雑誌連載五年を経て中断、ついに刊行も禁じたベルグソン論…。著者の遺志の告知のために、特に別巻として収録する。併せて最晩年の雑誌連載、未完の正宗白鳥論ー。
『芭蕉七部集評釈』正(1973)・続(1978)は、連句評釈という形式を借りて、徹底的に蕉風とは何かを追求し、識者の世評を上げた。以来十余年、さらに新釈を志し、『風狂始末』(1986)『続風狂始末』(1989)『風狂余韻』(1990)を上梓した。そこで、付合とは何か、言葉とは何かを、各歌仙の趣向と併せて、極めて緻密な考証と研ぎ澄まされた想像力を駆使してスリリングに読み解く。ここに、芭蕉とその一門の人間ドラマが展開される。読者は、本書を繙くことによって、その連句のはこびの緊迫した対話の場へと引きずり込まれる。著者のライフワーク、芸術選奨文部大臣賞受賞の画期的名著。
ある時は薬剤師、ある時はTVキャスター、またある時はアロマテラピーアドバイザー!?医療の現場と患者の橋渡しをするコーディネーターとなるべく奔走する薬剤師・クララが、知られざる薬局&薬剤師の素顔と壮大な夢を語る。
泣いても好い、捨てても好い、貴方のためなら死んでも好い。ひと夏だけの切ない青春物語。
どこまで本当で、どこまでネタか?おもろかったら、それでよし!関西人の心意気みせたるわい!大阪からやってきた一人の男の東京での珍道中を綴ったおかしなエッセイ。
日本のオペラがまだ「幼稚園、小学校レヴェル」の時代に欧米で活躍、注目を集めた歌手の素顔。その生涯を辿り再評価を試みる。オペラ界のイチロー・山路芳久の伝記は本邦初。
人口の減少、家族の変容、価値観の多様化、技術の発達…都市・住宅は今後どうなっていくのだろうか?まちづくり・住まいづくりの最新関連データ満載。
ソビエト体制のもとでは、その時々の権力者による検閲と監視を恐れ、誰も真実を語らず、書かなかった。したがって、本人の発言を含めたすべての関係者の「証言」や、本人が書いたものを含めたすべての証拠文書が、真実が記されているわけではない、そのなかにあって、著者ファーイは、ショスタコーヴィチ自身の書簡、コンサートのプログラム、当時の批評、新聞記事、同時代人の日記などの一次資料を探しあて、相互の矛盾を整理したうえで、偉大な作曲家の生涯と全作品の成立過程を明らかにする。
気高い雰囲気をもちながら、活発で陽気なシー・ズー。その魅力を紹介するとともに、飼い方や基本的なしつけ方をまとめました。愛犬との楽しい生活に、ぜひご活用ください。
書き下ろしエッセイが付いたもう一つの西村作品。警部出番です!旅をキーワードに達人・津田令子がミステリー界巨匠の素顔に迫る。
多くの人々に愛されてきた夢のようなおとぎ話。しかし、それらの中に巧妙に隠された残酷かつ好色な表現やストーリーをよくよく吟味すれば、そこにはおぞましい世界が現出する。本書は、「赤ずきん」「シンデレラ」「赤い靴」「オオカミと七匹の子山羊」「三匹の子ブタ」「浦島太郎」など、原典に秘められた戦慄を描く大人のための童話集である。
100年前にフランス医学界で既に実証された、なぜ海洋水は免疫力が強いのか。数々の末期患者の生命を救い、頑固なアトピー、乾癬を治し、当時大流行の小児コレラの幼い子どもたちを死の淵から救つた海水療法。薬など一切使わず、使ったのは「カントンの海水」のみである。海洋水の驚くべき免疫力と治療効果を臨床例を挙げながら紹介。
仁木悦子の生んだ異色探偵三影潤。季節、登場人物、物語の情感が豊かに溢れ出す、春から夏の終わりまでの全七作品。