彩加が取手の駅中書店の店長になってから一年半、ようやく仕事が軌道に乗り始めたと感じていたところ、本社から突然の閉店を告げられる。一方、編集者の伸光は担当作品『鋼と銀の雨が降る』のアニメ化が決定して喜ぶものの、思わぬトラブル続きとなり…。逆境の中で、自分が働く意味、進むべき道について、悩む二人が見出した答えとは。書店を舞台としたお仕事エンタテインメント第六弾。文庫書き下ろし。
両親、弟妹、祖父母に曾祖母。今時珍しい大家族に嫁いだ法子を待っていたのは、何不自由ない暮らしと温かい家族の歓待だった。しかしある日、近所で起きた心中事件に彼らが関係しているという疑惑を抱いた法子は、一見理想的な家族を前に疑心の闇にはまっていく。やがて暴かれる、呪われた家族の真実とは。
小1の時、赤痢で隔離されたリリーと、小5の時、水疱瘡をうつして、友達の修学旅行を台無しにしたナンシーが、絶妙な立ち位置から繰り出す伝染病に、カレーに、中国、福田和子…。苔むす間もなく話題は転がり、思えば遠くへ来たけれど、そこに広がる風景は、ポジティブ世代に贈る妄想と諦念の荒野。二人の最初で最後の対談集。
イタリア雑貨の買い付けをしながら一人暮らしをしていた私の家に、七歳下の従妹チエちゃんがやって来た。率直で嘘のないチエちゃんとの少し変わった同居生活は、ずっと続くかに思われたが…。家族、仕事、恋、お金、欲望。現代を生きる人々にとって大切なテーマがちりばめられた、人生のほんとうの輝きを知るための静謐な物語。
科学捜査の天才リンカーン・ライムのいとこアーサーが殺人の罪で逮捕された。自分はやっていない、とアーサーは主張するも、証拠は十分、有罪は確定的に見えた。しかしライムは不審に思うー証拠がそろいすぎている。アーサーは罠にかかったのではないか?そうにらんだライムは、刑事アメリア・サックスらとともに独自の捜査を開始、同様の事件がいくつも発生していることを知る。そう、姿の見えぬ何者かが、証拠を捏造し、己の罪を他人になすりつけ、殺人を繰り返しているのだ。犠牲者を監視し、あやつり、その人生のすべてを奪い、収集する、史上もっとも卑劣な犯罪者。神のごとき強大な力を持つ相手に、ライムと仲間たちはかつてない苦戦を強いられる…。
東京から夫の故郷に移り住むことになった梨々子。田舎行きに戸惑い、夫とすれ違い、恋に胸を騒がせ、変わってゆく子供たちの成長に驚きー三十歳から四十歳、「何者でもない」等身大の女性の十年間を二年刻みの定点観測のように丁寧に描き出す。じんわりと胸にしみてゆく、いとおしい「普通の私」の物語。
仕事はバリバリ、スタイルだって顔だって悪くないのに、なぜか恋愛がうまくいかない29歳の岡部智香。あだ名は、デートでいい雰囲気になっても最後までいけない“ヤリスン”。仲良しアラサー4人組で、理想の結婚を目指して合コンをくり返すのだが…。働く女性たちのリアルな泣き笑いを描く婚活エンタメ決定版!
サブスクリプションは単なる課金形態の変更ではなくビジネスモデルの変革であるーサブスクリプション・ビジネスの支援で世界をリードするZuoraの創業者兼CEOが初めて明かす!
「童子のあやかしが出没し、悪さを働いているようだな、博雅」「よし。では、ゆくか晴明よ」。われらが都を魔物から守れ。百鬼が群れる平安京の闇の果て、幻術、風水術、占星術を駆使し、難敵に立ち向う希代の陰陽師・安倍晴明、笛の名手・源博雅。名コンビの活躍、すがすがしくて、いと、おかし。
二十世紀をまるごと描いた、古川日出男による超・世界クロニクル。四頭のイヌから始まる、「戦争の世紀」。
目標はオリンピックの金メダル。箱根駅伝は通過点、仲間なんか必要ないはずだった…。天才ランナーを揺さぶる血の秘密。
彼がしてほしいのは、こんなこと。スローセックス・ビジュアルレッスン。
女の怒りもいろいろある。大阪から上京して文化の違いに驚いた「戸惑い怒り」。家族のボケをあかるく嘆く「つっこみ怒り」。愛するペットに対するひどい仕打ちに涙する「本気怒り」まで…。それでも怒りはためこまず、笑い飛ばしましょう!怒って笑って、最後はスッキリ。ストレス解消型エッセイ&4コママンガ。
毎日、真面目に生きているつもりなのに…なぜか、すべてがコントになってしまう人生。思えばそれは子供の頃からだった。小学4年生のときのバレンタイン。あれはひどかった。おかんとふたりの海外旅行。あれは危なかった。彼とのクリマスマスイブ。なんでそうなるのか。これ全部本当なんです。
地縁、社縁、血縁が崩壊し、“ひとりぼっち”が急増するニッポン。無縁死はもはや他人事ではない。
昭和五十九年、台風の夜。埼玉県浦和市で不動産会社経営の夫婦が殺された。浦和署の若手刑事・渡瀬は、ベテラン刑事の鳴海とコンビを組み、楠木青年への苛烈な聴取の結果、犯行の自白を得るが、楠木は、裁判で供述を一転。しかし、死刑が確定し、楠木は獄中で自殺してしまう。事件から五年後の平成元年の冬。管内で発生した窃盗事件をきっかけに、渡瀬は、昭和五十九年の強盗殺人の真犯人が他にいる可能性に気づく。渡瀬は、警察内部の激しい妨害と戦いながら、過去の事件を洗い直していくが…。中山ファンにはおなじみの渡瀬警部が「刑事の鬼」になるまでの前日譚。『どんでん返しの帝王』の異名をとる中山七里が、満を持して「司法制度」と「冤罪」という、大きなテーマに挑む。
太平の世に行き場を失い、人生に惑う武家の男たち。身ひとつで生きる女ならば、答えを知っていようかー。時代小説の新旗手が贈る傑作武家小説集。
街をワゴンで駆けながら、料理を売って生計をたてる女性、夏都。彼女はある誘拐事件をきっかけに、中学生アイドルのカグヤに力を貸すことに。カグヤの姉である有名女優のスキャンダルを封じるため、ある女性の携帯電話からメールを消去するという、簡単なミッションのはずだったのだがー。あなたはこの罪を救えますか?想像をはるかに超えたラストで話題騒然となった「週刊文春」連載作。
皺は美しいと言いながら無駄に高いクリームを塗りこむ。自意識が邪魔をしてSNSに投稿できない。通販サイトを見るうちにヒートアップ、気がつけば家じゅう段ボール箱。初めて1人でバーに入ったらそこはシガーバー。迫りくる「産むか産まないか」問題ーアラサー女子の愛おしくもイタい日々。芥川賞作家による赤裸々エッセイ。