幅広いレパートリーを持つ山城組だが、その魅力はやはり原点であるブルガリア民謡に集約されるように思う。その意味で10年以上たった今なお、このアルバムは粉れもなく彼らの代表作である。CD化にあたり、『ビザンチンの響』からも数曲収録された。
芸能生活50年記念のCD4枚に及ぶ『大忠臣蔵』は、三波春夫のライフ・ワークとも言うべき作品で、歌謡&浪曲、地唄、講談とパートごとに“語り”スタイルを替えながら展開していく。「決斗高田の馬場」のノリ(調子)の良いこと。これぞ三波春夫!!。
20余年の歳月が流れてもゲイ・ディスコを中心に不動の人気を誇る(1)を看板にしたベスト。ファンキーな(2)、四分打ちが利いた(11)、コミュナーズでお馴染みの(10)などカヴァーも充実。解説や音源クレジットが一切ないのは不親切すぎるが音質が良好なのが救い。
樫本のデビュー盤。確かにうまい。音も立つし、切れも鋭い。だが、その先の言葉が出てこない。彼の顔は演奏からはあまりうかがえず、とびきりの模範演奏といった範疇を出ていない。審査員ではなく、聴衆を魅了する演奏を心がけてほしい。かなりきつめの音質。
圧倒的なパワー、攻撃性がさらに深まった、全世界待望のサード・アルバム。ライヴでのテンションをそのまま焼き付けたような勢いがある。本作がロックンロールの未来を担う一枚かどうかは定かではないが、レイジの最高傑作であることは確かだ。
すでに100万枚を突破しているとはいえ、以前ほどの勢いを感じないのはプロデューサーである小室哲哉がほかのことに精出しているせいか? とはいえ、個々の楽曲のクオリティは高くKEIKOのヴォーカルもますます艶を帯びている。
総勢20名、ハチャメチャ芸人の武勇伝。
首都ジャカルタに反乱軍が進軍!テロはクーデターのための布石、ゲリラ組織は利用されたのだ。反乱軍は米大使館を包囲、大統領と米大使の拘束を謀る。戦場と化した首都での救出作戦、そして反乱軍艦隊との海戦…戦略家アマンダが繰り出す奇策と圧倒的な戦闘描写を満載。シリーズ最高傑作、壮絶なるクライマックスを迎える。
「現代はヘーゲルを前にして何を意味するかという問いは、まだ発せられてすらいない」-現代の弁証法の巨匠アドルノは本書でヘーゲル哲学の構造と根本的視点に深い省察を加えたのち、こう断言する。アドルノによれば、これまでに企てられたどんな解釈もこの史上まれに見る弁証法的思想家の核心をまだ捉えていない。ヘーゲルの著作は非常に難解だが、それはその哲学が現実のこちら側にとどまらず苛烈な世界のなかへと挺身してゆくところから来る。アドルノはヘーゲル哲学を徒らに思弁的と非難するのではなく、現実に対する最も鋭い認識と批判とをその語法から読み取り、読者の理解を助ける。
米コロンビアに移籍してから5作目となる本アルバムは、スティングやグラディス・ナイト、スティーヴン・タイラーといったヴォーカリストをゲストに招いたデュエット盤。当代随一の男前トランペッターが吹き放つ音色はどこまでも甘く、ロマンティック。
名前の意味から解放奴隷の出身とされるリーベラーリスが、神話やフォークロアに材を求め創造した四十一の変身物語。厳しい自然の中で人が神や妖精と共に生き、愛を交わし、闘った古典世界。死すべき身の人間の見果てぬ欲望を、神は憎み、時に憐んで、人を鳥や獣や星へと変身させる。善悪の判断や装飾を一切加えない素朴で力強い物語は、まさに文学の豊かな源泉。ギリシア語原典からの本邦初訳。