思決定は、自らの精神を鍛え、深め、成長させる糧でもある。本書は、意思決定に必要な能力と、それを身につけるための心得を説いたマネジャー必読の書である。
「西欧近代とは何か?」だれもが疑わなかった理想社会に齟齬が生じはじめた。その現実を前に、再認識を余儀なくされている「近代」の意味。自由、平等、民主主義、市場経済…アメリカが掲げる輝かしい「文明」は、同時に形式的な官僚主義、空虚なニヒリズムを生み出した。信ずべき確かな価値を見失い、茫然自失する私たち。人類が獲得した果実ははたして「進歩」だったのか。ホッブズ、ルソー、ウェーバーなど、近代を決定づけた西欧思想を問いなおし、現代文明の本質と危うさに真っ向から迫る新しい文明史観。
「キュービックス」「スコットランドヤード」「ジルケ人形」…子どもにも大人にも喜ばれてきた物にはわけがある。本書は、溢れるおもちゃの中から、とくに「定番」という視点にこだわって、著者が選んだおもちゃを紹介したものである。
主婦マンガ家として活躍中に版元が倒産、収入ゼロになった著者。頼りの夫は転職ホヤホヤ、初任給は8万円!!家計は一気に大火災。親子5人の大ピンチに、ママが立ち上がった!朝・出勤前のポスティング、10年ぶりの通勤、ガス・電気・水道代や食費の徹底改革、家事分担バトル、株で買った夢と希望、節約家族の夏旅行…怒涛の行動力とアイデアで乗り切った、ビンボー生活大公開。