カスミは、故郷・北海道を捨てた。が、皮肉にも、北海道で幼い娘が謎の失踪を遂げる。罪悪感に苦しむカスミ。実は、夫の友人・石山に招かれた別荘で、カスミと石山は家族の目を盗み、逢引きを重ねていたのだ。カスミは一人、娘を探し続ける。4年後、元刑事の内海が再捜査を申し出るまでは。話題の直木賞受賞作ついに文庫化。
幼い友はなぜ、死ななくてはならなかったのか?一文一文から鮮烈な驚きと感動が立ちのぼる傑作ミステリー。
ニューヨーク近代美術館MoMAを舞台に『楽園のカンヴァス』の著者が切り取る5つの風景。
今年もイブが近づいて、恒例のサンタクロース会議が開かれます。その年から新たに加わることになったサンタは何と女性。女性サンタを認めるかどうかで会議は大騒ぎに…。
財布はレシートでパンパン、通帳は紛失中。安物買いの銭失いな買い物ばかりで貯金ゼロの池田が、こんどは命を削ってお金を貯める!?読めば必ず蓄えられる、「人生立て直し」コミックエッセイ第2弾。
鉄の結束を誇るGボーイズに異変が生じた。ナンバー2・ヒロトの胸の内に渦巻く、キング・タカシに対するどす黒い疑念。Gボーイズが揺らげば、池袋のパワーバランスも破綻しかねない…。タカシの危機にマコトはどう動くか?史上空前の熱き闘いを描く表題作はじめ4篇を収録した、IWGP第7弾。
志澤とのかつてないセックスを経験した奈津は、テレビの取材で訪れた香港で、大学時代の先輩・岩井と久しぶりに出会う。夫とも、志澤とも異なる、友情にも似た岩井との性的関係は、彼女をさらなる境地へと導く。抑圧を解放した女性が、官能の果てで見たものは?作家・村山由佳が新境地を切り開いた金字塔的小説。
私は、出会ってしまった。誇り高き画家たちと。太陽の、息子たちとー。終戦直後の沖縄。ひとりの青年米軍医が迷い込んだのは、光に満ちた若き画家たちの「美術の楽園」だった。奇跡の邂逅がもたらす、二枚の肖像画を巡る感動の物語。
「今日の芸術は、うまくあってはならない。きれいであってはならない。ここちよくあってはならない」。-斬新な画風と発言で大衆を魅了しつづけた岡本太郎。この書は、刊行当時、人々に衝撃を与え、ベストセラーとなった。彼が伝えようとしたものは何か?時を超え、新鮮な感動を呼び起こす「伝説」の名著、ついに復刻。
結成11年目、いまだ鳴かず飛ばずの漫才コンビ「イエローハーツ」。これまで、コンビの今後について真剣に話すことを互いに避けてきたふたりも、気がつけば30歳。お笑いに懸ける思いは本気。でももう後がない。だから何とかして変わりたい。そう思ったふたりは、「交換日記」を使ってコミュニケーションを取り始めた。お互いの本音をぶつけ合うためにー。カリスマ放送作家・鈴木おさむだから描けた、売れない芸人たちのリアル青春物語。
昭和十一年二月、運命の偶然が導く切なくて劇的な物語の幕切れ「鷺と雪」ほか、華族主人の失踪の謎を解く「不在の父」、補導され口をつぐむ良家の少年は夜中の上野で何をしたのかを探る「獅子と地下鉄」の三篇を収録した、昭和初期の上流階級を描くミステリ“ベッキーさん”シリーズ最終巻。第141回直木賞受賞作。
じいさんが死んだ夏のある日、孫の良嗣は、初めて家族のルーツに興味を持った。出入り自由の寄り合い所帯、親戚もいなければ、墓の在り処もわからない。一体うちってなんなんだ?この際、祖父母が出会ったという満州へ行ってみようかー。かくして、ばあさんとひきこもりの叔父さんを連れた珍道中が始まる。伊藤整文学賞受賞作品。
できたてオムライスにケチャップをかける鮮やかな一瞬、あつあつの鯛焼きの香ばしい香り…ひと口食べた瞬間、心の片隅に眠っていた懐かしい思い出が甦るーだれもが覚えのある体験を、ユーモアに満ちた視点と、心あたたまる絵でお届けする、23品のおいしいエッセイ集。
1冊で100回笑える、腹筋崩壊エッセイ!
慰安婦・徴用工・竹島…韓国を愛する研究者らが実証的に検証。日韓関係を危機に陥らせた数々の「嘘」を指摘した憂国の書。韓国を震撼させたベストセラーの日本語版。
小さい頃から、殴って、殴られるのが普通だった。誰も本当のことを教えてくれなかった。なぜ自分だけが、こんな目にあうんだろうー上京して芸人となった石山の前に現れる、過去の全て。ここにいるのは、出会いと決断があったから。著者渾身の初小説。
「宝華、万歳!」「初出銑、万歳!」万雷の拍手と大歓声が湧き起った。七年がかりで完成した日中共同の大プロジェクト「宝華製鉄」の高炉に火が入ったのだ。この瞬間、日中双方にわだかまっていた不信感と憎悪が消え去った。陸一心の胸には、養父・陸徳志の、「お前、いっそのこと日本へー」という言葉が去来する。
勤め先の小学校で、ヒロインは「あそぼ」とささやく子供の幻に出会う。そんな折、校内プールに女性の死体が…。その謎にせまる表題作ほか、夢の「場所」捜しから始まる内面の旅を描いて名作の聞こえ高い「たった一人」など六篇を収録。巧みな伏線、鮮やかな舞台設定。清新にして熟達の筆致をおたのしみください。
池袋は安全で清潔なネバーランドってわけじゃない。盗撮画像を売りさばく小学5年生が、マコトにSOSを発してきた。“まだ人を殺してない人殺し”マッドドッグ相手にマコトの打つ手は?街のトラブルシューターの面目躍如たる表題作など4篇を収録したIWGPシリーズ第6弾。
奇妙な恋、奇妙な幸せ。いびつで切ない下宿物語。