現代思想家を総動員し、啓蒙主義の二項対置的思考の全面的な批判考察のうえに、女性性の再定義をめざす理論構築に挑戦。
臨床的有効性としてではなく文化理論における試みとして女性性と願望充足、男性性と断念を結びつけることで見えてくるフロイト宗教理論の批評的根拠。
世界に名だたる長時間労働体制下の日本において、家族は解体の淵に立っているのか-本書は、従来の家族研究方法に内在する問題点を批判的に考察しつつ、現代日本の家族を歴史的に位置づけ、かつ「企業社会」との相互連関構造を明らかにする。ジェンダー・アプローチによる家族研究の到達点。
本書は、ジェンダー上の不平等な事象を多角的に取り上げ、いまだに女性差別がほとんどの社会で存続していることを、詳細なデータとその鋭い分析によって告発する。
本書は、平成四年度後半から六年度にかけて実施されたアジア太平洋センターによる自主研究B-1プロジェクト「タイ社会における伝統的価値観とその変容に関する文化人類学的研究」の報告書である。
70年代後半から「福祉国家」の危機が叫ばれ、数多くの批判が展開されてきた。本書は、福祉国家論の現状と問題構造を分析し、ジェンダー論や「市民権」の論理を踏まえた「参加」と「手続化」を鍵概念にして、福祉社会を基盤とする、非抑圧的な福祉国家の形成を模索する。
情報化でとらえる日常生活。家庭・地域・職場における変化の諸相を明らかにする。
遺伝子技術をはじめとする現代科学の生命観はいかなる文化的・社会的起源を有するものなのか。言語をめぐる問題を視野に収めつつ、「ジェンダーと科学」論の第一人者が新しい科学と生命観の可能性を提示する。
本書は、20世紀末の日本における女の現状と問題点を、特に社会の制度と人々の意識のレヴェルで探ろうとするひとつの試みである。
本書は、NIH女性健康局と国立看護研究所が中心となって91年に開催されたワークショップ「出生前遺伝検査ー女性への衝撃」の講演記録を元に刊行されたものである。