江戸中期、幕府への領地返上を考えるほどの財政危機に瀕していた米沢藩を、軌新な藩政改革と藩士の意識改革で見事に甦らせた上杉鷹山ー希代の名藩主として誉れの高い鷹山とは、いったいどのような男だったのか?そして、その経営手腕とは?故ジョン・F・ケネディをはじめ、多くの実力経営者やトップリーダーが、尊敬する人物として名を挙げる上杉鷹山の、組織と人間の管理術の要諦を探る。
「社員稼業」とは、与えられた仕事を単にこなすだけのサラリーマンに終始するのでなく、社員一人一人が自ら一個の独立経営体の主人公に徹し、経営者的な立場で物を考えて仕事を進めよう、という提言である。事業部制、独立採算制の先駆として、長年にわたって多くの人材を育てあげてきた著者が、その豊かな経験をもとに、仕事の楽しさ・厳しさ、そして生きがいを考える。平易な語りかけの中に、若きビジネスマンへのあたたかい励ましと期待が切々と伝わる好著。
二・二六事件で父を失った九歳の日の体験を原点に、著者は修道女として信仰に生きる。人生の途上で失われゆくものたちの哀しみを知る著者が、優しさと強さを秘めた珠玉の言葉を綴る。
希代の戦術家・真田幸村の手足となってゲリラ戦を展開した奥村弥五兵衛。お家騒動を避けようと2代将軍に秀康を推したがために、土井利勝に失脚させられた本多正純。幕臣の「微衷」から、上野の山にこもり官軍と戦った彰義隊。本書は彼らが生きながら象(かたど)った歴史の光と影を、著者自身の歴史観・人物観をまじえながら浮き彫りにする。直木賞受賞後、その淡々とした筆致に一層の情趣を増した時期の掌編10編を収録。
「人間五十年。天下のうちをくらぶれば、夢まぼろしのごとくなり」と、乱世を疾駆した織田信長。その夢と理想を受け継ぎ天下を統一した豊臣秀吉。そして盤石の幕府組織の確立に取り組み、手にした天下を末永く子孫に伝えた徳川家康。「時代小説の仕掛人」がリレー式に、天下統一をなしとげた三代の英傑の戦いと統治の構図を克明に描き、等身大の視点で生き生きと彼らの人間像に迫る。池波正太郎作品唯一の絶版長編、待望の文庫化。
南方熊楠は、生物学者としてだけでなく、博物学、考古学、民俗学の分野でも、世界に通じた偉大な学者であった。その巨人の生涯をたどる。小学上級以上。