トップ・スパイ 彼らの共通項は「祖国を裏切る勇気」である。戦後史に名を残す大物スパイ6人に直接インタビュー。スパイたちが自ら語った小説よりも面白い、スパイ活動の真実。
身を潜めるのにイスラエルとは考えたものだ。何かとアメリカと近いわりに、追手からすれば盲点だ。そのうえ女性観光客がよりどり見どり、かくして逃亡生活もけっこう優雅なものとなる。ある日、情事にしけこんだホテルで火事があり、人命救助に大活躍。本国の新聞にバッチリ写真が出たために、一転、追いつ追われつの日々が始まった。
三日働いたら三日は釣りをする指物職人岩蔵、暇を持て余している無役の御家人金八郎、頭巾をかぶり屋形船で釣り場に現れる妾おさえー無類の釣り好き三人が沖釣りで風に流されて木更津に漂着する。そこで初めて三人が釣りの動機、身の上話などを語り合う。表題作など、海にまつわる情感溢れる作品十篇。
ガンの放射線治療の世界的権威で自らもガンに倒れた、第四代国立がんセンター総長塚本憲甫。飾らない人柄と公平な態度で誰からも敬愛された塚本の生涯をたどりながら、様々な医師の活躍、池田勇人、高見順、市川左団次ら患者たちとの心温まる交流を通して、日本におけるガン征圧の苦闘の歴史を描いた大河ノンフィクション。
作家として自信を失くした夫と、医師としての方向を見失った妻は、山間の美しい村でふしぎな老婆に出会う。
坂口安吾の魅力にとりつかれ、すっかり人生を狂わせてしまった著者が、やっかいな片思いにケリをつけるべく綿々と綴ったラブレター。安吾をはじめ太宰治・石川淳の戦後無頼派作家の精神を徹頭徹尾解剖する、沈着にして冷静な筆づかいは冴えわたり、その熱き思いが行間から迸る超絶文芸評論集。
ピラミッド建造から明治維新まで新聞形式の見出しと記事で伝える古今東西ありとあらゆる歴史上の出来事。歴史の流れと世界の動きがひとめでわかる空前絶後、驚天動地の人類史縮錯版。
恐竜のタマゴからインディアン・ブレスレットまで100のアイデアとつくり方紹介。4歳から9歳の子どもと親がいっしょにつくるアート&クラフト。
不可解な教団を追いつづけて、まる六年。みずから、ホスゲンによる攻撃を受けながら、一貫して「事実」を究明ー捜査当局、大マスコミも参考にした執念の全記録。「オウム白書」の決定版。
女子大生の恋人永井夕子に強引に誘われて、テレビドラマのエキストラに出演することになったオニ警部宇野喬一。ところが撮影中のスタジオ内で主演女優が殺され、更に女優と噂のあったタレントの首吊り死体が発見された。無理心中か、はたまた真犯人がいるのか。ご存じ名コンビの推理が冴えわたる、“幽霊シリーズ”好評の第8弾。
江夏の21球。たった一人のオリンピック・スローカーブを、もう一球・逃げろ、ボクサー・そして今夜もエースが笑う・野球の「故郷」を旅する・ルーキー・ニューヨークは笑わない・ビッグレース・正方形の荒野・雪煙の彼方に何があるか…など、夭逝した著者の代表的スポーツ・ノンフィクション、エッセイ八十篇を収録。
「ここ以外ならどこへでもー」死と隣り合わせにいるような貧しい農村を後に、小蓮たちは日本に来た。中国では残留孤児の母ゆえに日本鬼と呼ばれ、日本では「中国人」といじめられた。それでもなおこの国での将来を模索する小蓮の中国帰郷を中心に、戦後日中の実像を描く。講談社ノンフィクション賞受賞。
日本語の語源・歴史・意味・文化・風俗など、週刊朝日の読者から寄せられたさまざまな疑問に、ことばの達人四人が個性豊かに回答するユニークな日本語の書。特別付録として回答者全員による巻末座談会「劇場の日本語-井上ひさし氏に聞く」を併録。
日米開戦前夜、南太平洋上で世界一周飛行途上の女流冒険飛行家が消息を絶った。ルーズベルト大統領は海軍に大規模な捜索を命じたが、手掛かりひとつ発見できずに終わった。それから半世紀、今なお米国のスパイ説、日本軍処刑説など様々な憶測を生み続ける“女リンドバーグ”伝説誕生の経緯を克明に辿ったノンフィクション。
幼くして芸者に売られ、戦中戦後の混乱期を生き抜いた女性の数奇な半生。一見華やかな芸者という職業の陰に隠された近代民衆の苛酷な生と、そこに息づく力強い魂の姿が今鮮やかに浮かびあがる。
サリン、大地震でモタついた政権を徹底批判。危機管理のプロ中のプロが説く、きたるべき災害、不測の事態に備えるノウハウ全公開。
19世紀、フランス初の情報紙『プレス』が創刊され、華やかなメディアの時代が幕を開ける。時のトピックスやはやりのスタイル、連載小説や巷の噂…。人々を魅了したこの流行通信(『パリ便り』)は、瞬く間に同時代の文学やファッションに影響を及ぼした。マス・メディアの誕生と展開を通して、ジャーナリズムの側から、文学と都市風俗の流れをとらえ直す画期的な一冊。図版多数掲載。