鎌倉期の豪族三浦氏が輩出し、一族の盛衰を負って逞しく生きる女性を描く「三浦一族の女性たち」、吾妻鏡に記述された史実を順次トピックスとして取り上げ、分かりやすく書き直した「鎌倉雀の巻」。-さながら歴史絵巻を見るように楽しく読める。
企業経営の中枢を担い、競争の最前線に立つ営業マン。法人営業の豊富な経験をもつ著者が、その実体と方法論を詳述する。
昭和20年7月、根室の上空を蔽った米軍B29爆撃機編隊。燃えさかる炎に追われ逃げまどったあの日…。56年目の故郷を感慨深く綴った半生の記。
“美”は自ずとあるものではない。人の「こころ」が創りだすものである。名随筆“気まぐれ美術館”の原形を含む、単行本未収録文。
孤独な日々を送る老武士はふとした縁で知り合った孤児の美少女の絵を描くことに生きる縁を得る。絵は江戸で評判となるが、ある晩、少女は無惨な屍体となって見つかった。市中を荒しまわる若者集団、辻小僧に輪姦されたのだ。薄幸な娘の敵をとるため、余生をかけて老骨の武士は立ち上がる(敗者の武士道)。他八篇収録の完結篇。
五感全開で山野を駆け、小鮒獲りに夢中だった少年期、江戸川乱歩の小説に熱狂した十代前半、高校美術部での恩師との出会い、純でエロティックな性の目覚めと年上の女性への憧れー。グラフィック・デサイナー、画家として斬新な作品を世に残してきた天才芸術家が自身の十代の青春をみずみずしい感性で綴る。
たよるべきものを一切もたない魏の人・范雎は、一遊説者から身をおこし秦の宰相となる。人は人を映す鏡。澄明寡欲なその生涯。
さくら、サクラ、桜、櫻、SAKURA…。日本語の表記は実に豊かというか複雑多様。その中で、誰もが読むことができ、誰もが一様に理解できることをめざす新聞の表記法は、現代日本語の一つのスタンダードといえるだろう。では、新聞表記の規則・考えはどんなものなのか?時に「し烈」といった表記が散見するのはなぜか?長嶋茂雄か長島か?身近な“教材”である新聞を通して日本語を見直し学び直す一冊。
美女とミミズとヒッチコック。小説家の孝行息子。プロ野球賛江。など、日々の出来事をちょっと変わった視点から見つめた「陽気なイエスタデイ」。肺結核の療養所で。R.ダールとの出会いほかの「青春のイエスタデイ」。聖骸布をめぐるイタリア紀行を含む「気侭なイエスタデイ」。短篇の名手がエッセイで心地よい技の冴えをみせる。
戦後すぐに16歳で銀座で働き、昭和32年に26歳で独立。キャバレー「ハリウッド」チェーンを展開して“キャバレー太郎”の異名をとった著者が、永井荷風が出入りした戦前のキャバレー草創期から、戦後日本の社交場の復活、高度経済成長、そして現在まで、哀惜の念で綴った昭和大衆史。著者が初めて明かす、波瀾万丈の人生ドラマがここにある。
「ママ、この世で一番難しいことは、何だと思う?それは何も考えないことさ」-17歳の夏、エレキギターの練習中に感電死した山田かまち。絵に、詩に、青春の混沌を叩きつけ「生きることを生きろ」と強烈なメッセージを遺した。長年語られることのなかった天才児の生い立ちが初めて明かされる。母にしか書けなかった、本当のかまちがここにいる。
ありふれた高校生活の中に「感動」を発見できる教師が、10年間にわたって生徒に語りかけた集大成。
居合道は、古来から伝承された日本武道で、その精妙、重厚な術理は内に力を蔵し、外に威と寛容を示す業として、広く海外でも人気を呼んでいる。本書は、その居合道の入門書。700余点の写真と和英両解説付のDVDも揃えて完璧な条件で居合の各型、業を詳解している。居合道を学ぶことによって、自ら周囲の争いをなくすとともに、日々の生活を和を以て穏やかに過ごすことが出来るようになる。