70年代後半から「福祉国家」の危機が叫ばれ、数多くの批判が展開されてきた。本書は、福祉国家論の現状と問題構造を分析し、ジェンダー論や「市民権」の論理を踏まえた「参加」と「手続化」を鍵概念にして、福祉社会を基盤とする、非抑圧的な福祉国家の形成を模索する。
環境社会学と社会運動論との接点を意識しつつ、環境運動が環境問題をめぐる社会紛争・問題解決過程、制度・政策の形成において果たしてきた社会的役割を明らかにする。さらに環境運動を主導する理念・価値、運動が直面する既存の制度や政治の壁など、日本における環境運動の展開過程を規定する諸条件を考察する。
大地母神の使い、魔女裁判の被告、グリム童話に登場する老婆。史実/伝承/グリムによる近代的家庭像の創出から魔女像の変容と真相に迫る。
日本の“家”の歴史において“子ども”はどのように位置づけられてきたか。また、文化史の流れのなかで“子ども”はいかなる範疇に布置されてきたか。「儀礼」という視点にたち日記、絵画、物語などさまざまな史資料を通して原始・古代から中世にわたる“子ども”と“家”の歴史と文化をみわたす。
21世紀の国際社会の合意である「ミレニアム開発目標」の実現によって、いかに貧困を削減するか。近年、欧米で盛んな開発研究の成果をふまえつつ、著者の体験を交え、開発途上国の抱えるさまざまな問題とその解決策を総合的に考察する。
第一線の研究者とジャーナリストによる多彩な論考集。三井徹研究評論年譜+ポピュラー音楽研究41年史付き。
男女の文化的・社会的性差は、マクロ的な政治社会のあり方にどのように関わっているのかー政治学研究にジェンダー的視点を導入し一石を投じるパイオニア的考察。
正義は経済を忘れていないか。経済は正義を忘れていないか。アマルティア・センの問いかけでセン・セミナーが始まった。贈与と相互性、選好と推論、権利と自由、ネオ共和主義、そしてジェンダー…いかにして不正義に抗するか。
「原爆はアメリカ市民の命を救った」という語り、放射能でパワーアップする映画やコミックの表象、流行歌に潜む独自の核イメージ…なぜアメリカでは、原爆が悪ではないのか?