戦後の廃墟に彗星の如くデビューし、虹のようなホームランを放って、復活早々のプロ野球を隆盛にみちびく牽引車になった“青バット”の男。知将・三原脩監督のもとで、豊田・中西・稲尾ら若獅子たちを率いて西鉄ライオンズの黄金期を築いた男ー大下弘。不世出の天才打者の破天荒な生涯をプロ野球復興史と重ねて描く。
ヨーロッパのキリスト教徒や知識人たちにもっとも広く読まれてきた『ユダヤ古代誌』。天地創造から説き起こし、紀元後66年のユダヤ戦争直前までの記述で終わる全20巻は、ヨセフスが敗軍の指揮官のひとりとしてローマに降ったのち、皇帝の厚遇のもとに書かれた。政治的には親ローマ派であり、思想的にはユダヤ教、ユダヤ文化の弁護者であったヨセフスの大著は、ユダヤ史を知るうえできわめて貴重な史料であるばかりでなく、イエスと同時代の散逸した記述を数多く含む文献として、キリスト教徒たちの関心をひきつけてきた。原著5〜7巻までを収める文庫版第2巻は、カナン征服ののち、ダビデ、ソロモンによるイスラエル王国の樹立と発展をたどる。
貧苦と愛憎の生活の果てに天才画家の夫、三岸好太郎を若くして喪い、三人の子たちを育てながらカンバスとの対話を続けた節子。画壇の女性蔑視と闘い、傷つき、奮起して、ついに大輪の花を咲かせた節子九十四年の波瀾の生涯を描きながら、明治・大正・昭和・平成の社会を浮き彫りにするー著者九年に及ぶ労大作。貴重な資料と取材で描く等身大の画家の肖像。
戦争の足音が忍び寄る昭和7年。エロ・グロ・ナンセンスが一世を風靡した浅草六区の劇場、偏奇館で、三人の踊り子が次々に殺された。京子18歳、早苗19歳、節子18歳。ひとりは川に浮かび、ひとりは乳房を切り裂かれ、ひとりは公園の茂みの中に。事件の真相を尋ねて、私は50年ぶりに浅草を訪れたのだが…。
食は狂気か?獅子文六、内田百〓@6BE1@、徳田球一、志賀直哉、愛新覚羅溥傑ら二十の胃袋から透かし見えてくる、偏奇、狂躁、そして至福。不変にして普遍の痛快食談。
あなたは“犯人探し”をしようとしていませんか?不登校、過食・拒食症、家庭内暴力など、子どもの問題行動を解決するのに、問題を作った犯人を突き止めてみても始まらない。家族をシステムとして捉え、そのシステムをちょっと変えてやれば…。わが国の児童相談機関における家族療法のパイオニアが、数々の事例にそって導く解決策は因果論のくびきを脱して、まさしく目からウロコの世界。
本書の中の何か気にいったもの、簡単そうなものをトレーシングペーパーで写しとって、まねをして描いてみてください。はじめは模写でよいのです。自分で実際にやってみることで、実にいろいろなことがわかり、さらに意欲も湧いてくると思います。さあ、あなたも今日からはじめてみませんか?色えんぴつはきっとあなたの手の一部となって、素敵な世界をつくってくれることでしょう。
昨今の中学歴史教科書には何が書かれているのか。そのどこが間違っているのか。どのように書かれるべきなのか。横行する反日教科書を論壇の両雄が対談形式で徹底的に批判。歴史教科書のあるべき姿を明らかにし、そうした教科書が生まれた原因を追究する。最もわかりやすく、最も厳しい教科書問題の入門書。
古典的な「表象」の崩壊に代わって「イメージ」の出現という出来事が成立する時点において、恐らくエッフェル塔とは、西欧の表象空間に起きたこの地の竣工の日付をこの認識論的断層の上に重ね合わせることが可能であるように思える。エッフェル塔の伝記を辿ってゆくとき、こうした「近代」的な「イメージ」の生成過程と、それを可能ならしめた文化的・社会的・政治的力学の諸条件が、或る模範的な姿で浮かび上がってくる。近代と表象とをめぐるさまざまな問題を体現した特権的な塔を透徹した論理と輝かしくも華麗なエクリチュールで徹底的に読み解く記念碑的力作。
父親を主題に名作「海辺の光景」を書いた安岡章太郎が、土佐の安岡一族のルーツを遡つて、幕末の藩士達に辿り着く。その一人安岡嘉助は文久二年、藩の参政吉田東洋を刺殺、脱藩、天誅組に入って京に上るが、志半ばにして刑死する。日記や書簡を手掛かりに、自分の実感を大切にしながら臨場感あふれるスリリングな語り口で、歴史のうねりに光を当てる長篇歴史小説。日本文学大賞受賞。
アジア経済危機も天災も乗り越え、一人気を吐く台湾急成長の秘密を明かす。台湾躍進の原動力は日本領有時代の遺産「大和魂」と「日本精神」。
在英21年、英国一有名な日本人による痛快イギリス人のウソとホント!イギリス好きにはたまりません!!イギリス嫌いにもたまりません。
初春に祈り遊び、精霊と夜を明かし、神とともに舞う!-人々が伝承してきた各地の祭り・盆踊りなどを訪ね歩き、神人を慰め楽しませる土まみれの俳優たちの伸びやかな姿を描くフォトドキュメント。
脳が頭蓋から飛び出した青年が歩けるようになった、海に落ちて一時間も心臓が止まっていた少年が野球をしている。人間のいのちの凄さとすばらしさを見つめてきた著者が描き出した先端医学・脳低温療法の全貌と生還者の感動のドキュメント。
「ジョニイへの伝言」「五番街のマリーへ」で大ヒットを飛ばし、ニューヨーク、ロンドンの公演で絶讃された歌手高橋真梨子のヴェールがいまひらく。秘蔵写真多数。