「-自殺者はな、自分の知ってる人間の死を三回見届けるまではこの世に留まらなあかん。そう決まっとるらしいー」大切なものが見えていますか?僕には見える。たとえ遅すぎたとしても。若き才能が描くストーリー、その切なくも衝撃的なラストが、枯れない愛を咲かせる。
本書のテーマは最適なシステムを製造することと、完成したシステムを最適な状態で運用することにある。ここで言うシステムとはプラントなどの機械装置のことであり、コンピュータシステムとは異なる。いわゆる「システム工学」の実現がテーマとなっている。システムという言葉に内在されている最適化を図ることとはどのようなことか、またそれにはどのような技術的手法が使われるのかということについて、できるだけ簡潔に、また直感的な理解の仕方ができるように解説する。
意識のある女性の子宮を抉り取り苦しむさまを楽しんだ挙句、喉を掻き切る猟奇連続殺人事件が発生。数年前に同様の事件が起きていたが、そのときの犯人は最後の被害者によって射殺された。その生き残った被害者こそが、殺人鬼の真の標的だった…。ロマンスと医学サスペンスが織りなす、身も凍る戦慄のノンストップ・ミステリ。
コレラ、毒婦、妖怪学、千里眼、西郷伝説…。明治から大正、昭和にかけての近代日本に生まれては消えていったおびただしい数のうわさ。人々の欲望、不安、怖れを乗せ、時代の裂け目より噴出し、世間を駆け抜けていったうわさは、庶民の精神を正確に映し出す真実の鏡であった。ウソをマコトに、マコトをウソに、いとも簡単に変換を可能にする装置“うわさ”を素材に、近代日本の透視図を描き出したサントリー学芸賞受賞の力作評論。
保険会社に勤務する著者は実業家として活躍する一方三田派の中心メンバーとして文筆活動を続けた。大阪勤務時代に材を取った本書は、江戸っ子会社員を主人公に下宿先の旅館酔月の女将、下働きの女たち、新聞記者、芸者お葉…等々の人間模様を織り込み潔癖性で正義感の強い東京山の手育ちの主人公が見聞する大阪の世相、風俗、気質等を巧みに描いた傑作長篇小説。
日本証券業協会の「未上場企業向け証券市場」グリーンシートが経済界の非常識を常識に変える。常識を覆す革新的経済システム。
自分たちの都合で地球環境を悪化させていく地球人たち。そんな地球を滅ぼそうと企んで攻撃を始めた宇宙人たち。主人公の宙は、地球攻撃に反対する宇宙人・ミチに励まされながら、地球を守るために立ち上がったが…。地球環境問題をテーマにした近未来SFファンタジー小説。
自分で考え、自分で選び、自分の世界をつくればいい。いつだってキミが世界の中心だ。若き感性からあふれ出た79の言葉の宝石。
自然が豊かなF町に引っ越してきた上原一家。すばるの文房具がなくなり、体にいたずら書きされ、お弁当に砂をかけられ…。そして、いじめは子どもだけの問題ではなかったのです。先生、学校、幼児教室の実態を知った上原一家は。
名画を求めて世界中を飛び回る生活を支えてくれた母が倒れた!試行錯誤を繰り返し、映画『痴呆性老人の世界』に学んだ「説得より納得」の介護に切り替えたとき、90歳になる母が痴呆症から奇跡的に回復する。岩波ホール総支配人が綴る、映画に励まされつつ、母の介護に奮闘した日々の記録。
ダムの底から発見されたカメラマンとミス・郡上八幡の死体。男性の衣服からは覚醒剤が見つかり、しかも彼は現・警視総監の息子だった。十津川警部の必死の捜査により、事件は4年前の血塗られた連続女性殺人事件へと繋がってゆく。真相究明を目指す十津川と、スキャンダルを恐れる警視庁上層部の確執を描くサスペンス長篇。
漁民が見つけた恵み豊かなふるさと。
十代の男女の純粋な魂を抒情豊かに描いた青春の饗宴「花筐」、戦後の混乱期の中で破滅へと傾斜する誇り高き男を描く「元帥」、類稀な作家魂で愛妻リツ子の死に迫る「終りの火」、戦後世相のなかに無頼の生き方を浮かび上らせる「白雲悠々」など六篇を収録。天然の旅情の指し示すまま、憧憬と彷徨の生涯を貫いた“浪漫的放浪者”檀一雄の特質を伝える短篇集。
古来、西欧においても、また日本でも、怪異・幻想文学は「文学」の正道として認められてこなかった。しかし、そこには生の限界状況のなか、さまざまに苦悩する人たちの魂の叫びがあり、それぞれの民族の本質的性格さえ表れているのである。本書に収録されている秋成、南北、黙阿弥、鏡花などの世界から、西欧近代の神秘家フランシス・グリーアスン、詩人エイ・イーなどを論じた壮大な東西のデモノロジー、オカルティズム、ウィッチクラフト、ミステシズムの諸考察は、言葉の錬金道士日夏耿之介の独壇場であり、今にいたるも他の追随を許さない。「サバト世界」文庫オリジナルである。
極限状態の殺人者心理を暴く!当代一のアウトローが初めて明かした完全殺人成立への危険な手口。
危機に直面した地域のコミュニティや環境の悪化した都市の周辺、衰退する中心市街地などに、必要に迫られて「まちづくり組織」が生まれ、退勢を挽回しようと自律的な活動を展開してきた。それはNPO(ノン・プロフィット・オーガニゼーション)やTMO(タウン・マネジメント・オーガニゼーション)という新しい組織形態を取っているだけでなく、行政区や町内会といった古くからの住民組織や行政内部に育まれた同志的な小集団など、多様な形態をなしている。本書では、このような「まちづくり組織」の形成過程を当事者からの直接のインタビューに基づいて構成すると共に、合意形成の場、共同規範による組織運営、ネットワーク的結合などに着目して、その組織としての特質を浮き彫りにしようと試みた。