人間(脳や精神)の本質は、神経・精神の不調が教えてくれる。
現存最古の源氏絵、国宝「源氏物語絵巻」の全画面を読み解き、歴史の中で源氏物語が果たした役割を追究する。全56面一挙収録。幻の“黄金の庭絵巻”も登場。
日本の国民食ラーメン。そこには、中国伝来の製麺技術が吸収・同化されたうえで、日本料理ならではの伝統がいくつも盛り込まれている。明治維新までの肉食忌避が解消され、安くてうまくて栄養いっぱいの食べ物が求められるようになると、全国で爆発的に普及。インスタントラーメンの発明を経て、世界中に広まっていく。外来文化を取り入れては積極的なアレンジを繰返す、日本人の凄まじい情熱と知恵。本書は、膨大な史料を踏まえて描かれた壮大な歴史ドラマである。巷間のラーメン情報の底本となったラーメン通史の決定版。
かつて人類が頼っていた治療法はこんなにも危険だった。水銀入り頭痛薬、ヒ素入り強壮剤、ストリキニーネの整腸剤…リンカーン、ダーウィン、ヒトラーら有名人から一般人までが受けていた信じられない医療の数々に吃驚仰天必至。驚いた後には、現代医療に感謝しつつ、他人事ではないと背筋が寒くなる歴史書。
自然をしっかり見ること、それを自分の中の印画紙にしつかりと焼きつけること、デッサンをくり返すこと。そうしてできた作品はきっと胸に迫るものだ。世界的な彫刻家と画家による、気の置けない、しかし確かなものに裏付けられた「普通」の対談。カラー図版多数収載。
海坂藩士・葛西馨之介は周囲が向ける愍笑の眼をある時期から感じていた。18年前の父の横死と関係があるらしい。久しぶりに同門の貝沼金吾に誘われ屋敷へ行くと、待っていた藩重役から、中老暗殺を引き受けろと言われるー武士の非情な掟の世界を、端正な文体と緻密な構成で描いた直木賞受賞作と他4篇。
明治の終り、故郷を追われ北九州若松港に流れてきた男と女。二人は最下層の荷役労働者となり、度胸と義侠心で荒くれ男を束ね、波止場の暴力と闘う。男は玉井金五郎、女はマン。男の胸の彫青は昇り龍に菊の花。港湾労働の近代化を背景に展開する波乱万丈の物語。著者は本名玉井勝則、金五郎・マンの長男、実名で登場する。
もう着なくなった古いふく、リボンの切れはし、あまった毛糸、ボタン、ビーズ…。身のまわりにあるもので、なにかつくってみませんか。布を切ったり、むすんだり、毛糸をあんだり、たばねたり。ハリもあみ棒もつかわずに、かんたんしゅげいを気軽に楽しみましょう!対象年齢・5歳〜大人まで。
おれはなんで、こんなに空っぽなんじゃー野球部を引退し受験勉強に邁進するはずだった高校3年の渓哉。だが自分の将来を思い描けず、焦燥感に苛まれている。ある日、道に迷っていた美しい女性・里香を案内することになるが…あさのあつこが故郷・美作を舞台に描く“直球”青春小説。書き下ろし短篇「もう一つの風」を収録。
日本画家、洋画家、陶芸家、彫刻家、版画家37名、小説家、詩人、歌人11名の絵手紙90通を収載。