80年代を迎えたばかりのアメリカ。通常ならば死ぬはずのない肺炎と、良性のはずの肉腫に全身を侵され、やせ細り、ひからびた胎児のように全身が縮こまり丸まって死んでゆく患者たち。その「奇妙な病気」は同性愛者だけがかかるように思われた。死者はどんどん増え、伝染病の可能性があった。しかし当局の対応は遅れた。ゲイ社会も無視しつづけた。ゲイ社会は「ゲイの病気」など認めたくなかった。他の人びとは「ゲイの病気」などに関心を払わず、マスコミもまた深刻に考えなかった。多くの人が見て見ぬふりをし-そして、ウイルスは広がった。エイズ蔓延の隠された真実を徹底的な調査取材をもとに描いた全米大ベストセラー。
西欧の文化=権力が病い=病者におしつけてきた不健康な表象を批判し、自らの癌体験をもとに病いそのものを直視した本書は、卓抜な〈病いの記号論〉であると同時に、1980年代にひそかに進行していた一つの知的活動を代表する成果。
放っておけば国民を滅亡の危機に落とし入れるかもしれないエイズ。その撲滅のための特別権限を執行できる東京保安官に任命された、叶大陽と大田蹴鞠子、そしてアシスタントの大和ローラの三人は乱れた性の現場に突入し、エイズ感染防止のために奮闘する。風俗営業のあらゆる形態-、S・Mホテル、ホモ旅館、レズ・バー、幼児クラブ、ボディーピアス協会、ポルノビデオ研究会など、変形された性愛の全ての世界で水際作戦を展開する。
労務・健康管理、プライバシー・人権保護、社内教育、社外対策…。「いま、何をなすべきか」を徹底検証。
1977年6月20日、イギリス・アングリアTVでオン・エアされた一本の科学番組「オルタナティブ・スリー(第三の選択)」は世界中で一大センセーションを巻きおこした。大金持ちの支配者たちは、汚染と人口過剰で危機を迎えた地球から大脱出するために、火星と月とにドーム都市を築き疎開しようとしている。その計画のために科学者や一般人が続々と誘拐されているというのだ。このあまりに常識を越えた内容に人々はいったい何を求めたのだろうか。しかし、著者のジム・キースは専門の陰謀情報を駆使して、客観的な傍証を豊富に加え、裏付けの乏しかった「第三の選択」を見事に甦らせた。番組やその後に出版された本そのものは明らかにフィクションの形をとっているが、その示唆するところは、大方事実であるという結論を出している。本書は真の「第三の選択」の姿を浮き彫りにし、さらにはそれを凌ぐ「第四の選択」の存在をもつよく訴えている。
物理学や天文学はどのように発展してきたか。情報通信やバイオはこれからどうなるのか。48の分野について、世界の第一人者が躍進の軌跡をたどり将来を展望する。
本書は、そんな耐え難い運命にみまわれながらも、けんめいに生き抜いたたくさんの人たちの中の、三人とその家族の愛と勇気の物語です。
アフリカほど、生産や輸出の低迷、武力紛争と民主化、構造調整、貧困の深まりなど、今日の世界の直面しているほとんどの問題が凝縮して発生している地域はないだろう。2001年、アフリカ諸国は停滞を打ち破り、未来を切り開こうと「アフリカ開発のための新パートナーシップ」を採択し、大きく変わろうとしている。日本も、こうした動きに呼応して東京アフリカ開発会議を開催するなど、アフリカ支援を強めている。アフリカとのよりよい関係を築き上げていくためにも、今後いっそう理解を深めていく必要がある。本書では、植民地以前から構造調整に至る経済の歴史や政治と社会の変動のありようを紹介するとともに、今日のアフリカ経済を、製造業、農業、貿易、債務問題、HIV/エイズ、援助など多角的視点から考察した。
98年に全米公開されたブライアン・デ・パルマと坂本龍一のコラボレーションによるサスペンス・アクション映画のサントラを復刻。日本人初のグラミー受賞者である坂本の手腕が光る。