宝塚の娘役である千花は、歌舞伎界のプリンスと目される梨園の御曹司と、親友でライターの萌は歳の離れた評論家と、それぞれの恋を謳歌している。だが、花の盛りのように美しいヒロイン達の日々は、現実の退屈さや挫折、裏切りによってゆっくりと翳りを帯びていく。甘く苦い青春を描いた傑作恋愛長篇。
あの街灯を壊してほしいー。誰の何を守るために赤坂老人はあんなことをしたんだろう?恋も仕事もうまくいかなくったって、毎日はすすんでく。フリーター久里子が出会った日常の事件。
哲学とは何よりもまず、好奇心と探究心に満ちた子どもの遊び場だー。中学生の翔太と猫のインサイトが、「いまが夢じゃないって証拠は?」「心があるって、どういうこと?」「たくさんの人がいる中で、ある一人だけが『ぼく』なのはなぜ?」「死ぬって、どういうこと?」といった問いをめぐり対話する。「私」が存在することの奇跡性のほか、実在論や可能世界、正義原理、言語ゲームなど哲学の諸問題を取り上げ、自分の頭で考え抜くよういざなう。予備知識のいらない、「子ども」のための哲学入門。
超一流イリュージョニストの“魔術師”は早変わり、脱出劇などの手法を駆使して、次々と恐ろしい殺人を重ねていく。ライムたちは、ついに犯人の本名を突き止めるが、ショーの新たな演目はすでに幕を開けていたー「これまでの作品のなかで最高の“どんでん返し度”を誇る」と著者が豪語する、傑作ミステリ。
かけもちバイトで生活は安定したけれど、肝心の絵の仕事は成果なし…。そんな時、思いがけない連絡が舞い込んできて、ふわふわした浮き草暮らしにとうとう終止符が。
200余篇の生と死と愛の物語。
まずは、「テーマ」と「カラー」を決めることからスタート。あなたの気持ちを書き込めるノート形式。ウエディング・ビジュアル・ディレクターが提案するハッピーコーディネートアイデア満載。
おうちにあるクッキー型や市販のスイーツをつかったレシピもあるから、気軽にチャレンジできます。ていねいなプロセスと豊富な写真で、デコレーションのポイントがわかりやすい。キュートなデコレーションを生かしたラッピングを紹介。プレゼントにも最適。
梅毒の正体を知るため、患者の膿を「自分」に塗布!急激な加圧・減圧実験で鼓膜は破れ、歯の詰め物が爆発!!…ほか、常識を覆すマッドな実験が満載。
網を打つ者。とどめを刺す者ー。おのおのが技を繰り出し集団で鯨に立ち向かう、世界でもまれな漁法「組織捕鯨」を確立し繁栄する紀伊半島の漁村、太地。しかし、仲間との信頼関係が崩れると即、死が待ち受ける危険な漁法であるため、村には厳しい掟が存在した。流れ者。己の生き方に苦悩する者。異端者ー。江戸から明治へ、共同体で繰り広げられる劇的な人生を描いた渾身作。
名探偵リンカーン・ライムに持ち込まれたプロの殺し屋による殺人。だが現場には犯人の痕跡が何もなかった。「犯人は犯罪の現場に必ず微細な証拠を残す」という原理を裏切る難事件を描く「ロカールの原理」他、多彩なドンデン返しであなたを驚愕させる16の物語。だまされる快感を満載した巨匠の短編集。
浅草の呉服屋の一人娘、結城麻子はアンティーク着物の仕入れで、京都の葬儀社の桐谷正隆と出会う。野心家の正隆がしだいに麻子との距離を縮めていく一方、ほの暗い過去を抱える正隆の妻・千桜は、人生ではじめて見つけた「奴隷」に悦びを見出していく…。かつてなく猥雑で美しい官能世界が交差する傑作長篇。
アメリカ政府を批判していた活動家モレノがバハマで殺害された。2000メートルの距離からの狙撃。まさに神業、“百万ドルの一弾”による暗殺と言えた。直後、科学捜査の天才リンカーン・ライムのもとを地方検事補ローレルが訪れた。モレノ暗殺はアメリカの諜報機関の仕業だという。しかも「テロリスト」とされて消されたモレノは無実だったのだ。ローレルは、この事件を法廷で裁くべく、ライムとアメリア・サックスを特別捜査チームに引き入れる。スナイパーを割り出し、諜報機関の罪を暴けーライムと仲間たちは動き出す。だが現場は遠く、証拠が収集できない。ライムはバハマへの遠征を決意する。一方、謀略の隠蔽のため暗殺者が次々に証人を抹殺してゆき、ニューヨークで動くアメリアに、そしてバハマのライムにも魔の手が…
文化人類学者から転じたフィナンシャルタイムズアメリカ版編集長が、「インサイダー兼アウトサイダー」の視点で、鮮やかに描き出す、現代社会を捉えるもっとも重要なコンセプト。高度に複雑化した社会に対応するため組織が専門家たちの縦割りの「サイロ」になり、その結果変化に対応できない。その逆説を「サイロ・エフェクト」という。
子育てをした子育てをするすべての人へ贈る。最初で最後の自伝的絵本。
ワンマン経営に疲弊する現場!サービス残業、人手不足、パワハラ、無理なシフト、出勤調整で人件費抑制ー「うちの会社で働いてもらって、どういう企業なのかをぜひ体験してもらいたい」。柳井正社長の言葉に応じ、ユニクロの店舗で一年以上にわたり働いたジャーナリストが克明に描いた潜入ルポルタージュの傑作!
西郷に続いて官を辞した、もとの司法卿・江藤新平が、明治七年、突如佐賀で叛旗をひるがえした。この乱に素早く対処した大久保は首謀者の江藤を梟首に処すという実に苛酷な措置で決着をつける。これは、政府に背をむけて、隠然たる勢力を養い、独立国の様相を呈し始めている薩摩への、警告、あるいは挑戦であったであろうか。
名作『慟哭』から十四年。ふたたび「宗教」をテーマに、魂の絶望と救いを描いた雄渾の巨篇。