「太平洋各地での玉砕と敗戦の悲劇は、日本軍が事前の情報収集・解析を軽視したところに起因している」-太平洋戦中は大本営情報参謀として米軍の作戦を次々と予測的中させて名を馳せ、戦後は自衛隊統幕情報室長を務めたプロが、その稀有な体験を回顧し、情報に疎い日本の組織の“構造的欠陥”を剔抉する。
詩人の「わたし」と恋人の「S・B」と猫の「ヘンリー4世」が営む超現実的な愛の生活を独創的な文体で描く。発表時、吉本隆明が「現在までのところポップ文学の最高の作品だと思う。村上春樹があり糸井重里があり、村上龍があり、それ以前には筒井康隆があり栗本薫がありというような優れた達成が無意識に踏まえられてはじめて出てきたものだ」と絶賛した高橋源一郎のデビュー作。
自分の隠れた性格を知るために。恋人、友人、家族、同僚、ビジネス相手の、本当の性格を知るために。パーティやコンパでの話題作りにうってつけ。心理学、歴史学、占星術、タロット、数秘術を駆使し、古今東西14,000人以上の実在の人物をデータ分析した性格診断ガイドブックの決定版。
十年間堪え忍んだ夫との生活を捨て家政婦になった主婦。囚われた思いから抜け出して初めて見えた風景とは。表題作ほか、劇作家にファンレターを送り続ける生物教師の“恋”を描いた「虫卵の配列」、荒廃した庭に異常に魅かれる男を主人公にした「月下の楽園」など全六篇。魂の渇きと孤独を鋭く抉り出した短篇集。
国際会議に欠かせない同時通訳。誤訳は致命的な結果を引き起こすこともあり、通訳のストレスたるや想像を絶する…ゆえに、ダジャレや下ネタが大好きな人種なのである、というのが本書の大前提。「シツラクエン」や「フンドシ」にまつわるジョークはいかに訳すべきかをはじめ、抱腹絶倒な通訳稼業の舞台裏を暴いたエッセイ集。
4億人が利用する巨大ソーシャル・ネットワーク創業者マーク・ザッカーバーグの知られざる素顔。
隣接する老人ホーム「ひまわり苑」と「ひまわり幼稚園」は、理事長の思いつきで、相互交流を開始する。当初は困惑するものの、しだいに打ち解けてゆく園児と老人たちだが、この交流が苑と園の運営を巡り、思わぬ騒動を引き起こす。老人たちと園児らの不思議な絆、そして騒動の顛末を描いた感動と爆笑の長編小説。
リスが仮死状態になるくらい寒い場所でのむ、あたたかいジュース。湯通ししためかぶが青々とすきとおる、目のさめるような瞬間。はたけのじょうとうなレタスを食べた、ピーターラビットの感動…。食べものをめぐる情景が心にしみわたる、おいしいおいしいエッセイ集。
アルバイト先で初めてつくったまかない料理の肉じゃが、子どもの頃カイロで食べた卵かけごはんの特別さ、朝起きて最初にする珈琲儀式、大声で大好きって言えなくてごめん!たこ焼きーカイロ&大阪育ちの幸せな食オンチが「ごはん」にまつわる「キラキラ」を綴ったエッセイ。敬愛する料理人・竹花いち子氏との対談を特別収録。
本は読んでいなくてもコメントできる。いや、むしろ読んでいないほうがいいくらいだー大胆不敵なテーゼをひっさげて、フランス文壇の鬼才が放つ世界的ベストセラー。ヴァレリー、エーコ、漱石など、古今東西の名作から読書をめぐるシーンをとりあげ、知識人たちがいかに鮮やかに「読んだふり」をやってのけたかを例証。テクストの細部にひきずられて自分を見失うことなく、その書物の位置づけを大づかみに捉える力こそ、「教養」の正体なのだ。そのコツさえ押さえれば、とっさのコメントも、レポートや小論文も、もう怖くない!すべての読書家必携の快著。
症状の9割は“気のせい”!?スマホでカンタンに自律神経をチェック!眠りが深くなる魔法のストレッチ。体の不調を検索するのは百害あって一利なし…自律神経のギモンを専門医がすべて解説!
試行錯誤は「悪」。“基礎の理解”に時間をかける、より少ない時間で価値を最大化する考え方とは?「準備」と「持ち帰り」をやめて、その場で解決する、“脳の負荷を減らす”コミュニケーションの極意、コントリビュート文化で「感謝」の好循環を生む…etc.仕事と人生を「自分の手でコントロールする」最高のスキルがここに!
Web2.0で花開いた数々のツールで、ビジネスのやりかたは革命的に変わった。広告はもういらない。
社会復帰後も失意の中にいた久藤は、友人水嶋の提案で、銀行強盗を計画し、神原と葛城にも協力を依頼する。三人は、神原の提案で少年院時代の知り合いである米山と黒沢にも協力を依頼する。三人の迷える魂の彷徨の果てにあるものとは?ミステリーで社会に一石を投じる著者の真骨頂と言える金字塔的傑作。
何気ない言葉に傷ついたり、理想と現実のギャップに嫌気がさしたり、いきなり頭をもたげてくる過剰な自意識にとまどったり…。生きているかぎり面倒は起こるのだけれど、それも案外わるくないと思える瞬間がある。ふとした光景から“静かな苦笑いのひととき”を抽出した、読むとちょっと元気になる小説集。
おすすめの一冊を持ち寄り、本の魅力を紹介し合う書評ゲーム「ビブリオバトル」。たった4つのルール、5分間の熱いプレゼン。ネット時代の新しい本と人との出会いを生む“つながる読書”の全貌を、ゲーム発案者が描く。
沖田、土方、近藤ら仲間たちとの永訣。土方の遺影を託された少年・市村鉄之助はどこに消えたのかー維新後、警視庁に奉職した斎藤一は抜刀隊として西南戦争に赴く。運命の地・竹田で彼を待っていた驚愕の光景とは。百の命を奪った男の迫真の語りで紡ぐ鮮烈な人間ドラマ・浅田版新選組三部作、ここに完結。
「読む」とは、どういうことか。何をもって、「読んだ」と言えるのか。ドストエフスキーの『罪と罰』を読んだことがない四人が、果敢かつ無謀に挑んだ「読まない」読書会。
江戸で父の死の真相を探り続ける古橋笙之介は、三河屋での奇妙な拐かし事件に巻き込まれる。「桜の精」のような少女・和香の協力もあり、事件を解決するのだが…。ついに父を陥れた偽文書作りの犯人にたどり着いた笙之介。絡み合った糸をほぐして明らかになったのは、上総国搗根藩に渦巻く巨大な陰謀だった。「真実」を突き付けられた笙之介が選んだ道とは…。切なくも温かい、宮部みゆき時代ミステリーの新境地!