制度化された「労働」の批判。家事労働からセックスワークまで、労働のなかの“女/男”をジェンダーの視点から分析する制度・言説・表象の政治学。
女の子/男の子/母親/父親…『らしさ』の枠をあらためて問う。
明治の離婚率は現在より1.5倍も高い。庶民のなかでは、女も働き手として自活する力をもっていたため、男と同じ立場で離婚を選べたのだ。一方、上流階級では「家」を守るため、婚前契約を結ぶ結婚や、一方的な追い出し離婚が行われていた。当時の新聞や離婚裁判の記録から婚姻の実態を読み解きながら、「地域の慣習」から「明治民法」へと、生活規範の変更を余儀なくされた人々の姿を明らかにする。
ヴィーナス・レコード移籍第1弾は、テナーのワンホーン・カルテットによる一世一代のディープな世界を描く名バラード・アルバム。名曲「レフト・アローン」ほか、胸を打つ曲満載の1枚だ。
私は「男になりたかった」のではない。「女ではない」身体が欲しかっただけだ。フェミニズムとの共闘へ、クィアコミュニティの深部から放つ爽快なジェンダー論。
男女平等や性の自己決定、それらを支える社会制度の設計を推進してきた概念であるジェンダーに対して、誤解や曲解に基づく攻撃=バックラッシュが全国で巻き起こっている。「男らしさ/女らしさ」を基盤に、性別役割の非対称な権力構造を固定化させるのが狙いである。これに反撃するシンポジウムには、江原由美子や井上輝子、若桑みどりら研究者を筆頭に、学校教員・弁護士・政治家・女性団体・市民が集まり、バックラッシュの現状を報告しあい、概念としてのジェンダーをめぐる徹底討論がおこなわれた。その成果をもとに、上野千鶴子や鶴田敦子、加納実紀代、舘かおるらも寄稿し、バックラッシュの反動性を批判し、ジェンダー概念の深化をさぐる。
応化十六年。内戦下の日本。性的差別、人種問題、経済と宗教、それぞれが孕む矛盾のなかを生き抜いていく、少年少女の一大叙事詩。「裸者と裸者」に続く、書き下ろし最新作。
純愛・性愛・家族そして性暴力という視角から、近現代小説の象徴的な場面を読み解く、斬新でスリリングな一冊。
ジェンダーに関わる社会現象を分析するために社会理論はいかに有効か。研究の最前線を担う執筆陣が明らかにする。
映画作りに没頭するシャイな青年と彼に協力する謎めいた初老の男、そして青年がヒロインにしたいと願う美女。3人が織り成す友情や恋、夢のストーリーをペーソスたっぷりに描く。スティーヴ・ブシェーミ主演の感動編。
ハビトゥスからジェンダー論まで。修道士もおこなっていた看護がいつか母性という評価にすり替り、そこに「女性」がとりのこされた理由を、ブルデュー理論と、フランス社会史を遡行しながら探る。
かつてヤリ手の法律家だったロイヤルは、22年ぶりに我が家に帰ってくる。妻と3人の子どもたちもそれぞれに日陰の道を歩んでいたことを知った彼は、家族のために一芝居打つのだが……。ウェス・アンダーソン監督のユーモアが効いた傑作ホーム・ドラマ。
国際救助隊トレーシー一家の活躍を描いた、人気SFシリーズの映画版。墜落の危機を迎えている人類初の有人火星探査ロケット・ゼロ・エックス号を救うため、サンダーバードが発進する。